雑種犬肉球日記

雑種犬が書いたブログ。

動物をどう扱うかで作者と主人公の生きる上でのスタンスが如実にわかる

昨日の首の痛みは、案の定あかん奴でした。

また接骨院通い確定。

で、出かけるのは中止にして、Huluで立て続けに「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の続きと「アイム・レジェンド」「コンスタンティン」を観てました。

もともと「世界の終わりに立ち会いたい」人間なので、何となく観始めた「アイム・レジェンド」ですが、冒頭のわんことスカベンジャー生活のところ以外はちょっと…いや、まるっきり期待外れもいいところだった…。何故スカベンジャー生活を満喫しない。何故「世界を救う」なんて主語のでかいことを考える。やっぱり、社会的ステータスが高い人間が主語のでかいことを考えると、途端につまらなくなりますね。何より、まずわんこが死んじゃうところで腹が立ち、オチでまた腹が立ちました。美談仕立てとかいらない。あとわんこは殺すな。

で、続いて「コンスタンティン」ですが、こちらはまず主人公が意識低くてダメ人間なところに、非常に好感を持てます。頑張る理由も「世界のために」「人類を救う」とか一切なし。「なんかケツの据わり悪くて落ち着かない。俺が」ってだけ。なんて解りやすくて身近な感覚なんだ!

観ていて違和感だらけの「アイム・レジェンド」でしたが、わんこだけはよかった。ただしわんこを殺した時点で、私の中ではマイナス500億点。わんこが最後まで元気だったら5兆点だったのにねえ。同じウィル・スミス=サン主演の「インデペンデンス・デイ」と並んで「わんこ以外全てダメな映画」と思いました。わんこは正義。なので、今は亡き我が愛犬・マルチャン号の画像貼っておこう。

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コンスタンティン」と「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」は、ダメだけどやらずにいられない、という理由で主人公たちが頑張って、しかもでかい主語を使わないところが好感持てました。やっぱり、主語がでかい人間は信じられない。自分が感じたことも能書きにすり替えて語るし、すぐに大義名分でものを言う。

「アイム・レジェンド」の主人公は「人類を救うんだ」と言ってワクチン研究を細々と続けていましたが、それは実は、孤独になったという現実を見ずにまともな精神を維持するための口実であり、たぶん認めないだろうけどヒーローになりたかったから。だからこそ、最後にあんなひどい選択をするのだろうし。

ところが「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」「コンスタンティン」の主人公達は、ものの見事に自分の快感原則で動き語ります。そりゃあちょっとは、一度くらいヒーローになってみたいとも思ってる。で、そんな自分の助平根性もダメなところも「そうだよ俺ダメだよ」と受け入れてもいて、その上で、でもやっぱり自分ひとりで生きてるわけじゃないこともよく解ってるし、どうせなら笑って納得して死にたいと思ってる。心の中に、今生きてる人間も過去にサヨナラした人間も、ちゃんと存在しているんですよ。だから世界のピンチを見て、なんかやらずにいられない、というだけの理由で全力を尽くせるの。

で、たぶん「アイム・レジェンド」の主人公より、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」「コンスタンティン」の主人公達の方が、自分の体や、それが受けた刺激を分析した結果生じる感情を信じているのじゃないかと思いました。「アイム・レジェンド」終盤でワクチンの効果があらわれたのは、あれは主人公が細々と研究を続けていたことが報われた、言ってみれば、可能性を信じるヒトの心のちからの勝利なわけで、それなのに当の主人公にああいう選択をさせる結末に、私は非常にがっかりしたし腹が立ちました。作者は人間の心も、それが生まれてくる体も信じていないのか。まあ、人間よりも生きることに真っ直ぐな、身体性を強く象徴するわんこを早々と物語から退場させた時点で、お察しだったのかもしれませんね。

主語がでかい人間は、自分の感覚よりも能書きを信じるけど、そうじゃない凡人は、自分や目の前にいる人の感じたことを信じるでしょ。その方が生き物として真っ当な感覚だと思うんですよ。先程ツイッター上で、舞踏家・最上和子さんとちょっとだけどやり取りしていて、ふと「どっちの主人公が自分の感覚を信じているんだろう」と振り返ってみて気づきました。最上先生、これまでと違う視点で映画を観る、いいきっかけになりました。ありがとうございます!

 

「人類」なんて、でかすぎてさっぱり実感わかない、なんかぼんやりしたものを救おうとする人間より、とにかく目の前のこいつを助けたい、と駆けずり回る人間を私は信じます。

 

で、明日は仕事なんだけど、俺この状態で大丈夫なのか。とはいえ、人がいないから出るしかないんだけどね。いよいよ痛みで耐えられなくなったら、やらないといけないことを片付けたところで頼んで帰らせてもらうか。

なんかすごいダラダラと長くなっちゃいましたが、昨日短かったからねえ。あと、観た映画の取り合わせが混ぜるな危険だったのかもしれない。動物死ぬのいくない。

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動物は共に生きて愛するものだ。

何であれ、明日は行けるところまで仕事してきます。