雑種犬肉球日記

雑種犬が書いたブログ。

驚きと発見をもたらしてこそのSFだと思うので細かいことをあげつらうのは野暮だろう

ゆうべ、今物議を醸している「彼方のアストラ」4話まで一気に観てました。

最初に目にしたのが、およそSFとはいえない、観られたもんではないという凄まじい評価で、それ故に気にはなっていたんですよ。そんなにひどいのかと。そうしたら、日を追うごとに真逆の評価を出す声もちらほらと出始めて、そこまで意見が割れる作品というのは一体どんなもんなのか、と確認した次第。

実際に4話までを観た感想は、まず子供達に観てほしいなと思いました。

SFに初めて触れる子供達に、主人公達と同じ年頃の子供達に、このジャンルの魅力、物語の持つちからを知ってもらうには、実に最高の入り口だと思うんですよ。

色々な才能や家庭環境故に、様々なものを抱えた子供達が集められ、トラブルを経てチームを組んで困難を乗り越える。基本の舞台設定は誰もが知る名作「11人いる!」や新谷かおる先生の「パスカル・シティ」に相通ずるものがありますが、3話で本格ミステリ要素も加わり、誰が真の敵かがわからないまま共に生活するという緊張が生まれました。みんなが秘密を抱え、お世辞にも一枚岩とはいえない状況下で、それでも生きて帰るという共通の目的で団結して前へ進んでいく。泡の出る茶色いやつを片手に見守りながら、子供達全員が笑って家に帰れることを、オッさんは願ってやまないわけですよ。

あのアニメはガチガチにSFをやろうとしてコケた失敗作どころか、子供達がすんなりと入りやすい入り口であり、主人公達の成長やユウジョウを描くことが主題であって、ゴリゴリのSFが読みたいゴリラは、ちゃんとアシモフとか神林長平とかコードウェイナー・スミスとか伊藤計劃とかに行けばイイんですよ。と偉そうに言う私は、ゴリラ向けもアストラも両方いけます。

「彼方のアストラ」も「戦闘妖精雪風」も、どっちも俺にちゃんと驚きや発見をくれたよ。その事実は動かせないよ。考証だの設定だのを云々する以前に、驚きや発見があってこそのSFでしょ。

 

そんなこんなで、気がつけば1時回ったところでミョーに目が冴えちゃって、そのままシンゴジ観てしまいました。いや、なんか世界の終わりを見たくなったもんで。ゴジラ=サン上京からのイデの覚醒のシークエンスは世界の終わりを予感させてくれる光景で、あそこだけを延々観ていてもいいかもしれない。旧約エヴァ劇場版のサード・インパクトも、完膚なきまでにすべてが終わる空虚に裏打ちされた明るさがあって、あれも延々観ていたい。ネトフリに入るか、他の配信サイトで2日間500円のレンタル料出すか、迷うところだ。

なにせ、終わったあとの世界で墓掘り人足やるのが夢ですから。

押井監督の「ゾンビ日記」の、あの生活はまさに理想でうらやましいほど。でも当分世界は終わらなさそうなので、仕方なく仕事に出て社会と折り合いつけているわけで。あと2年3年ぐらいで、私がピンピンしてるうちに終わらないもんですかね。世界。

あー、でも「マッドマックス」は、世界が終わっても人間がある程度生き延びてると結局何も変わらないってことを如実に物語ってたからなあ。やっぱり私は、同じ世界が終わるなら旧約エヴァとか「ゾンビ日記」式がいいです。

 

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最後におまけ。

きのう出し忘れてた、と思う。帰りがけの上野公園の噴水。

夕方の写真は、どんなまるでダメなお写真製造マシーンでも雰囲気があるように見えるもんを撮れるのでイイですな!(いきなりのいち兄口調)

旧約エヴァは、明日どうしても我慢できなくなったらネトフリに入ろう。