雑種犬肉球日記

雑種犬が書いたブログ。

「ユーリ!!! on ICE」第五滑走を語る・Vへの供物

いやあ、昨日のハンガリーはなかなかハラハラしましたねえ。

後続が前の車を抜きにくいコースだとはいえ、いつフェラーリの1ー2が崩されるかと気が気でなかったですよ。ずっとライコネン=サンに後続のハミィとボッさんのフタをさせるのは、ベッさんの総合優勝狙いなだけなのか、ライコネン=サンの腕を信じて頼っただけなのか。後者だと思い込まないと納得いかない。

でも、車降りてからの計測のときには、ライコネン=サンちょっと笑顔だったし、ポディウムでかける前に呑むも見られたからいいや。バケーション後の後半戦に期待しよう。

 

と、ツカミというかマクラというか、まあゆうべのレースの結果をお知らせしたわけですが。

競技は違えど同じグランプリシリーズを戦う物語について、またダラダラとクッッッッソ長い文を書きますよ。

 

ユーリ!!! on ICE」第五滑走を語る「Vへの供物」。

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第四滑走ではフリー曲が決まり振り付けができましたが、いよいよ物語は国内大会へ。

岡山で開催された地区大会の滑走順を決めるくじ引きで、第五滑走は幕を開けます。

勇利はくじ運が悪いようで、一番滑走だけは嫌だと思いながら引くものの、結果はみごとに一番滑走。落ち込んでいると、隣に座ったおとこの子が笑っています。

「勇利くんが一番滑走引くとこまた生で見れたー! たまらん! 」

何ーでだか嬉しそうで、訳がわからず勇利はキョトンとしてます。

「オイのこと、まさか覚えとらんとですか⁈ ばりショックたーい! 」

案の定、おとこの子は勇利のことを知っているようです。ここで勇利の関心のないものへの、おそろしい程の淡白さがあらわれていますね。「他人の成績と比べる」よりも、自分が納得のいく滑りをできるのか、そちらにばかり気を取られているんですね。頭の中で他人が占める要素が薄いんでしょう。

だから、くじの順番でおとこの子が名前を呼ばれても、どうにもピンときていません。

囲み取材を受けると、選手本人は緊張してるのにコーチは気楽なもんで、ピークはGPファイナルに合わせているから今日は気楽な気分でパーソナルベストを出す、なんて大口叩いています。

「何度も言ってると思うけど、去年の全日本の僕、ノーミスならぬ全ミスだよ? 怪我してるんじゃないかとかイロイロ心配されたけど、恥ずかしながら具合悪いところなんて全然なくて、純粋にメンタルな要素だけで優勝候補なのに負けたんだよ」

「WOW! 」

ヴィクトル=サンのあまりの気楽さに、勇利のプレシャーも倍増です。

「去年の全日本からずっと、競技には出てない。ヴィクトルとずっと練習してきたけど、正直、まだ不安はある」

いくら同じことをするのでも、練習と本番がいかに違うのか、勇利は痛いほど思い知っています。だから、今の自分がGPシリーズを戦えるだけの力量を身につけているのか、確かめなくてはと思っています。一方ヴィクトル=サンはいつも通りにリラックスしていて、ティッシュマッカチンそっくりな犬のカバーつけたりして、勇利の緊張をほぐそうとしていますが、もういっぱいいっぱいなもんだから、勇利の反応はテキトーです。頭には、自分のコンディションや、報道陣にヴィクトル=サンが大口叩いた、その期待に応えられるのか、それしかないのでしょう。他の出場選手はもう眼中にありません。

そんな勇利、6分間練習でふと我にかえると、何だか妙な視線を感じますが、勇利が気づかない視線の主は、さっきのおとこの子でした。

あまりにも勇利を目で追ってばかりで上の空な様子に、集中しなさい、と叱られています。その声に勇利は、全日本でのどうしようもなくボロボロだった自分を思い出していました。集中集中、と強引に気持ちを切り替えようとしています。

そんな勇利を案じて、西郡とミナコ先生が応援に駆けつけましたが、観客の多さに驚いています。地方のブロック大会だと、観客ってそこそこくらいなのでしょうか。試合前にはナーバスになりがちでしょ、とミナコ先生が心配していると、当の勇利はそれどころではない様子。

「ヴィクトル見なかった? もうすぐ試合始まっちゃうのに」

え? 選手放ったらかし? と驚いていると、

「お待たせ」

おんなの子達の黄色い悲鳴と共に、朝のジャージから3ピースのスーツに着替えたヴィクトル=サンが登場しました。イケメン度が通常の3倍

「なんで着替えてるの⁈ 」

ホント何で着替えてきた。

「今日は俺の華々しいコーチお披露目試合だよ。正装でしかるべきだ」

アッハイ。

「マッタクソノトオリダネ! 」

めんどくさい彼氏みたいなこと言いだした…。もう勇利も、こっ恥ずかしくて顔を覆ってますよ。師弟というよりカップルみたいですね。こういうところで、第四滑走からこれまでの間に、ちゃんと以前よりもコミュニケーションが取れているのであろうことがうかがえますね。

ミナコ先生も呆れ気味に、選手より目立つ、なんて言ってますが、ヴィクトル=サンに振り回されて、一瞬でもプレッシャーから解放されたでしょうか。

 

というところで、まだショート滑走前だというのに文字数がすげえことに。

続きは明日またやろう。明日仕事だから、ちゃんと寝てないといかんのです。

明日はショート滑走ですので俺気張ってまとめろ。

ああ、ちなみに今回つけたサブタイトルについては、次回で判明しますよ。我ながら、なかなか会心のタイトルですが「虚無への供物」のタイトルパクリなのはヒミツの中のヒミツだ。ええパクリですよ!

それでは、あんまり期待せずにお待ちください。