仕事して帰りがけに本屋で「デストロ016」5巻買ってきました。
今回も余す所なく、登場する乙女は皆キュートで愛らしくかつ物騒。そして登場する男は全員もれなく雑魚なのですぐ死ぬ。かわいい。そして頼もしい。最高か。
あと一緒に、気になってつい買ってしまった。河出書房から出た「日本怪奇物語」。タイトルでちょっと気になって、目次見て即決。珍談奇談や猟奇的な実話を小噺形式で集めた本で、その各話の見出しだけでもう白飯3杯いける。「猫を惨殺し発狂して猫のようになった男」だの「毎日豆腐五丁ずつで生きている奇妙な男」! どうだ、濃いだろう。
明治・大正・昭和の三代に渡り集められた実話集。目次を見た瞬間にうちの鶴丸が息を飲んだね。
しかもこの本、作者自体がすでにエピソードとして強い。生没年も詳細な経歴も不明。どうも在野で犯罪や宗教、猟奇の研究をしていた、らしい。別名義で少年少女向けの小説を書いていた。くらいのことしかわかっていない。解説を作者の幼馴染で友人だという作家が書いてるんだけど、この人も余程の文学好きでもない限りもう知らないであろう人物で、更に巻末、河出書房からの注釈、この手の昔の作品を発掘してきたときのおことわり「現在は問題のある表現がありますが当時の記述に従いました」云々の締めが「作者の著作権継承者にお心当たりのある方は編集部までご一報願えると幸いです」って、いや待て。解説に、奥さんと子供が二人ってあっただろう。その遺族とは連絡つかないのか? まじで? まさか、この本の昭和の奇談って、いうて戦前だからな、戦中戦後のどさくさで音信不通になっちゃったの?
…どうだ。読む前に既に濃いだろう。
「ありがとう姐さん。こんな驚きの塊を俺に買ってくれるなんて」
お前に買ったわけじゃないぞ。これは図書室に置いとくから。好きに読め。だが私も読む。
「鶴さん、ご機嫌だね」
「いやあ、俺ほんとにいいうちの子になったな! 光坊伽羅坊貞坊がいて、姐さんは驚きの書を読ませてくれて、出陣でスカッとしたらひとっ風呂浴びて呑むビールがうまくて、なあ? 」
「うちは僕らがやりたいことがあると、好きなだけやれって後押ししてくれるよね。僕も本丸の改築したときに、業務用の冷蔵庫とピザ窯作ってもらっちゃった」
「姐さん、思い切ったよな。だが改築して驚いたのは、風呂の掃除に妖怪あかなめのハウスクリーニングが入るようになったことかな」
「ああ、彼ら、ベンチャーでハウスクリーニングの会社立ち上げたんだってね」
「結構契約してる本丸、多いみたいだぜ」
しかし本当に、改めて作者名で検索かけるとウィキにすら出てこないって、ほんとに謎しかない。著作権継承者ってことは遺族なんだろうけど、遺族とすら連絡がつかないとか、いよいよ本格的に不穏だよな。しかしそんな著者の本を、河出書房はどこから、何きっかけで発掘してきて、復刻しようとか思ったんだろう。そっちもすごい気になる。知りたくないすか。
「たぶん、出版社の中にいるんだよ。管理人さんみたいな、偏った趣味の人が」
偏ってて悪かったな。で、青江の今日のファッションはそれ、なあに。
「占い師になりたいと思ってる人のコスプレだよ。なりたいと思ってるだけだから、水晶玉じゃなくて金の玉を持ってるんだよ」
ほほう。
「金の玉だなんて、淫猥だよねえ」
ああ、うん…。
しかし気温が一定しないですね。今日は涼しくて、扇風機回してはいるものの、窓開けてるだけでエヤコンいらないんだもの。
もう秋になっちゃったな。
「ということは、温かいものが恋しくなりますね。そんなときにはお揚げを煮ましょう! お出汁で炊いて味付けして、お揚げを煮ましょう! 」
やめなさい。お揚げの話すると集まってくるから。
さあ、お揚げ愛好家が集まってくる前に、明日の支度して寝てしまおう。
この秋は珍談奇談を読んで過ごそうか。