雑種犬肉球日記

雑種犬が書いたブログ。

雑種犬が観て語る「ユーリ!!! on ICE」第二滑走

今日は久々に、妙なヤル気が出てきたのでやっちまいますよ。

そう、アレ。

誰も待ってない「俺が感じた『ユーリ!!! on ICE』」。

リピート再生で観ながらいきますよ。

 f:id:bf021hugtlang:20170425004426j:image

題して、雑種犬が観た第二滑走「今我ら鏡もて視る如く 視るところ朧なり」。

 

ヴィクトル=サン旅立ちの光景から第二滑走は始まります。コーチのヤコフに「今行けば引退したも同然だ」と引きとめられてなお、日本へ旅立つヴィクトル=サン。氷の上ではアスリート、でもリンクを出ればあらゆるものを子供のように楽しむ天真爛漫さで、勇利を驚かせ周囲の人達を驚かせるヴィクトル=サンですが、彼に振り回された者がロシアにもう1人いました。

ジュニア杯を総なめにしてシニアデビューを控えた、もう一人のユーリ。

鼻っ柱の強さ故にアイスタイガーと呼ばれ、またそのかわいらしい容姿から妖精とも呼ばれるロシアの15歳、ユーリ・プリセツキー。

ヴィクトル=サンが何の気なしに約束したこと「ジュニアのトップに立ったらシニアデビューのプログラムの振り付けをしてあげるよ」を自分の中で大きな動機として、ジュニアの頂点に立った彼ですが、約束を果たしてもらおうとしたとたん、当のヴィクトル=サンが日本へ、それもグランプリファイナルの試合後に「ユーリは2人もいらない。引退しろ」なんて喧嘩売った日本のユーリのコーチになるために行ってしまって、肩透かしを食ってしまった。

ところがどっこい。持って生まれた向こうっ気の強さと、そのために頑張ってきたんだという思いの強さ故に、諦めるどころか、ユーリは単身見知らぬ異国へ旅してきます。思い立ったら即実行、直情径行タイプですね。私服は黒にアニマル柄、リベットついたリュックでヤンキーセンスですが、商店街で虎のトレーナー見つけて衝動買い、早速着てインスタに写真アップして、なんて意外とかわいいところがあります。

やっとアイスキャッスルへ着けば、久しぶりに会った勇利はユーリのことなんて眼中になくて「ダイエットの目標クリアしたからヴィクトルに滑る許可をもらえる」なんてのんきなこと言っていて、当のヴィクトル=サンはといえば、自分から言い出した約束をキレイに忘れているしで、ユーリちょっとかわいそうですね。そりゃあ怒るよ…。

ユーリが約束のために自分を追いかけて来たことが面白くなったヴィクトル=サンは「こいつと勝負して、オレが勝ったら一緒に帰ってコーチになって」というユーリのお願いにあっさり「イイよ!」。ただ、ひとつ出した条件は、次のシーズンにどちらを使うか迷っていたプログラム2曲を、2人にそれぞれ割り当てて振りつけて、お客さんにお披露目をして評価が高い方を勝ちとする。

ヴィクトル=サンを連れ戻すことしか考えてなかったから、当然ユーリはホテルなんて予約しているわけがなく、当たり前のように勇利の家へついてきます。勇利の家が温泉宿でよかったな…。ヴィクトル=サンの部屋の押入れで寝ることになっても、真利姉ちゃんに、弟と同じ名前は紛らわしいのと好きなアイドル歌手にそっくりだからという理由で「ユリオ」なんて呼ばれてもめげない鋼のメンタル。なんて頼もしい15歳なんだ。

ヴィクトル=サン相手に堂々と対等に口をきくユーリを見て、もともとがメンタルの弱い勇利はやっぱり不安になって、独りでトレーニングしに外出。

 

ここからが、この第二滑走のミソにしてコア!

 

ここまでの一連の流れで、強気なユーリと弱気な勇利という対照的な2人が描かれましたが、ここでいつの間にか勇利が出かけていたのに気づいたヴィクトル=サン、真利姉ちゃんに「フラッと出かけるときはミナコ先生のところかアイスキャッスルに行ってる」と聞いて、勇利を捜します。

ミナコ先生はバレエ教室の他にスナックもやっていて、まあ勇利はああいう朴訥なおとこのこなので、先生のお店で呑んでいるわけはなく、ここでミナコ先生の眼を通して見た勇利が語られます。「勇利は不安になると、すーぐ練習したがるの」「天才じゃないけど、練習する時間だけは世界一恵まれてたわ」。その足でアイスキャッスルへ向かったヴィクトル=サン、今度は勇利の練習を見守る西郡夫婦から話を聞きます。「もともと友達つくるのヘタだから、勇利は」「ホントはすっごい負けず嫌いなんだよね」。勇利の近くで、彼の繊細さナイーブさを目の当たりにしてきた3人の言葉から、ヴィクトル=サンは何か摑んだようです。優子ちゃんの「まだ見たことのない勇利くんを引きずり出してほしい」という言葉に「子ブタちゃんを王子様にする魔法だね」とだけ呟きます。

自分の才能に疑問を持たず、それを武器として戦う程、あらゆるものを呑んでかかるユーリ。一方で自分の才能に対する他人の評価に根拠を見いだせず、自分に自信を持てない勇利。

翌朝、ヴィクトル=サンは2人に勝負で使用するプログラム曲を聴かせます。同じテーマ、同じメロディで作られた、アレンジ違いの2曲。「愛について」と題されたその曲は、一方は清浄な無償の愛「アガペー」、もう一方はおとことおんなの性愛「エロス」を、それぞれイメージしていました。同じ「愛」の二面性を象徴した曲を、正反対の2人に演技させようというのです。

強気なユーリは「オレこっちを滑りたい!」とエロスバージョンでの演技を希望しますが、ヴィクトル=サンは満面の笑顔で「勇利がエロス! ユリオがアガペー!」。当然ユーリは盛大に文句を言いますが、みんながイメージすることの真逆をしなきゃびっくりしないだろう、とヴィクトル=サンは更に続けて「君達は自分が思っているより無個性で凡庸だから」「自分で自分のイメージを決めるとかよく言えるよね?」「観客からしたら子ブタちゃんと仔猫ちゃんだ」とにこやかに言いたい放題。

負けん気をおおいに刺激されて、ユーリは「アガペー」での演技をすることを飲みます。「オレが勝ったらオレのコーチになれ!」

そこで「勇利は勝ったら何がしたい?」と水を向けられた勇利。なけなしの勇気と、憧れ続けたヴィクトル=サンへの思いとが、勇利の何かに火をつけました。

 

「ヴィクトルと、カツ丼食べたい」

 

太りやすい体質だから、試合で勝たないと食べられなかった大好物を、憧れの人と食べたい。

だから、「全力のエロス、ぶちかまします‼︎」。

他人の予想の斜め上をいくヴィクトル=サン式…と思いきや、このひと言を引きずり出して勇利に火を点けるための振り分けだったのですね。実はもう2つ、ヴィクトル=サンには狙いがあったくさいですが、うちの1つは第三滑走で、もう1つは終盤で判明するかと。

 

この第二滑走でもうひとつ忘れちゃいけないポイントが。

遠くから憧れていた勇利と違う角度、同じリンクに所属してすぐ側から見ていたユーリを通して語られるヴィクトル=サン像。

憎まれ口を叩いてはいても、シニアデビューの振り付けをねだる程、勇利と同じようにヴィクトル=サンを追っていた「もう1人のユウリ」に、彼はどう見えていたのか。

アイスキャッスルで滑るヴィクトル=サンを見て、ユーリは言います。「世界中を驚かせてきたけど、もう何をやってもみんな新鮮には驚かない」「自分にイマジネーションが湧かないなんて死んでるのと同じだ」…声も手も届かない遠くから、ただ背中を追っていた勇利にはパーフェクトで神様にしか見えないヴィクトル=サンが、行き詰まりを感じたり悩んだりもする人間なんだと示される、すぐ近くにいたからこそ解る、端的な真実です。

第一滑走ラスト、ヴィクトル=サンの登場でまず勇利の日常がひっくり返りましたが、この第二滑走では、勇利の世界観が少し、でも決定的に変わる兆しが描かれています。

だって、第一滑走からここまで観て、勇利ってホントに自己主張なんてできなさそうな子なのに、追い込まれた勢いとはいえ、エロスぶちかます宣言ですよ。このひと言が出てきたのって、勝生勇利史上ですごく画期的だと思うんですよ。

何だかもう、勇利から目が離せない。この、リンクを出た途端に引っ込み思案なおとこのこは、これからどんな風に化けるのか。ヴィクトル=サンは彼に何を与え、何をもらうのか。ユーリは勇利との交流を通して何を学ぶのか。楽しみですね。

勝生勇利大変身の予感に打ち震えつつ、第三滑走をお楽しみに!

 

ああ、マッカチンかわいいなあ…名犬じゃのう…。(ハァハァ)

ああ、今回のサブタイトルですがWユーリが鏡合わせなキャラクターということで「攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL人形使いのダイアログからパクりました。ええパクリですよ!(やけ気味に吐き捨てる)

さて、第三滑走の考察の方向を固めないと。

できるだけキャラ萌え的な観かたではなく、物語としていかに凄いことをしているかに的を絞るようにしてますが、油断するとヴィク勇の尊さにやられるので気をつけます。それにしても外国人ってニンジャ好きだなー。あとドヤ顔のお子さまユリオかわいいね。

キリがないのでえー加減寝よう。