雑種犬肉球日記

雑種犬が書いたブログ。

2年半ぶりのアイシャさんはやっぱりカックイイお姉さんなのであった

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2年半ぶりの祭りがきました。

何ていうか、もうね、待った甲斐がありましたわ。ただ、今何より怖ろしいのは、通常盤でこれだけ満足感があるのに、連載そのままのリブート版では更に乗っけてくるってのが、やめろよ読者を殺す気かよ。

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もうこんなんなりそうですわ。

まず14巻はシンプルに軍記物・戦史物として物語を楽しめるエピソードだし、AF達の戦い方が更に踏み込んで詳しく描かれていて、何故GTMはパイロットの補助にスパコンを載せるのではダメなのか、人間2名での操縦でもダメなのかが、このエピソードで嫌というほど解りました。秒単位で状況が変わる戦闘中に、演算と騎士のサポートと本陣へのリポートとを同時並列で行うのは、ただのスパコンには無理だし、人間では要求されるスピードについていけない。そうなると、人間の感情を理解できて、かつ演算能力も持ってる人工生命体でないと両立は無理ですね。

だって、今回のクライマックス、ベラ国防衛戦であの子達、GTM戦と同時にそれぞれの陣営で相手方への妨害として電子戦やってるんだよ。

まさか「ファイブスター物語」で電子戦を見られるなんて。30年近く追いかけて読んでますが、感慨深い。

あとこの14巻では、いくつか動き始めた伏線もありますね。ソープがアウクソーに教えたおまじないが「44分間の奇蹟」につながっていくのかな、とか、裏では超帝國の遺産達が動き始めて不穏な空気がいよいよ濃くなっていたり、ああもうコレこれからどうなるんだ。

あとねえ、個人的におかしいやら微笑ましいやらでくっっっっそ笑ったのが、おんなのこ達のあれやこれや。ツバンツヒと初対面で星団一のメンチ切りながら「助手で妻」って牽制するラキシスとか、物理で猫耳つけちゃうヒュートランとか、タイマンで上下関係決めたセイレイちゃんとマロリーちゃんがアイシャさんを姐御と慕ってたりとか、ブス宇宙軍とか、京と令令謝の毒舌姉妹対決と思いきや、お姉ちゃんの大暴露だったりとか、セイレイちゃんを叱るお母様が、トドメで元ヤンの本性丸出しだったりとか、ボーナストラックが女学生ツバンツヒさんかわいいねに終始していたりとか、もう全体的に女性が強いです。決戦のとき、バーガ・ハリを送り出したあと、アライメント・スーツで身を固めて臨戦体制整えて「夫を戦場に出すのは妻の恥」なんて言い切るラキシス、見事にソープを尻に敷いてますね。まあソープも敷かれて喜んでるんだけど。

ああ、ホントすみません。「ファイブスター物語」読んでない、知らないっていう方には今回さっぱり訳わからんことしか書いてませんね。まじですみません。何せ2年半も待った本なもので、イロイロおかしなことになっております。もし、なんか知らないけどそんなにすごい漫画なのかと気になったら、ぜひ一度読んでみてください。設定の複雑さについていけないとしても、キャラクターのファッションや背景で出てくる自然の風景、それに「もしこういうものが目の前に出てきたらどういう構造でどう動くのか」と、現実的な想定でデザインされたメカの美しさ、それをカタログ的に眺めるだけでも、お楽しみいただけることと思います。

複雑怪奇だったりぶっ飛んだことやってたり、そればっかりに目が行きがちだけど、14巻ではかなり物語として王道な描写もあって、学者肌で一歩引いたところから周りを見てるような人物が、戦争で焼け出されて親を亡くした子供に願いを託され、そんな風に寄せられた願いがいかに重いのかを初めて感じて衝撃を受けるシーンがあって、ここを読んだときに、作者・永野護神の、人間の可能性や善性を信じているところを感じて、この人の描くものは信じられるなと改めて思いました。ただ無邪気に信じ込んでるのじゃなく、いいところも悪いところもちゃんと両方を見て考えた上で、それでも人間が創る未来を信じようぜ、やれることはひと通りやってみようぜ、って言われたような、そんな気持ち。

待っててよかった。

でも私は、これからまたリブート版と15巻を待つ生活が始まるんだよなあ。

とりあえず、明日はトーハクに行くので寝ます。なんか気になった方は、漫喫ででもいいのでいっぺん読んでみてください。まじで。