仕事してきたぜ。
明日あさって仕事に行くと休みなので、風呂場のタイルの目地をどうにかしようと思います。買ってきた漂白剤が「気管支の弱い方は絶対に使わないでください」とかありますが、うちでは身長から見ても足腰から見ても俺しかやれる人間がいないので、窓と戸を全開にしてやるしかないな。
「おーい松井、きのう管理人さんが美術館連れて行ってくれたんだろ、楽しかったか? 」
「松井さん、きのうはご機嫌で帰ってきてましたよね」
「松井、すごいテカテカしてたね。畑ではすぐ自主的に休憩取ろうとするのに」
「え、ふふ、そうだね。楽しかったよ。俺も長谷部も耶蘇教の家で育ってるからね」
楽しんでもらえたようでよかった。
「管理人さん、ありがとな。松井はほら、事務仕事で部屋ん中にいてさ、出陣か遠征か、本丸の買い出しくらいしか外に出ないだろ。気分転換させてやりてえよなって、みんなで言ってたんだよ」
週休2日で休めって言ってるんだけどねえ。休日には自由に過ごせって。鶴丸とか一文字とか見なさいよ。好き勝手に出かけてるよ。万屋に買い物行ったり裏の森の川行って水遊びしてたりするじゃん。
「休んでると事務処理がさあ」
いいから。そういうお残しは管理人さんやるから。
「いうて管理人さん、休み前にお酒呑んで、10時くらいまで寝てるでしょ」
いいだろ。泡の出る茶色いやつくらい飲ませてくれよ。
「今度の休みはお酒やめて。お茶飲んで、体にいいものをお茶請けにして」
「それじゃあ光忠さんや歌仙に頼んでおきましょう」
「ああ、ありがとう篭手切」
私の目の前で、私には有無も言わせず私の飲み食いするもんが決められていく。悪い夢でも見ているようだ。
「その悪夢のおかげで健康が手に入るんだよ」
「じゃあさ、管理人さん、早く起きられたら畑の仕事もしてみようか」
え、それは管理人さん死ぬやつでは。25キロの牛糞堆肥の袋とか持てないよ。
「大丈夫、12キロから始めようか! 」
「桑名、管理人さん腰痛持ちだからな、もうちっとソフトなコースからにしようぜ」
そうそう。
「お年寄りだからなー」
待て誰が老人じゃ! これだから何もかもが速い男は!
「じゃあ管理人さん、今度のお休みは堆肥を作ろうか。草刈りから始めるから、朝6時に畑に集合ね」
やるとは言ってない。で、草刈って、穴はどうするの。刈ってから掘るの?
「そうだねえ、管理人さんが草刈りしてくれてる間に僕が掘ろうかと思うんだけど」
そんなら事前に鶴丸に掘らせればいいじゃない。
あいつ穴のオーソリティーなんだから。
なんか私に手出しができないまま、イロイロ決められつつありますが、もういい今日は寝る。
きのう買ってきたリールキーホルダーが思いの外いい感じだったので、こいつをデコる方向で考えます。
さあいい加減寝る支度するか。