雑種犬肉球日記

雑種犬が書いたブログ。

新しいゴジラの話をしようか

旅行中に観てきました。「シン・ゴジラ」。

結構、観た人によっては評価が割れているようですが、私個人の感想としては、良かった!が7割:ちょっと待てのツッコミが3割、というところでしょうか。

 

ツッコミどころとしては、まずあれだけ陸自が派手に展開しているけれど、海自空自の皆さんはどうしたの。がひとつ。海になんかでかくてケッタイなものがあらわれたら、真っ先に海自が調べそうだと思うのですよ。空自も上空から監視するだろうし。それと、陸自の作戦での武器の、使う順番が逆だろうと。「使用する場所が首都圏で住宅区域も近い」という状況の特殊さゆえなのかもしれないけど、明らかに常識では考えられない規模の、重火器が通用するのかもおぼつかないけどやらないと! という相手ならば余計に、現在持っている中で一番威力のある火器から使っていく、まずは熱いの一撃というのが定石セオリーお約束なんだけど、あれだと「おっかなびっくりの及び腰で豆鉄砲を遠くから撃ってる感」ががが。

あと、冒頭のボートのシーンは、空から俯瞰でのカメラアングルにするか、ああして記録映像のテイをとるなら、もう少しレポートと折り紙をがっつりと観客の印象に残るように見せて欲しかった。言ってみれば、あれこそがゴジラに戦いを挑むための手がかりになるものなんだし。

 

こんなこと言ってると、何だよ文句しかないのかよ、と思われてしまいそうですが、そんなことはない。

いいところいっぱいありましたよ。

まず、非常時・災害時に政府がどんな速度で何をしているのかが、よくわかりました。矢口くんが尾頭さんに「部屋もご自身も少々臭います。シャワーくらい浴びてこられては」と言われるくらい、各種対応で休めず駆けずり回ってるんですね。

非常事態に呼び集めた御用学者が、軒並み無難で当たり障りのないことしか言わなくて役に立たないという描写が妙にリアルでした。名誉や権威やご大層な肩書きがついちゃうと、よほど骨の髄からアナーキーな人でもない限り、アカデミズムのお城の小間使いに成り下がるという側面が、端的に描かれていました。

早々に自衛隊の描写の仕方に突っ込んでおいて言うのもなんですが、それでもアクションシーンの見せ方、演出は迫力あります。ヘリは、戦車は、移動砲台は、こんな風にこの角度で撮影するとカックイイんだ。ということを熟知しているからこその、観ているだけでカタルシスを感じてしまう映像。これだけでも、映画館でもう一度観たいと思いましたよ。

あと、私の中で一番でかかった「実際スゴイ」と思った点が、

 

ゴジラめっさコワイ!

 

これですね。

上京したゴジラ、飛んでる敵を撃ち落とすジツ使えるし、あの口からだけでなくてホニャララ(ネタバレ防止のための表現)を観た瞬間「アイエエエエエ‼︎‼︎ ゴジラナンデ⁈」って叫びそうになったもの。

あのハリウッド版のゴジラ、「人類の敵ダー」で始まり「ありがとうゴジラにいさん」で終わるあれでどれ程拍子抜けしたことか。よかったのは渡辺謙が出てるとこくらいで、ホカホカ家族のパートは、オチがもうスケスケのシースルーかと言いたくなるくらい丸見えだしココいらないよね、と思いながら、大層安心して観てましたよ。だから、今回の全力でゴジラを殴りにいくあの姿勢は非常に好感が持てました。

 

で。実際に観て思ったのは、最初のワンカット目からラストカットまで、とにかく凄まじい速度と情報量。それについては、ある程度予備知識があったぶん、覚悟していたのでついていけたけど、一切の予備知識なしに、あれをいきなりポンと見せられた人は、大丈夫なのかなと少々心配。新旧エヴァを観て、庵野監督式の演出の速度に心構えなり免疫なりができているならいいけど、話題になってるし、くらいの気軽さで観る人は、冒頭15分くらいでもう、情報をとらえきれなくて振り落とされるのじゃないかと。そういう人だと二度三度観ないと理解しきれないだろうし、また、疲れちゃってそこまでして理解しようとは思えなくなるだろうし。押井作品のように、折り返しくらいのところでダレ場があれば、観ながら頭をクールダウンして仕切り直すこともできるけど、ずっとすごい風速で流れてるからね。

未見の方がもしいらっしゃるなら、出だしからゴールまでトップスピードで走るF1カー、それもメルセデスに(マニアックかwww)乗っていると思って観てください。

 

最後にひと言言わせてもらおう。

尾頭さんと蒲田くんカワイイ。

蒲田くんは、肌触りのいい抱き枕とか出たら買ってしまいそうな程度に好き。