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雑種犬肉球日記

雑種犬が書いたブログ。

とりあえず「精霊の守り人」の話で暖をとろう

タイトルまんまの内容でいきます。

これから取り上げるのはアニメ版です。

とにかく名作です。迷わず即座に断言できます。

最高の原作に最高のスタッフが結集した、奇蹟のアニメです。

制作スタッフはI.G、音楽は川井憲次氏、監督は神山健治氏。押井監督をして「神山の財産になったね」と言わしめた、至高のクオリティを誇る一作です。

 

未見の方のために、大まかなあらすじをご紹介しましょう。

水の妖に取り憑かれたとして、穢れを嫌った父帝に命を狙われる幼い皇子の用心棒を、母妃に依頼された女武人・バルサ。放たれた追っ手をかわしながら、皇子の身に宿った妖の正体を探る旅は、やがて国の運命を左右する戦いの旅となる…。

この1年間の旅の過程で、バルサも皇子・チャグムも、人生の岐路に立たされます。

ある理由から、8人の重要な人の命を守る誓いを立てていたバルサにとって、チャグムは最後に守るべき命であり、また同時に、自身の過去を振り返るきっかけともなる存在でした。

またチャグムは、父に命を狙われ母と別れて、たった一人、ただの子供として生きざるを得なくなりますが、同時に自分の体にこの世ならざる何者かが宿り、その存在に振り回され、誰も助けることができない、文字通り自分の運命との闘いを強いられます。

最初はいささかぎこちない2人の暮らしですが、不殺を己に課したバルサが帝の追っ手を振り切り重傷を負い、しばしの養生ののちに農村で身を偽り隠れ住む、その中で、少しずつ母子のような関係に変わってゆきます。チャグムも街や農村での暮らしの中で成長し、バルサに反発することもありますが、バルサはときには遠くから見守り、ときには厳しく叱り、決してチャグムの手を離すことなく、母妃とは違うやり方で支え続けるのです。

おそらく貴族階級の出身であろう、優しいたちの母妃が「お母さま」なら、子供がきき分けないときにひっぱたいてでも叱れるバルサはさしずめ「母ちゃん」でしょうか。チャグムは2人の母に守られ愛され、自身の身に宿る妖の正体を見極め、それが導く運命に立ち向かうのです。

幼いながら賢くけなげなチャグムですが、最終回、すべてが終わって城へ戻り、バルサとお別れしなければならなくなりますが、そのとき、涙をこらえて、抱きついて甘えたいのをこらえて、必死に言うのですよ。

バルサ、おれのことチャグムって呼んで。さよならチャグムって言ってよ」

無条件に愛してくれる母ちゃんの手を離れ、大人になって生きてゆく、その決意を確かなものにするために、最後のお願いをするのです。さよならって言って、と。

 

チャグムを守るバルサもまた、かつて幼い頃、同じように命を狙われ、親と別れて、父の友人に守られ育てられた人でした。彼女はチャグムと暮らす生活の中で、育ての親・ジグロが何を思い自分の身を引き受けたのか、自分を育てて年老い死んだジグロは幸せだったのだろうか、と、自身の過去と向き合うのです。

更に、2人を取り巻く様々な人達にも、それぞれに葛藤があり語られるべき彼らの物語があり、そしてそれが、雑音や邪魔になるどころか、チャグムとバルサの物語に厚みや深みを加え、どれか一つでも欠くことのできない、みごとなシンフォニーとなっているのです。

観るべし。そして原作を読まねば私。今月の給料でたら文庫買う。

 

泣きどころ多いので目が腫れるから、出かけない休日の前に、バスタオル10枚用意して観ましょう。

私はバルサの幼馴染・薬草師のタンダがへもくて好きっす。ホントもうさっさとバルサとくっつけあんた。