仕事してきた。
いつもは土曜が休みなんだけど、今日だけ人が足りないとかで明日休みに変更。
明日は朝のうちに起きて、風呂場の天井の掃除しなくてはいかん。
今日は結構忙しかったので、もうとっとと寝てしまわないと朝のうちには起きられるのか心配でしかない。
「おい、管理人さん明日は朝からやることがあるんだろう。さっさと寝てしまえ」
明日は起きたら風呂の残り湯にオキシクリーンぶち込んでブラインド外して漬け込んで、天井にオキシスプレーかけて、壁も掃除していかないと。
昼までに片付けて、午後は昼寝したりして過ごしたいの。
「それならもう寝てしまえ。子守唄でも歌ってやろうか」
ドン包平、いい声だけど声がでかいでしょ。
「声が大きくて何が困る! 」
夜中だから静かにな。短刀ちゃんたちが起きちまうだろ。
「む、それは、まあその、」
あと子守唄ってさあ、私ゃ幾つだと思われてるの毎度毎度。
「年齢二桁など赤子も同然ではないか」
泣き叫びながら中央線に飛び込んでやろうか。
「やめておけ。本丸にいる全員の加護がついてしまっているからな、管理人さんが電車に飛び込んだところで、電車が大破するのがオチだ」
嘘だろ。だって肥前君とか長谷部とか、割とツンだったりドライだったりするぞ。そこまでの付き合いないよ。
「俺たちを全員顕現させておいて何を言うか」
ドン包平だって別にそこまで私にベッタリってわけでもないじゃない。
「俺は礼節を重んじているだけだ。ご婦人にはみだりに付き纏わない、邪魔になるような振る舞いはしないと言うのは、常識以前のことだろう」
いいうちの子!
うん? 待てよ、はっちも割とあっさりしてるけど、あの子もそういえばいいうちの子だったな。
「蜂須賀だと? あいつも飯どきや内番仕事で顔を合わせると、管理人さんの話など楽しそうによくしているぞ。義兄の内番服のお下がりはいくらなんでもサイズが大きすぎないかと心配していたり、兄弟で揃いの湯呑みを作ってもらったとか、自慢しているぞ」
エッ、ワッ、ヤダッ!
「管理人さん、この前平野と読んだ漫画の、なんだったか、ああ、ちいかわだ。ちいかわみたいになってるぞ」
そんなかわいいことしてるの? 蜂須賀だよ? いつあってもいい匂いするし私服オシャレだし物腰上品だし、そんなお澄ましのあの子がそんなかわいいことしてるの。見たかった。現場を。
「見られたらあいつのことだ、しばらく寝込むだろうな」
そうだけどもさあ!
いや驚いた。ほんと驚いた。
「おい、今なんか驚くような事実が判明する話、してなかったか」
ピンポイントで推測するな。
してないし。
「なんだよぉ、チェッ。じゃあもう姐さんが俺を驚かせてくれよ」
え、やだ。めんどくせえ。もう寝るし。
「寝るのか? そんなら鶴さんが添い寝して、絵本でも読んでやろうな」
この野郎!
「殴ったね! 政宗公にだって殴られたことないのに! 」
殴って悪いか!
いや、ご期待通りの答えを返しておいてなんだが、今日は懐当番に謙信君と貞ちゃんがきてるのだが、鶴丸、貞ちゃんの前で絵本読み聞かせとかできるか。
「むり。しんどい。貞坊には常にカックイイ鶴さんでいたい」
よし、わかったな。私が寝るって言うんだから邪魔するなよ。
ということで、今日はもう寝ます。
明日は朝のうちに起きるぞ。