仕事して接骨院に寄って帰ると、エヤコン室外機のカバーが届いておりました。
あまりにでかくて、玄関に置いてありまして、まず部屋まで強引に引き揚げては来たものの、組み立ては明日以降だな。とか言って、明日朝すげえ早く目が覚めちまったら組み立ててるかもしれない。
「管理人さん! 管理人さんはおるか! 」
うわ声がでけえ。
「声が大きいのは生まれつきだ! 俺は! いつでも堂々と! 」
短刀が薬研以外みんな寝てるから静かにしてあげて。
「室外機カバーが届いたと聞いたぞ! どこだ、組み立てはどうする」
いやそんな、DIYの匠に出馬を願うほどのことではないぞ。
「俺が見たいだけだ! 」
正直だな。
「俺は誰に対してもやましいことなどないからな、何事も堂々と! 」
まあ、悪いことではないんだけどさあ。とにかくドン包平はもう少し、静かに話すことも覚えような。そうすれば女の子入れ食いだぜ。
「何の話をしている。俺はそのような軽佻浮薄なおなごは好まん。もっとこう、つつましくも芯のしっかりした御婦人が、っていや、そうでなく、室外機カバーだ。届いたのだろう、箱は開けたのか」
まだ。明日以降にな。
「早く設置するんだぞ。そのうちに、などと悠長に構えると、こういうものは得てして時間の経過とともに面倒が勝るようになるからな。早く組み上げてしまえよ」
ドン包平はこういうものには熱心だよな。
「ああ、組み上げるときには俺と大典太にもひと声かけるようにな。あいつも気にかけていた。電動ドリルを貸してやろうかと言っていたぞ」
借りてもさあ、管理人さん使い方知らんよ。
「心配ない、俺と大典太とで教えてやるが、不安であれば代わりに組み上げるぞ。どうだ」
ああ、わかった。これわかった。やりたいんだね! 暇なんだねドン包平!
「あんまりいじらねえでやれよ姐御」
えー。でも面白いし。
「旦那ァただの興味本位って訳でもねえ。姐御が慣れねえ大工仕事の真似事でつまらん怪我でもしやしねえかと、心配していなさるんだよ」
やだやさしい。ドン包平やさしい。もしかしてバファリンの付喪神?
「俺は刀剣の横綱だ。頭痛薬ではない」
そして真面目だ。
「俺は俺で、姐御がまた怪我なんぞしたら仕事が増えるからな、そいつぁ願い下げだ」
え、いや私大概のことは自分でやるよ。怪我だろうと病気だろうと。
「脚ィやられちまったら移動は介助がねえと無理だろう。手をやっちまったら代筆には歌仙を、厨仕事の合間見繕って駆り出さねえといけねえだろ。俺と杵はコンビで近侍だからな、まあ姐御の張り付きはいつも通りだからいいとして、そうなりゃ歌仙はいつ休ませるんだ」
なんか、なんかごめんね…。
「さすがに便所や風呂は俺らが連れて行くのは荷が重い、短刀のチビどもに頼むしかねえ」
ごもっとも!
うん、なんか改めて指摘されると刺さるね。気を付ける。
「心配しないでご主人様、危険な作業だったら僕が代わりにやるよ。ご主人様はただこうして座って、僕に命令してくださればいいんだよ! 」
ダメな感じの全肯定がきた。うん、別に危険じゃないから心配ない。
さて、明日はめっさ早く目が覚めてしまったら室外機カバー組み立てるとして、昼間はトーハク行ってみるか。来週は呼吸器科の予約入ってるし、その後だと遠征控えて気忙しくなりそうだし、行くならこのタイミングだろう。
なんかもうすでにねむみが来てるので、今日もそこそこで寝てしまうか。