雑種犬肉球日記

雑種犬が書いたブログ。

時代なんてあっさり終わってしまうものなんだから潔く終わりを迎えようぜ死ぬわけじゃないんだし

前回書いた通り、編み物してました。

立喰師列伝」観ながら、編みぐるみプロトタイプ零号機建造。パーツがだいぶ揃ったので、明日にはどうにか組み上げまでいけそうです。現在、建造率72%。

いやあ、どうもマジョリティの背後に全体主義がおんぶオバケかうしろの百太郎よろしくへばりついてるのを嗅ぎ取ってしまう性分なもので、哭きの犬丸エピソードなんて、もう身を切られるような哀しさを感じてしまいますよ。

時代が終わる瞬間って、どうしようもなく哀しくて、解らない者にはひたすら滑稽なんですよ。

 

明日あさっては休みですよ。

ということは、スポーツジム行って編み物するぐらいしか予定がないので、午前中に起きて、零号機建造フェイズを進めます。

 

で。

さっき、貴乃花親方がテレビ番組でインタビューに応じているのを見ていましてね。いつものように、家族が見ているのを飯を喰いながら見ていたんですが。

たぶん彼は、全部解ってるんですね。受け答えのすべてが、おすもうの協会というインナーサークルのルールがどこででも通用する時代がとっくに終わっていたのだという、端的な事実をよくわきまえている発言でした。

30年前40年前であれば、力士が先輩や親方に殴られて怪我しました死んでしまいました、という事案が発生しても、インナーサークルの中だけで手を打って解決してしまえたわけですが、もうこのご時世にそんな手法は通用しなくなって久しく、でもインナーサークルのど真ん中にいる人たちは未だに、サークルの外がどんなルールで動いているのかなんてどうでもいいようですね。ただ、サークルの外縁部、世間に近いところにいる人たちの危機感は、相当なものであろうことが察せられます。

将来有望な子供を見つけてスカウトに行っても、親の承諾が得られず弟子に取れない、なんてことがザラなのは、信じて預けた先で殴られ蹴られて大怪我を負わされた、生涯残る後遺症を負わされた、ひどくすれば死んでしまった、でも先方は非を認めて詫びるどころか口を拭ってケロリとしている、なんてことになってはたまったものじゃない、と忌避されているからですが、偉い人はそんな当たり前の家族の心理が解らない。だけど若い親方って、弟子候補の子供達の親と年代が近いだけに、そういう可能性に気がついてしまえるし、またそうしたことを保護者から実際に指摘された経験がある人もいるのではないかと思います。若い親方たちは、それだけ外の世界に近いところにいるんですね。貴乃花親方は、少なくともさっきのインタビューでの受け答えから見てもたぶん元々がかなり賢い人で、そうした経験なり気づきなりがあったせいで、おそらく真っ先にインナーサークルの共同幻想から目が覚めてしまった。

この、インナーサークルの中心にいながら外の様子が解ってしまった、それ故にサークルの中がいかにダメになっているかが解ってしまったという立場は、相当過酷ですよ。ダメだけど出られない、出るわけにいかない。なまじ自分を信じてついてきてくれる仲間や弟子がいるとなると、独りでさっさと「それではこれにて(ドロン)」とかやるのは卑怯だし、この人たぶんそういうことできない人だよね。インタビューでの話する姿勢から既に、CV阪口大助で「真面目か!」ってちから一杯ツッコミ入れそうになるぐらい真面目なんだもん。

たぶん、彼は今「ンアーッ! 『時代は変わった』って志村新八風に思っくそツッコミてえー!!!!」って思ってるんだろうな。必死で我慢してるんだろうな。誰か代わりにやってやれよ。CV阪口大助でやってやれよ! CV神谷浩史でもいけるよ!!

 

時代なんて、終わるときにはあっけなく終わるんだよ。「立喰師列伝」観てみろって。あの映画は、言ってみれば時代に引導を渡すエピソードばっかりだからね。チュカラ。

往生際が悪いのはいただけない。「ヨルムンガンド」読んでみろって。ヒロイン・ココの商売敵・カレー社長は、自分の商いがどうも回りが悪くなったのを感じると、ココの親友のDr.マイアミに会いに行くんだぜ。「あんたの時代は終わった」と引導渡してもらうために。この、自分よりも賢くて若い者に引導渡してもらうという人選ができるところで、私この脂っこいおっさんが人間としては意外とまっとうなんだなと感心したもんですよ。うん。あとミルドと一緒にいると親子みたいで微笑ましかった。手はかかるけど父ちゃん大好きな娘と、小言が多いけど何だかんだ娘がかわいい父親。

 

さて、明日休みだけどぼちぼちフートンを敷いて寝るか。