どうも、また更新の時間が参りました。もうこれで終わらせる。
仕事も忙しいし、9日にはえねっちけのBSで百物語やるとかいう噂だし、イロイロ大変なんですよ。
さて、前回は勇利のフリー演技で終わりましたが、果たしてどんな評価を得るんでしょう。
審査の結果は、ジャンプの失敗もなんのその、見事優勝!
ヴィクトル=サン、がっちり勇利に抱きついて頬ずりなんてしてます。
「あのジャンプでよくぞここまで得点出たなって感じだねー! ファイブコンポーネンツでそこそこ稼げると証明してくれてアリガトウ! もっと点取れるから、落ち込んじゃダメだよっ勇利!♡」
温泉on ICEで、ジャンプよりもまず情緒的な艶で勝負するスタイルの選手であることは解っていましたが、正式な試合でも、今まで以上にそこを特化したスタイルが通用すると立証された訳です。やっぱり俺の見立て合ってた! とか思ってるんでしょうね、ヴィクトル=サン。
そこに南くんがあらわれます。オイの完敗です! という様子が、もう嬉しそうですね。
「グランプリシリーズで、オイもいつか勇利くんと一緒に戦いたかです! そいまで絶対やめんでください! 」
キラッキラの、仔犬みたいにまっすぐな瞳です。これはもう、一層慕われちゃったね勇利。
「それともうひとつッ! サインください!! 」
さっと色紙とペンを差し出されました。更に他の出場選手も集まって、サインや写真を頼まれます。勇利、ファンサ大事だよ。
リンクを出ると西郡と、ミナコ先生も嬉し涙で出迎えます。
「感動しちゃったわよう。後輩にライバル意識丸出しで戦うなんて! 」
確かに、その辺が心配な子ではありますよね。
西郡には、最後のジャンプで壁にぶつかったことで、怪我でもしたらどうするんだと叱られました。
心配してくれていた二人に、ごめん、と勇利は照れたような笑顔で、
「最初、負けたくないって気持ちで必死だったけど、途中から、なんかすごく楽しくなってきて、」
よくおぼえてないんだと答えました。
集中が極まってハイになっていたのでしょうね。
「とにかく、今まで滑ってきた中で、いちばん楽しかった! 」
この笑顔が、もう全てを語ってますよね。
スケートを始めたばかりの子供の頃と、同じ表情なんですよ。それだけ無心に楽しく滑れたということなんでしょうね。
そして2位に食い込む南くん。勇利の隣に立ててよかったね。
このニュースを見たピーテルのユリオは安定のご機嫌斜め。3つしか違わないお姉さんにババアだなんてダメだよ。あと何年かすれば、3つや4つの違い程度なら恋愛対象として違和感なく見られるようになるんだから。
さて、日本へ視点を戻すと、グランプリシリーズ出場選手の会見がテレビ中継されています。
今回はこのシーンでエンディングを迎えますが、ここでもうひとつ、勇利の成長を見せてくれるのです。
今年のテーマはなんですか、と質問されて、勇利がフリップを出します。
「愛」。そこには大きくそう書かれていました。
訥々と、覚悟を持った口調で勇利が語り出し、その声は言葉を重ねるうちに、やがて強さと熱情を帯びてゆきます。
ここのセリフが、見事に勇利の変化や成長を感じさせてくれるものになっています。何度も繰り返し再生のちからによってできる限り正確に、ここに書いてみます。
「今年のグランプリシリーズで、僕がテーマにするのは『愛』です。今までのスケート人生、いろんな人に助けられながらやってきましたが、愛について考えたことは一度もありませんでした。恵まれた環境にいながらそれを活かしきれず、独りで戦っているような気持ちでずっといました。……けど、ヴィクトルコーチがあらわれて、僕の見ていた景色は一変しました。僕の愛、それはわかりやすい愛や恋ではなくて、ヴィクトルとの絆や、家族や、地元に対する微妙な気持ち、…ようやく自分の周りにある愛のようなものに気づくことができました。初めて自分からつなぎとめたいと思った人。それがヴィクトルです。その感情に名前はないけど、あえて愛と呼ぶことにしました。愛を知って、強くなった僕をっ、グランプリファイナルの金メダルで証明します!!!! 」
リンクを降りた途端に引っ込み思案になる勇利は、地区大会での囲み取材の様子でもわかるように、あまり自分からはっきり喋るタイプではない子だったのでしょう。それこそ、マイクを向けられると固くなってしまうような。そんな子が自分から、ここまで雄弁に語ってみせた。とんでもなく画期的なことだと思いませんか。
いきなりの変化に報道陣も、会見の司会をつとめる勝生番・諸岡アナも呆然としています。
勇利の実家・ゆーとぴあでも、両親にヴィクトル=サンとマッカチン、真利姉ちゃん、西郡ファミリーとミナコ先生も駆けつけて、食堂の大型テレビで会見の中継を見ていました。
「俺たち、」「ビミョーだったんだ」「ずっと応援してきたのに」
勇利の言葉に、呆然としたりちょっと面白くなかったり、と反応は様々ですが、ヴィクトル=サンは通常運転。勇利のネクタイを見て、そのネクタイはダサいから新しいのを買おうねなんて言っています。いくら今ひとつだからって、燃やすのはやめよう?
その頃、タイでは勇利の大親友・ピチットくんも本格始動です。チェレスティーノも納得、中国大会ではピチットが優勝だ、なんて会心の笑みですが、
「今のジャンプちょーよかったでしょー。きれいに録れた? 」
「あ、すまん」
録画を頼まれたのに、撮影忘れたみたいですね。
「えぇ? 1秒でも早くネットにアップしないとダメなんだよー! 」
一見ほのぼの、でも勇利の戦いはいよいよ世界を舞台にするのだ、と更なる強力なライバル達があらわれる予感を抱かせつつ、第五滑走は終わります。
ホントもう何なんですかこのアニメ。1話30分の枠で、これほどの情報量を詰め込みながら、めっさ自然に観られて、エンディングの勇利の言葉で思わず涙してしまったりして、どこまで最高なんですか。
だって、あんなにいろいろなものを諦めて、独りで生きることを「そうするしかないんだから」と受け入れてしまっていた勇利が、大勢の報道陣を前に、テレビの生中継で「初めてつなぎとめたいと思った人はヴィクトル」とはっきり口に出して、あまつさえ金メダル宣言ですよ⁈ そんなことができるようになったのも、すべてはヴィクトル=サンとの出逢いがあったればこそで、それを思うともう、勇利よかったな…! と、こう、込み上げるものがあるのですよ。
もう、勇利とヴィクトル=サンから目が離せません。ここからまた、どんな変化を見せてくれるのか。第六滑走が楽しみですね。
という訳で、次は第六滑走。
さすがに立て続けはキッツイので、少し休んでから解析に入らせていただきます。
次回からはいつものダラダラに戻ります。
では次回のダラダラな更新でお会いしましょう。