雑種犬肉球日記

雑種犬が書いたブログ。

夏だもの涼しいお部屋で呑みながら映画でも観ようぜ

どうも。

今日からいつも通りのダラダラなかんじに戻りますよ。

今週珍しく日曜に休みなので、酒の支度が既に整っている訳ですねッハイッ(おかしなたかぶり)

岩下の新生姜切って、茗荷を岩下汁に漬けた「人をダメにするおやさい」と、ハムとがもう用意されています。

さて、今日は何を観ようか。

 

昼間、仕事中には「立喰師列伝」が観たくてチュカラ! 言っていましたが、ここにきて急に「Avalon」が気になっています。

GHOST IN THE SHELL」「イノセンス」は立て続けにこの間観ちゃったし、今日はコレもう「Avalon」かな。町の食堂でスタンナが、めっさお行儀悪くてきったないけど、ものっそいうまそうにモーニング食べてるシーン、何でか好きなんですよ。あとわんこかわいい。

スカイ・クロラ」はダメ。あれ観ちゃうと序盤からもれなく号泣するから。たぶん、初見の人が一緒に観てたら「えっ今そんな泣く要素ありましたっけ? 」と不安と混乱におとしいれかねない。そのぐらい序盤から泣く。司令官室で水素がハンガーの方見てる、そのワンカットだけでまず泣きますから。

 

そうそう、先日買って鉢に植えたと思ったらポコポコ花が咲き出したアメリカンブルーですが、相変わらず、毎日2つ3つ花が咲いてます。明日も咲くかもしれません。苔玉の烏頭さんも元気です。そのうち巨乳美女の画像でも見せてやろうかと思っています。烏頭さん巨乳派だから。

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さて、お題に取り上げた「ユーリ!!!」は至高のステキさだけど俺が書いてるのでバカみたいにクッッッッソ長文の更新が続いていたし、今日はサクッとこの辺で終わらせるか。もう「Avalon」のDVDにしよう。天孫降臨の赤も出てきたし。黒霧島があるのかと思ってたら、天孫降臨の赤でした。赤霧島が空いたらこれを呑もうと思います。

 

ああ、もし今「Avalon」のあのVRゲームが実在してたら、私間違いなくコレで飯喰ってるな。そのぐらい、観ているものの欲をくすぐる映画だわ。

 

「ユーリ!!! on ICE」第五滑走を語る・Vへの供物 その5

どうも、また更新の時間が参りました。もうこれで終わらせる。

仕事も忙しいし、9日にはえねっちけのBSで百物語やるとかいう噂だし、イロイロ大変なんですよ。

 

さて、前回は勇利のフリー演技で終わりましたが、果たしてどんな評価を得るんでしょう。

 

審査の結果は、ジャンプの失敗もなんのその、見事優勝!

ヴィクトル=サン、がっちり勇利に抱きついて頬ずりなんてしてます。

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「あのジャンプでよくぞここまで得点出たなって感じだねー! ファイブコンポーネンツでそこそこ稼げると証明してくれてアリガトウ! もっと点取れるから、落ち込んじゃダメだよっ勇利!♡」

温泉on ICEで、ジャンプよりもまず情緒的な艶で勝負するスタイルの選手であることは解っていましたが、正式な試合でも、今まで以上にそこを特化したスタイルが通用すると立証された訳です。やっぱり俺の見立て合ってた! とか思ってるんでしょうね、ヴィクトル=サン。

そこに南くんがあらわれます。オイの完敗です! という様子が、もう嬉しそうですね。

「グランプリシリーズで、オイもいつか勇利くんと一緒に戦いたかです! そいまで絶対やめんでください! 」

キラッキラの、仔犬みたいにまっすぐな瞳です。これはもう、一層慕われちゃったね勇利。

「それともうひとつッ! サインください!! 」

さっと色紙とペンを差し出されました。更に他の出場選手も集まって、サインや写真を頼まれます。勇利、ファンサ大事だよ。

リンクを出ると西郡と、ミナコ先生も嬉し涙で出迎えます。

「感動しちゃったわよう。後輩にライバル意識丸出しで戦うなんて! 」

確かに、その辺が心配な子ではありますよね。

西郡には、最後のジャンプで壁にぶつかったことで、怪我でもしたらどうするんだと叱られました。

心配してくれていた二人に、ごめん、と勇利は照れたような笑顔で、

「最初、負けたくないって気持ちで必死だったけど、途中から、なんかすごく楽しくなってきて、」

よくおぼえてないんだと答えました。

集中が極まってハイになっていたのでしょうね。

「とにかく、今まで滑ってきた中で、いちばん楽しかった! 」

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この笑顔が、もう全てを語ってますよね。

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スケートを始めたばかりの子供の頃と、同じ表情なんですよ。それだけ無心に楽しく滑れたということなんでしょうね。

そして2位に食い込む南くん。勇利の隣に立ててよかったね。

 

このニュースを見たピーテルのユリオは安定のご機嫌斜め。3つしか違わないお姉さんにババアだなんてダメだよ。あと何年かすれば、3つや4つの違い程度なら恋愛対象として違和感なく見られるようになるんだから。

 

さて、日本へ視点を戻すと、グランプリシリーズ出場選手の会見がテレビ中継されています。

今回はこのシーンでエンディングを迎えますが、ここでもうひとつ、勇利の成長を見せてくれるのです。

今年のテーマはなんですか、と質問されて、勇利がフリップを出します。

 

「愛」。そこには大きくそう書かれていました。

 

訥々と、覚悟を持った口調で勇利が語り出し、その声は言葉を重ねるうちに、やがて強さと熱情を帯びてゆきます。

ここのセリフが、見事に勇利の変化や成長を感じさせてくれるものになっています。何度も繰り返し再生のちからによってできる限り正確に、ここに書いてみます。

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「今年のグランプリシリーズで、僕がテーマにするのは『愛』です。今までのスケート人生、いろんな人に助けられながらやってきましたが、愛について考えたことは一度もありませんでした。恵まれた環境にいながらそれを活かしきれず、独りで戦っているような気持ちでずっといました。……けど、ヴィクトルコーチがあらわれて、僕の見ていた景色は一変しました。僕の愛、それはわかりやすい愛や恋ではなくて、ヴィクトルとの絆や、家族や、地元に対する微妙な気持ち、…ようやく自分の周りにある愛のようなものに気づくことができました。初めて自分からつなぎとめたいと思った人。それがヴィクトルです。その感情に名前はないけど、あえて愛と呼ぶことにしました。愛を知って、強くなった僕をっ、グランプリファイナルの金メダルで証明します!!!! 」

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リンクを降りた途端に引っ込み思案になる勇利は、地区大会での囲み取材の様子でもわかるように、あまり自分からはっきり喋るタイプではない子だったのでしょう。それこそ、マイクを向けられると固くなってしまうような。そんな子が自分から、ここまで雄弁に語ってみせた。とんでもなく画期的なことだと思いませんか。

いきなりの変化に報道陣も、会見の司会をつとめる勝生番・諸岡アナも呆然としています。

勇利の実家・ゆーとぴあでも、両親にヴィクトル=サンとマッカチン、真利姉ちゃん、西郡ファミリーとミナコ先生も駆けつけて、食堂の大型テレビで会見の中継を見ていました。

「俺たち、」「ビミョーだったんだ」「ずっと応援してきたのに」

勇利の言葉に、呆然としたりちょっと面白くなかったり、と反応は様々ですが、ヴィクトル=サンは通常運転。勇利のネクタイを見て、そのネクタイはダサいから新しいのを買おうねなんて言っています。いくら今ひとつだからって、燃やすのはやめよう?

その頃、タイでは勇利の大親友・ピチットくんも本格始動です。チェレスティーノも納得、中国大会ではピチットが優勝だ、なんて会心の笑みですが、

「今のジャンプちょーよかったでしょー。きれいに録れた? 」

「あ、すまん」

録画を頼まれたのに、撮影忘れたみたいですね。

「えぇ? 1秒でも早くネットにアップしないとダメなんだよー! 」

一見ほのぼの、でも勇利の戦いはいよいよ世界を舞台にするのだ、と更なる強力なライバル達があらわれる予感を抱かせつつ、第五滑走は終わります。

 

ホントもう何なんですかこのアニメ。1話30分の枠で、これほどの情報量を詰め込みながら、めっさ自然に観られて、エンディングの勇利の言葉で思わず涙してしまったりして、どこまで最高なんですか。

だって、あんなにいろいろなものを諦めて、独りで生きることを「そうするしかないんだから」と受け入れてしまっていた勇利が、大勢の報道陣を前に、テレビの生中継で「初めてつなぎとめたいと思った人はヴィクトル」とはっきり口に出して、あまつさえ金メダル宣言ですよ⁈ そんなことができるようになったのも、すべてはヴィクトル=サンとの出逢いがあったればこそで、それを思うともう、勇利よかったな…! と、こう、込み上げるものがあるのですよ。

もう、勇利とヴィクトル=サンから目が離せません。ここからまた、どんな変化を見せてくれるのか。第六滑走が楽しみですね。

という訳で、次は第六滑走。

さすがに立て続けはキッツイので、少し休んでから解析に入らせていただきます。

次回からはいつものダラダラに戻ります。

では次回のダラダラな更新でお会いしましょう。

「ユーリ!!! on ICE」第五滑走を語る・Vへの供物 その4

前回はやっと勇利がフリーを滑る…前まで行きましたが、今日こそ勇利のフリーに取りかかりますよ。

たぶんすごい文字数になりますが、明日は仕事だ。はっはっは。

 

演技が終わって、他の出場選手たちの応援をしている南くん。勇利が上げた南くんのモチベーションは、こんな風に良い循環を生み出しています。

そこへ響く足音。ふと振り向いた南くんの目に映ったその人は。

決然とした表情の勇利がいました。これから始まる演技に向けて覚悟を決め、腹を据えたその表情。今までになくキリッとした、おとこらしい勇利に南くんも思わず赤面しちゃいます。そのまま通り過ぎた、と思ったら戻った勇利、南くんの背中を思いっきり叩きました。

自分に気合を入れたのですね。

南くん、叩かれて痛い、けど勇利に叩かれたから嬉しい、けどいきなり過ぎて何が起こったのかよくわからない様子です。また勇利がそのまま涼しい顔で、黙って行っちゃうもんだから、そりゃあ混乱するよねえ。

キスクラでジャージを脱ぐと、ついにフリー曲のための新しい衣装のお目見えです。

シックな深い青のパンツとショートジャケットに黒のインナー、色味を抑えているぶん、ジャケットの背中には豪奢なスワロフスキーが刺繍されて、回想シーンで少し出てきた全日本での衣装と比べると、どこかおとなの雰囲気です。

「うん、やっぱりいいね、この衣装。勇利がいちばんうつくしく見える」

ヴィクトル=サンも満足そうですが、勇利の顔を見て、唇荒れてるね、と呟くと、リップバームのポットを開けました。サラッと出てくるこのリップバーム、シャネルだそうです。やだもうおしゃれかつセレブ…。

勇利が自分で塗るのかと思ったら、ヴィクトル=サンが指にとって、勇利の唇に塗って、からのハグ!!

この一連の動きの、当然だと言わんばかりのヴィクトル=サンと、当たり前に受け入れてる勇利の、師弟のこの、誰も割って入りようのない濃密な関係性!お互いをここまで信じてるってのも、凄いものがありますね。勇利のあとにくっついてきてた南くん、この光景を見て、おとなの色気にあてられて打ち震えています。まだ高校生だもんねえ。

一方、客席で応援しているミナコ先生と西郡は、勇利が4回転を冒頭の1本だけにすると聞いて、負けず嫌いに火がついてしまわないかと案じています。付き合い長いだけに、勇利は納得していないだろうとよくわかってるんですね。勇利、見抜かれてるよ。

いよいよ勇利のフリー滑走が初公開! 練習風景のシーンでちょっとだけ出た振り付け、試行錯誤の末に作り直してもらったあの曲を、フルで見せてくれます。

 

ヴィクトル=サンが見守る中、流れるようなピアノで静かに曲は始まります。

始まりは、独りで戦っているような気持ちでいた頃の勇利から。

「まず最初のコンビネーションジャンプ4ー3。ここは練習でもいつも決まってた」

とうなずくヴィクトル=サン。ところが、ここで勇利はいきなりこれを変更! 4ー2にしてしまいます。驚くヴィクトル=サン。強く自己主張するのが苦手な勇利の「スケートで語る」性分が如実にあらわれたのです。

「後半に3回転を入れるつもりか? というか、元の4回転3つ入れる構成に戻す気? 」

相談して決めたのに、といささか面白くなさそうなヴィクトル=サンですが、もう氷上に送り出してしまったら見守るしかありません。その瞬間の感情がすべてスケートに出てしまう、嘘のつけない滑りなので、今の勇利はきっと、負けん気がぼうぼう燃え盛っているのでは。

「ジャンプに気をとられるくらいなら、プログラムの完成度を優先させろって言ったのおぼえてる? 」

呆れつつも、まさかいきなりこんなかたちで言うことをきかないとは思いも寄らなくて、ヴィクトル=サンちょっとどうしたらいいのか悩んでませんか。

じっと勇利を見ながら、ちょっと不機嫌そうです。表情硬い! と心のうちで叱ってます。

「ここ、俺がコーチとして勇利の前にあらわれた情景だよね? コレじゃすっごいイヤそうだね? 」

演技云々でなくてそこですか! まあ、あそこまで勇利べったりだと、確かに面白くないだろうけど。

ピアノの旋律には少しずつストリングスが入り、物語の広がりを感じさせます。

トリプルサルコウ! クワドサルコウ…ステップアウト! やっぱり4回転3つの構成に戻す気だな」

ああもう見てられない! とばかりに、思わず顔を隠してしまうヴィクトル=サンですが、激怒というよりも、んもー、とでも言いたげで、ホントに勇利のこと好き過ぎでしょう。

「気持ちを切り替えて。…そう! トリプルルッツ! これはパーフェクト! 」

やっぱり見ずにはいられない。

「愛のようなものに気付くことができた勇利。…ここから後半なのに、もうきつそうだな」

送り出したんだから任せなくちゃ、と心配とで、もうごちゃごちゃですねヴィクトル=サン。

「アウトサイドイーグルイナバウアー。氷の上で今いちばんうつくしいのは自分だって気持ちでね。トリプルアクセル。…よし、こらえた! 」

気がつけば、思わずガッツポーズが出てしまうほど夢中で見ています。

次のコンビネーションで勇利は手をついてしまいましたが、惜しい! と声が出ちゃってます。

「ジャンプがちゃんと決まっている訳じゃないのに、観客が盛り上がっていく。スケートが音楽に乗っているからだ」

そこでヴィクトル=サンは気づくのです。今日の勇利は焦り過ぎている。

「いや、しかし、…だからこそ目が離せない! 」

もう、ジャンプの構成を変えただの完成度だのなんて話は空の彼方、勇利のスケートの虜になっています。そのくらい、勇利は今、この瞬間の自分を全部さらけ出して演技しています。夢中で滑って、ラストの4回転で壁に衝突!

アッチャートホホ、と言いたそうに頭を抱えたヴィクトル=サン。

「最後は3回転にして確実に点を取れって言ったのに。勇利がここまでコーチの言うことをきかないとはねえ」

チェレスティーノから聞いていた、従順過ぎるくらいの素直さとはえらい違いです。まさか、芯はこんなに強い子だったなんて。

誰に似たんだか、とぼんやり思ったそのとき。

演技が終わり、勇利が伸ばした手の先にいたのは。

「あ。……俺か? 」

勇利は鼻血が流れ落ちそうなのをこらえながら、ヴィクトル=サンを見つめています。観客は大興奮です。

会場に湧き上がる歓声に、ううん、とヴィクトル=サンは苦笑いです。

「ヤコフだったら即説教だったし、俺もそうしてきたけど…」

こんなにも勇利の演技に魅了されてしまっては、お説教も説得力がないですよ。どうしたもんかなあ、と悩むヴィクトル=サンの脇を見れば、

「ゆうりぐうううううん!!! 」

南くんが鼻水まで流して、感動のあまり号泣しています。すっかり毒気を抜かれてしまいました。

ミナコ先生も客席で号泣しています。子供の頃から、気が優し過ぎて損ばかりしてきた勇利をずっと見てきただけに、感動もひとしおでしょう。

そこでヴィクトル=サンの視線を感じた勇利、一瞬ビクッとして、気まずそうな愛想笑いで振り向きました。さっき南くんの背中を叩いて気合を入れたときとは、えらい表情の変化です。落差が激し過ぎるよ。

コーチの仏頂面に不安を掻き立てられて、テヘッ、と頭をかく勇利。ついに頭を抱えたヴィクトル=サンを見て、もしかして言うこときかなくて愛想をつかされたか、と不安で固まります。なんといっても、人生の半分ずっと追いかけ続けたヒーローですから、そりゃあおそろしい不安ですよね。

顔を上げて向き直ったヴィクトル=サン。

 

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バッ!と腕を広げて迎え入れる!

うん、そんなことされたら嬉しくて安心して泣いちゃうよね。

まっすぐにヴィクトル=サンの待つキスクラへ!

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「ヴィクトルー!! 」

「おっとハナヂー! 」

この画像の直後によけるの、ひどいよヴィクトル=サン! 面白いけどさあ!

 

というところで、今日は勇利のフリー演技初披露で一旦おしまい。

このパートでは、ヴィクトル=サンが初めて見る勇利の一面にどう反応するのか、がキーでしたが、思うように動いてくれない勇利をちゃんと受け入れられた、これでもう一つ山を越えましたね。

誰だって、普段人に見せている顔だけがその人のすべてという訳じゃない。不意にあらわれた意想外の顔を受け入れられるのか。その覚悟はあるのか。また、それをさらけ出せるのか。この人になら見せられると、信じることができるのか。

勇利とヴィクトル=サンはここを乗り越えることができました。よかった…。本当によかった…。

 

第五滑走も、もうマーライオンみたいな勢いで砂を吐きそうなほどとてつもない情報量ですね。次回でなんとか終わらせたいところ。

もう少しだけ、ご勘弁を。

では次の更新で!

 

「ユーリ!!! on ICE」第五滑走を語る・Vへの供物 その3

ごきげんいかがでしょうか。今日もこの犬臭いブログの更新がやってきました。

これを打鍵している現在、まだ一滴も呑んでません。書くだけ書いてから呑みます。

前回はあからさまに納得いってない勇利で終わりましたが、その続きからいきましょう。

 

勇利の複雑な心境など露知らず、あの、じっと勇利ばかりを見ていたおとこの子は大興奮しています。

「清潔感あふれる勇利くんの魅力が最高のかたちで裏切られる、高尚なエロスの導入! 」

コーチの言葉なんか聞いちゃいなくて、もう感涙にむせんでいます。どうも勇利の大ファンのようですね。

「勇利くんにオイの滑り、見せつけてやるんば! 」

すっかりやる気に火がついています。

が。

ちょうど勇利が囲み取材を受けているところに、すっかりしょげた様子で戻ってきます。

「せっかくトリプルアクセルうまくいったのにー」

でも落ち込んだところに、たまたま勇利をみつけたものだから、一瞬で元気になって近づきます。何だか仔犬みたいですね。

「オイのローエングリン、見てくれましたか? 」

目ぇキラキラさせて訊くんだけど、勇利はとにかく、自分に向けられた好意には鈍感なもんだから、ごめん、とあっさり答えます。まあ、取材受けてれば仕方ないとはいえ、もう少し言いようがあるだろう勇利…。

案の定、見るからにがっくりきたおとこの子はジャージのファスナーを下ろして自分のきている衣装を見せると、

「勇利くんの名プロ…ローエングリンの衣装も、リスペクトで真似しとったのに…」

大ファンどころか、押しも押されもせぬ勇利ガチ勢! 自分もフィギュアスケートしていれば、そういう深い追いかけ方ができますよね確かに!

でもそれを見て急に赤面した勇利は思わず、僕の黒歴史衣装! と叫んでしまいました。何があった。

ところが、おとこの子もひるみません。キッと顔を上げてひと言、勇利くんに黒歴史なんかいっこもなかです!! と返しました。

「ずっと憧れて追いかけてきたオイのことば、馬鹿にせんでください! 」

この言葉を聞いた瞬間、当然勇利にひっついて囲み取材に立ち会う、というより自主的に勇利に代わって受け答えしていたヴィクトル=サンが、あっ、と何やら思うところのありそうな表情になります。

「明日のフリー、オイは全力で滑り切ります。勇利くんも全力で勝負してください! 」

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突然の宣戦布告におおっとどよめく報道陣。当の勇利は事態についていけずポカンとしていますが、インタビューに来ていた諸岡アナの口から「南選手」という名前が出た瞬間、はっと思い当たりました。

思い出すのは去年の全日本。ボロボロの成績だった自分と、

「自爆した僕より総合得点ずっと上回ってた、南くんだ!……やばい…」

しかし、顔を見ても名前を聞くまで思い出せなかった辺り、ホントにひどいよ勇利。

まあ、気持ちの上では独りきりで滑っていたところが如実にあらわれていますね。

いきなり滝の汗ですが、歳下に呑まれてどうするの。

 

場面変わって、翌日のフリー滑走日です。

前夜にヴィクトル=サンと相談して、4回転は1本だけと決めたものの、勇利は明らかに納得いっていません。出場している他の選手たちは、4回転に挑戦するんだと言っては互いに気合を入れています。南くんは練習でも飛べたことはないけれど、もう挑戦せずにはいられない様子です。憧れの勇利の前で滑るだけあって、モチベーションがすごいですね。他の選手たちも引きずられてやる気に火がついています。

それをよそ目に、勇利は自分のことで頭がいっぱいです。南くんにガッツポーズでエールを送られても、答える程の余裕すらありません。ああ、スルーされて南くん、すっかりしょげています。

自分のことだけに集中しなくちゃ、と必死な勇利ですが、そんな彼と南くんの様子を見ていたヴィクトル=サン、何か言いたげな顔です。

練習から戻った勇利に、グッサリときついひと言を放ちました。

「他人のモチベーションを上げられない人間が、自分のモチベーションを上げられるのかい? …勇利にはがっかりしたよ」

これは、常に大勢の人に憧れられているスケーターだからこその、重みのある言葉ですね。ヴィクトル=サン自身の体験から得た結論でしょう。同時に、勇利が憧れて自分を追いかけていたのと同じように、勇利に憧れて追いかけるスケーターがあらわれたことで、そう萎縮せずに堂々としていなさい、と発破をかけたのではないでしょうか。

「ヴィクトルが下げた僕のモチベーションはどうなっちゃうんだよー! 」

勇利はショックで震えてますが、大丈夫か?

すっかりしょげ切ったままで南くんの滑走が始まります。明らかにガッチガチに緊張していて、コーチに叱咤されていますが、勇利のしょっぱさ128%な対応がよほど応えたようですね。

一方、勇利はリンクサイドでぼんやりと南くんを見ながら、昨日の宣戦布告を思い出していました。

そのまま一度去りかけて…、

 

「南くんっ、がんばー!!! 」

 

ばっ! と振り向くと、あらん限りの大きな声で声援!

南くん、瞬時に回復! 憧れの人から名指しで応援されたら、そりゃあ舞い上がるよねえ。

その様子を見て、うんうん、とヴィクトル=サンは満足げです。

思うに、自分と同じ「憧れを持って追われるもの」という立場に立たされた勇利がどうするのか、それが気になっていたのでしょうね。

すっかり元気を取り戻した南くんは快調な演技を見せてくれます。

勇利もリンクサイドから見て、トリプルアクセルを飛んだところで思わず「あ、次いける」と漏らすほど引き込まれています。

「いくばい、4回転トウループ!」

ダメでもともと、とばかりに挑戦…成功! 気持ちが乗っているからこそですが、憧れの選手に応援されたってのは、凄いちからを与えるんだね。このまま行くのかな? と思いきや、次のジャンプは失敗…。

南くんの調子にムラが出てしまうスケーティングを見て、ああ、と勇利はため息をつきます。昔の僕を思い出すなあ、と。

「南くんから目が離せない。フィギュアスケートに必要な才能を、もう持っている」

そのまま黙ってそっと立ち去ると、勇利はアップに入ります。まっすぐに自分を見ている南くんに、今度は全力で応えなくては。

「この歓声だけでわかるよ。劇場の主役は君だってこと」

天性の無邪気な明るさで観客を沸かせた南くんは、パーソナルベストを更新しました。

 

この、南くんの宣戦布告によって勇利はおそらく初めて、自分の存在が他者にとってどんな意味を持つのかを自覚したのだと思います。ここで初めて、他者の存在を意識したのでしょう。これで勇利の世界は大きく広がり、より深くなったのです。南くんに声援を送ったあの瞬間、勇利は自分が孤独ではないことを感じたと思います。孤独の中にある者には、声援を送る相手なんていませんから。

 

と、ここまでやってきて、もう3000字近い文字数になってますが、まだ勇利はフリー滑ってないね…。

あまり長々とやっていても、お読みになる方も書いてる私も疲れるばかりなので、今回はここまで。続きは次回に持ち越し。

さて、岩下の新生姜フィーチャリングハムで一杯やるか。

「ユーリ!!! on ICE」第五滑走を語る・Vへの供物 その2

何ーだか話数を追うごとに文字数が倍々ゲームで増えているような気がしますが、今日はどこまでいけるんでしょう。

 

さて、前回はショートプログラム滑走直前までいったところで一旦やめましたが、今日はその続きからいきます。

いよいよ滑走です。

 

リンクサイドでは、相変わらずのほほん系全開なヴィクトル=サン。

「演技前にコーチが送り出すときのやつ、どーしよっか? 俺が考えてるのはねえ、」

マイペースもいいところですね。一方で勇利はピリピリしています。そりゃあ、コーチがあれだけの大口叩いちゃったらねえ。

ろくに聞いてない状態で6分間練習へ。

「僕が目指してるのはグランプリファイナル! ここで緊張してる場合じゃない! 」

と自分に言い聞かせている、ということは、緊張してるね勇利。ほら、客席で見てるミナコ先生にもバレてるよ。

リンクサイドに戻ると、ヴィクトル=サンがむくれてます。勇利には何でヴィクトル=サンがこんなに急にピリピリし出したのか、さっぱり解らないようです。するといきなり、

「勇利後ろ向いて」

「え? 」

「いいから後ろ! 」

いきなり指示されます。

「え? えっと、こう? 」

よく解らないまま、勇利が言われた通りに背中を向けると。

 

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これ! 背中からいきなり抱きしめ!

報道陣激写! そりゃあ撮るよねえ。私もこんなん目撃したら撮影しますよ。

そのままの姿勢で、ヴィクトル=サンは教え子に囁きます。

 

「全力で俺を誘惑しろ」

 

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このひと言が、見事に勇利へ魔法の如く働きかけます。

「 俺を魅了する演技ができれば、ここにいる全員が勇利に夢中になる。…いつも練習で言ってるだろう? 」

そして。

ひたすら驚いていた勇利の表情が、この言葉で変わりました。

 

どんな演技を見せれば、ヴィクトルを魅了することができるんだろう?

 

もうそれだけを考え始めています。

この瞬間、これが第五滑走でひとつ目の転換点だと思うんですよ。

これまでは「ヴィクトルだったらどう演技するのか」と、後を追いかけるようなスケートだったであろうことが容易に察せられる勇利の滑りが、このヴィクトル=サンの言葉で「ヴィクトルを魅了するためのもの」、つまり、ヴィクトル=サンへ捧げるためのものに変化したのだと思います。なればこその今回のサブタイトルです。

自問する、自分の裡を降りてゆくような演技から、誰かに呼びかけるような演技へ。

ここで勇利は初めて、演技する上で他者を強く意識したのではないでしょうか。

 

リンクの上、いよいよ演技が始まります。

「思い出すんだ。いつもの練習通りに! うつくしいカツ丼に、僕はなる! 」

もう勇利の頭の中は、どうヴィクトル=サンを魅了するかで占められています。一方的に追いかけるのではなく、視線を奪うためのスケート。

挑発的な笑みのその視線は、だからヴィクトル=サンに向けられていました。

その笑みを正面から受けて、行けるよ、と会心の表情のヴィクトル=サン。ホントにこの人、勇利しか眼中にないんですね。

リンクの上では勇利も、ミスをおそれるよりも違うことで頭がいっぱいなので、観客の反応が薄いのにちょっと不満げです。

「…いや、ヴィクトルなら気に入ってくれるステップのはず! 」

練習中のヴィクトル=サンの言葉。

「勇利、もっと俺を誘うように踊ってみせて」

そのひと言が脳裏をよぎり、

「…そうだ、あたしはおとこを虜にする魔性のカツ丼」

観客そっちのけで、ヴィクトル=サンの反応を気にしているところから、もう勇利の演技はすべて、ヴィクトル=サンへ捧げるものになっています。

そして演技はステップの挑発からスピン、ジャンプのラッシュへ!

イーグルからのトリプルアクセルは成功。

「よし! この勢いのまま、4回転サルコウ! …回りきってる!」

手をついたものの、何とか回転はし切れました。でもこの辺りから、だんだんジャンプに気を取られてきてませんか?

そんな勇利を見守りながら、ヴィクトル=サンはうなずきます。

「俺が勇利に惹かれたのは、体から音楽を奏でるかのようなスケーティングそのもの。…勇利いいね、パーフェクトだ」

いよいよ演技も終盤、最後のジャンプは一番得点が高いコンビネーション。温泉on ICEで西郡が「よりによって最後に大技持ってきた」と呆れていたジャンプ。

「クワド!からのトリプ…ダブルになった! 」

疲労も出て集中力も限界を迎える最後にコンビネーションです。失敗も無理はないでしょう。ヴィクトル=サンの構成がいかにハイレベルなのかが判ります。また、必死でしがみついているとはいえ、このジャンプ構成にここまでついていけているんだから、勇利自身の才能も並々ならぬものであることも充分察することができます。

「恋に狂ったおとことおんなの結末へ! えーと、何だっけ? …そうだっ、手に入れたおとこをポイッと捨ててっ、次のおとこへ! 」

フィニッシュ!

めっっっっちゃくちゃどうでもいいこと言いますが、この勇利の、えーと何だっけ? が一瞬チラッと素の顔がうかがえてかわいいなあと思うのですが。どうですか。

 

演技終了、と同時に、どこかから聞こえる声。

「勇利くんかっこよかー! 最高ばい!! 」

「誰? 」

手放しで絶賛してくれているけど、ヴィクトル=サンの声じゃない。誰?

何とか終わって、大丈夫だったかな、とヴィクトル=さんの方へ振り返ると、そこには。

曖昧な微笑みでぱっふぱっふと気の無い拍手のイケメンコーチ。

「ふーん…」

ぱっふぱっふ。そしてワンブレスでダメ出しが入ります。

「前半はすごく良かったよっけど後半ジャンプに気持ちが行き過ぎて演技がおろそかになってたよねえ」

「はイ」

「あーゆーの好きじゃないなー俺ー」

「はイ」

またです。また1褒めて10ダメ出しする、富野監督式お説教です。勇利、全部お見通しだったね。

客席でキスクラお説教大会が始まったのを見て、お客さんをあそこまで熱狂させてたのに何で? とミナコ先生は不思議がりますが、たぶん、ヴィクトル=サンはゴールを高いところに設定していて、しかも勇利はちゃんとそこにたどり着ける子だと信じているのでしょう。なればこその要求の高さなのではないでしょうか。

ひょっとすると、という感じで、パーソナルベストが出るんじゃないかと西郡が呟きます。

その読みは正しく、審査の結果、地方ブロック大会ゆえに非公式ながら、世界歴代トップ10に入る高得点、もちろんパーソナルベストを大きく更新する得点を叩き出しました! やったね勇利!

周囲は祝福ムード、勇利はちょっと照れてますが、ヴィクトル=サンはといえば、勇利はそのぐらいできる子なんだから相応の点数が出ただけだよ、と言いたげで、もしかしたら、もっとやれる子なのにー。なんて考えているのかもしれません。教え子大好きだから…。もう次の滑走、その更に先を考えているのかもしれません。

「プレッシャーないなら100点台くらいいくかと思った」

「ソウダネー。ヴィクトルは世界歴代で100点台何回も更新してるもんねー」

ヴィクトル=サンに遠い目で答える勇利。できる子だと期待してくれるのは嬉しいけど、憧れの人にこんなに疑いのない期待を抱かれるのって、かなりのプレッシャーですよね。

そこでヴィクトル=サン、そうだ、と提案します。

「明日のフリーなんだけど、ジャンプの難易度下げて、演技に集中すること」

「へ? 」

「練習でも通しで成功したことないよね? 」

ショートプログラムの後半、ジャンプに頭が行ってたのが気になったようですね。でも、と反論する勇利にヴィクトル=サンは、

「シーズン序盤で難易度下げるのは悪いことじゃないだろ? 勇利はグランプリファイナルに合わせて調整するのが第一だよ。…コーチの言うこと、きけないの? 」

確かにね。確かに正論ですハイ!

でもヴィクトル=サン見て! 勇利のこの顔、コレ明らかに納得してないからね! 隠し持ってる負けず嫌いに火がついちゃいました。どんな「隠し剣・鬼の爪」なんですか! もう、どこにやる気スイッチが潜んでいるの勇利は!

 

というところで、文字数と時間がどえらいことになっているので、もうここで今回は一旦切り上げます。

また明日をお楽しみに。

 

この師弟、お互いのことホント好きなー!

 

「ユーリ!!! on ICE」第五滑走を語る・Vへの供物

いやあ、昨日のハンガリーはなかなかハラハラしましたねえ。

後続が前の車を抜きにくいコースだとはいえ、いつフェラーリの1ー2が崩されるかと気が気でなかったですよ。ずっとライコネン=サンに後続のハミィとボッさんのフタをさせるのは、ベッさんの総合優勝狙いなだけなのか、ライコネン=サンの腕を信じて頼っただけなのか。後者だと思い込まないと納得いかない。

でも、車降りてからの計測のときには、ライコネン=サンちょっと笑顔だったし、ポディウムでかける前に呑むも見られたからいいや。バケーション後の後半戦に期待しよう。

 

と、ツカミというかマクラというか、まあゆうべのレースの結果をお知らせしたわけですが。

競技は違えど同じグランプリシリーズを戦う物語について、またダラダラとクッッッッソ長い文を書きますよ。

 

ユーリ!!! on ICE」第五滑走を語る「Vへの供物」。

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第四滑走ではフリー曲が決まり振り付けができましたが、いよいよ物語は国内大会へ。

岡山で開催された地区大会の滑走順を決めるくじ引きで、第五滑走は幕を開けます。

勇利はくじ運が悪いようで、一番滑走だけは嫌だと思いながら引くものの、結果はみごとに一番滑走。落ち込んでいると、隣に座ったおとこの子が笑っています。

「勇利くんが一番滑走引くとこまた生で見れたー! たまらん! 」

何ーでだか嬉しそうで、訳がわからず勇利はキョトンとしてます。

「オイのこと、まさか覚えとらんとですか⁈ ばりショックたーい! 」

案の定、おとこの子は勇利のことを知っているようです。ここで勇利の関心のないものへの、おそろしい程の淡白さがあらわれていますね。「他人の成績と比べる」よりも、自分が納得のいく滑りをできるのか、そちらにばかり気を取られているんですね。頭の中で他人が占める要素が薄いんでしょう。

だから、くじの順番でおとこの子が名前を呼ばれても、どうにもピンときていません。

囲み取材を受けると、選手本人は緊張してるのにコーチは気楽なもんで、ピークはGPファイナルに合わせているから今日は気楽な気分でパーソナルベストを出す、なんて大口叩いています。

「何度も言ってると思うけど、去年の全日本の僕、ノーミスならぬ全ミスだよ? 怪我してるんじゃないかとかイロイロ心配されたけど、恥ずかしながら具合悪いところなんて全然なくて、純粋にメンタルな要素だけで優勝候補なのに負けたんだよ」

「WOW! 」

ヴィクトル=サンのあまりの気楽さに、勇利のプレシャーも倍増です。

「去年の全日本からずっと、競技には出てない。ヴィクトルとずっと練習してきたけど、正直、まだ不安はある」

いくら同じことをするのでも、練習と本番がいかに違うのか、勇利は痛いほど思い知っています。だから、今の自分がGPシリーズを戦えるだけの力量を身につけているのか、確かめなくてはと思っています。一方ヴィクトル=サンはいつも通りにリラックスしていて、ティッシュマッカチンそっくりな犬のカバーつけたりして、勇利の緊張をほぐそうとしていますが、もういっぱいいっぱいなもんだから、勇利の反応はテキトーです。頭には、自分のコンディションや、報道陣にヴィクトル=サンが大口叩いた、その期待に応えられるのか、それしかないのでしょう。他の出場選手はもう眼中にありません。

そんな勇利、6分間練習でふと我にかえると、何だか妙な視線を感じますが、勇利が気づかない視線の主は、さっきのおとこの子でした。

あまりにも勇利を目で追ってばかりで上の空な様子に、集中しなさい、と叱られています。その声に勇利は、全日本でのどうしようもなくボロボロだった自分を思い出していました。集中集中、と強引に気持ちを切り替えようとしています。

そんな勇利を案じて、西郡とミナコ先生が応援に駆けつけましたが、観客の多さに驚いています。地方のブロック大会だと、観客ってそこそこくらいなのでしょうか。試合前にはナーバスになりがちでしょ、とミナコ先生が心配していると、当の勇利はそれどころではない様子。

「ヴィクトル見なかった? もうすぐ試合始まっちゃうのに」

え? 選手放ったらかし? と驚いていると、

「お待たせ」

おんなの子達の黄色い悲鳴と共に、朝のジャージから3ピースのスーツに着替えたヴィクトル=サンが登場しました。イケメン度が通常の3倍

「なんで着替えてるの⁈ 」

ホント何で着替えてきた。

「今日は俺の華々しいコーチお披露目試合だよ。正装でしかるべきだ」

アッハイ。

「マッタクソノトオリダネ! 」

めんどくさい彼氏みたいなこと言いだした…。もう勇利も、こっ恥ずかしくて顔を覆ってますよ。師弟というよりカップルみたいですね。こういうところで、第四滑走からこれまでの間に、ちゃんと以前よりもコミュニケーションが取れているのであろうことがうかがえますね。

ミナコ先生も呆れ気味に、選手より目立つ、なんて言ってますが、ヴィクトル=サンに振り回されて、一瞬でもプレッシャーから解放されたでしょうか。

 

というところで、まだショート滑走前だというのに文字数がすげえことに。

続きは明日またやろう。明日仕事だから、ちゃんと寝てないといかんのです。

明日はショート滑走ですので俺気張ってまとめろ。

ああ、ちなみに今回つけたサブタイトルについては、次回で判明しますよ。我ながら、なかなか会心のタイトルですが「虚無への供物」のタイトルパクリなのはヒミツの中のヒミツだ。ええパクリですよ!

それでは、あんまり期待せずにお待ちください。

今日は頑張ったというよりF1あるから呑んでいい日

残業してきました。

帰ったのが7時半近く。

すぐに風呂入って洗濯して夕飯食べて、8時45分のハンガリーGP中継、の前の予選ダイジェストに間に合いました。奇跡。

酒の支度も整ってるし、予選でフェラーリが1ー2決めてくれたし、このままマックスが完走できてライコネン=サン優勝が決まれば言うことなし。

え。リカルド=サンだいじょうぶか!

1周目でもうセーフティー入るって、波乱しかないよ!

 

昨日花が咲いたアメリカンブルーですが、もう次の蕾が大きくなってきてます。ホント仕事早いわー。

花がつく時季が長いみたいなので、ちゃんと枯らさないように育てたいですね。来年が楽しみな。

5月ぐらいから10月ぐらいまで咲くみたいですよ。

青い花好きなので、こうやって長い期間楽しめるのは嬉しいですね。

 

それにしても、レース中継のカメラが乗ってるヘリって、どのぐらい高度とってるんだろう。日本だと、市街地では600メートル以下は飛行禁止らしいけど、外国にもそういうのあるんですかね。

 

ああ、なんーだかレースがマッタリしてきた…。

明日はまた、スポーツジムを午前中で済ませてしまいたいところですが、呑みすぎるのかどうかは、フェラーリのピットがライコネン=サンに変なタイミングでボックスボックス言う言わないにかかってます。頼むからタイミング誤るなよ。

天気回復するようなら、また午後に出かけようか。今度はどこに行ったものか。修造は帰国したの? まだ? 天気どうにかして欲しいので、そろそろ帰ってきてもいいのよ?

 

とりあえず、そろそろレースに専念します。

明日辺り、YOI第五滑走の解析やろうかしら。やっと「これだ」と思えるサブタイトルが決まったので、まじでこの何日かでやります。

さて、ライコネン=サンとマックスを見守りつつ呑むか。