仕事してきましてね。
今日はバックヤードのトイレ掃除する当番が回ってきたんですわ。
昼の休憩前に時間もらって言って、まあ掃除自体はフツーに終わった。
で、最後にトイレ紙補充しとこうと思ったら、2つある個室の片方が一向に開かなくて、あまりに長いのでノックして「ヘイ便所紙補充してえんだが? あーあーヘロウヘロウ? 」(意訳)ってやったら、中から出てきたのが例の彼女ですよ。きのうといい、もう何なの。俺を疲弊させる気か。
持ち場に戻ったら「あの雑種犬さん、もう少し早く戻れる? 」「ああすんまっせん、最後紙補充しようと思ったらなかなか個室から出てこない人がいて、ノックして声かけて、しばらくしたら彼女が」そこでチーフと社員嬢苦笑いで、もうおとがめはなかったんだけど、彼女は昼の休憩、3分オーバーで戻ってきたらしい…。俺が声かけなかったらいつ戻るつもりだったんだ。
疲れた。
なんかもう疲れたので、今日はこれ流したら「幼女戦記」観よう。実務の鬼が無双するのを見たい。
しかし、仕事してると客がほぼほぼ声が小さい。みんな何食ってるの。先週から水しか飲んでませんとか、冷蔵庫が空なのでセミ取って焼いて食ってましたとか、そういう感じなん。ちゃんと飯食ってるならもっと腹から声出るはずだろ。
普通に飯を食ってるなら、このぐらい出るはずなのだが。
「そうだな! 声が小さくていいことなどないだろう! むしろ声が小さいと、相手に意思薄弱さや挙動不審を感じさせたり、頭が悪そうに見えて損をするぞ! 」
うわ声がでかい奴が来た。
「声が大きいからなんだ! 声が大きいことはそう悪いことではないぞ! 会話していても、自分の発言を何度も聞き返されたりせずに済むからな、会話がスムーズだ! それに、堂々としていればおかしな勘ぐりをされることもない! ハキハキと話をすれば、馬鹿には見えないぞ! 」
まあそうだけどさ。でももう少し声量を落とせって。私ゃ船に乗ってるんじゃないんだから。
「む、志ん生か」
お、わかるか。さすが横綱。
でもさ、控えめなのも程々であれば悪いことじゃないだろ。なあ。
「まあ、それはそうだが、しかし俺は。人を褒めるときには大きな声で、貶すときにはさらに大きな声で、を心掛けているのだ」
ドン包平…。お前はどこの大声チャンピヨンだ。
「あまり大きいと驚いてしまうよね。声のことだよ? 」
ほら見ろ! 青江節出ちゃったじゃねえかよ!
「俺のせいじゃないぞ! 」
「お邪魔します」
あ、数珠丸=サン。どうした。
「じゅ数珠丸殿! 」
「青江を見ませんでしたか」
え、いるよ。ここに。
「ああよかった。青江、お兄ちゃんとリリアンの続きを編みましょう」
「未完の大作になるんじゃないのかい」
「リリアンはやめ時が分からないのですが、そこが魅力の一つなんですよ」
「もうそれ、自分で完成だって思ったところでやめるのがいいんじゃないかな」
今どのくらいの長さになってるの。
「今は7メートルぐらいになりましたかね」
手芸屋とかで置いてる編み機だと、何作ったもんか悩む細さなんだよねえ。どんどん長さばっかり伸びて、謎の紐が出来上がる。
「編み方自体はよくわかりましたので、今度もっと大きな枠で編んでみようかと思っておりますよ」
「ネットで調べたら、編み機の直径を広げるとマフラーやなんかができるみたいだよ。実用的だよね」
数珠丸=サン、こういう地道にコツコツやる作業好きだよね。
「あの、数珠丸殿、よろしければ俺が編み機を作りましょうか」
すかさず懐く大型犬! 日曜大工の端材あるなら、管理人さんの神棚も作ってよ!
「それは自力でどうにかしてこそ味が出るものなのではないか」
あっさり片付けた!
「数珠丸殿、ご希望のサイズや形があったらぜひお聞かせください。俺がお作りします」
「よろしいのですか」
「ぜひとも」
「って言ってくれてるし、作ってもらったらいいと思うよ」
「そうですね、それなら大包平さん、よろしくお願いいたしますね」
「はい喜んで! 」
もうドン包平、すっかりしつけの行き届いたでかい犬みたいになってやがる。
さあ、前半戦ですでに疲れ果ててるけど、明日あさって仕事すれば休みだ。
明日までは朝ゆっくりなので、今日は程々で睡眠時間確保しよう。
明日も聚楽第周回がんばります!