雑種犬肉球日記

雑種犬が書いたブログ。

肩の力を抜いてみるには

昨日おとといと、俺的号泣必至小説について書きましたが、今日はそればっかりだとつまらないので、目先をまるっきり変えます。

リラックスするときに何を読むのか。

とにかく軽いものを読みます。こういうときは漫画メインです。

ラインナップは「よつばと!」に「聖☆おにいさん」、「鬼灯の冷徹」、小説ならば森見登美彦。「新釈 走れメロス」の表題作や「四畳半王国見聞録」がよいかと。

どうやらかなりのストレス体質らしく、通っている接骨院の先生には「ストレスを溜めないでください」と言われることもたびたびで、風邪ひいて寝込んだり体調が悪かったりするときには、意識的にこの中のどれかを、漫画本なら1巻から通して読みます。

よつばと!」は、よつばのとーちゃん好きです。人間として味があって。「聖☆おにいさん」は漁師兄弟の愛すべきあほたれ感が最高ですね。「鬼灯の冷徹」は、トリオ・ロス・桃太郎のお供の一員、シロさんが好きです。肉おごるから5時間くらい撫でさせてほしいくらい好きです。白いのに神々しくない犬、それがシロさん。

あ、犬と白い動物といえば、まだ対ストレス用のほんがまだあった。アニメにもなった「いとしのムーコ」に「猫ピッチャー」。ムーコの来年の初夢はどんな夢なんでしょうね。あとニャイアンツの平野キャッチャー、バッテリーを組むのが仔猫でも動じないところに大変好感を持てます。

 

肩の力を抜け、と言われますが、どうも気がつくと無意識のうちに戦闘態勢に入って、肩の辺りがガッチガチになってしまいがちです。

なので、少しでも疲れを感じたり、体調を崩したりしたら、できるだけケタケタ笑ってスッキリできるものを選ぶようにしています。

 

で、「新釈 走れメロス」ですがね。

いやあもう、多少なり京都の街のどの辺がどうなのか、というイメージを、ザックリとでもつかめると、もう読みながら腹の皮が破れるかと思うほど笑えますよ。主人公と親友の絆を深めたのが「パンツ番長戦」って、ちょっと待てお前たち(笑)。この二人の、螺旋階段めいた、不可思議ながらもどこか一本筋の通った友情が、ラストシーンで凄まじき発露のしかたを見せ、ひたすらへもい終幕を迎えることに! でもね、主人公・芽野と親友・芹名の友情のかたち、なんか解ります。学祭クラシックコンサートの舞台上での二人のやりとりと、その直前、芹名が図書館警察長官の告白を一喝するところで、こいつらは親友というものの何たるかをよく解っているんだな、ということが伝わります。

ただ貧弱な肉体がピンクのブリーフ一枚で踊り狂うだけの小説じゃないのです。

「ピンクのブリーフ一枚で踊り狂う」というパワーワードに目がくらまされそうになりますが、そのすさまじい破天荒さを土台とした上で、真の友情がどんなものなのかを描破した表題作だけではなく、同時に収録された作品たちもまた、二重三重の読み解き方、楽しみ方ができるものばかりです。

「森見作品は文体がとっつきにくくて」と食わず嫌いされる方もいらっしゃるかと思いますが、ちゃんと取り組んでみれば案外リズムよく読むことができますし、中身はとにかく楽しいものばかりです。敬遠なさらず、一度、だまされたと思って、この短編集からでも読んでみてください。

 

病みつきになりまっせ。