仕事して接骨院に寄ったら、背中押された瞬間にボリボリボリっつって背筋が音立てたので、だいぶキていると思われます。
しかもすでに凄まじきねむみ。
「赤ちゃんだねえ」
「兄者、それをいうなら幼児だな。管理人さんは辛うじて人語を話し、自我もしっかりしている」
「でもあんまりかわいくないねえ。お前が小さい頃はすごくかわいかったのに。人間だと幼子ってかわいくないのかな」
「だが、管理人さんの姉上殿と弟君のところの姫様がたや甥ご殿はかわいいではないか」
「ありゃー。そうだったねえ。弟は賢いねえ」
「兄者、俺の頭を結構な勢いで撫で回すのは、その、」
「いい子だねえ」
誰が赤ちゃんだ!
「ほら、大家さん布団が敷けたよ。子守唄を歌ってあげよう」
「兄者は歌って踊る政府広報の兄者に負けない美声の持ち主だ。快い眠りを約束するぞ」
なんでそんなに私を眠らせようとするの。
「これからおっきい子みんなで、えっちな映画を観るからだよ」
「あ、兄者! 」
「え、違った? 」
おいおい、なんだきみらも隅におけないな! なんやかや言っても女体に興味津々ってか?
「違うだろう兄者! 今日は打刀以上で『美しき諍い女』を観るんだろう。あれは確か文芸映画のはずだ。一期一振がなんだかとても元気なのがいささか気にはなるが、あの映画は桃色映画ではないと聞いているぞ」
あー、あの映画なら確かに女体は出るな。でも大丈夫なのか。あれ確か結構長いぞ。
「そうだ。だから管理人さんは途中で寝てしまうだろうと皆の意見が一致してな」
「そうそう。だから君を寝かしつけてから集合なんだよねえ」
寝かしつけてってあのなあ。
「兄者の歌声ではダメなのか。ダメだとしたら理由を聞かせてはもらえまいか。だが理由如何によっては、俺は君の尻を、この来客用スリッパで叩くがよいか」
いくない。まあね、お髭ちゃんのお歌はいいのよ。政府のお髭ちゃんに勝るとも劣らないよ。そういうことでなくてだな。管理人さんを乳幼児扱いするな。
明日は何も予定がない休日なので、ここでできるところから大掃除にかかろうと思っております。早いだろうとか言うな。年末忙しい仕事してる人間は、今からやってないと間に合わないんだよ。
「髭切殿、膝丸殿、管理人さんはお休みになられましたかな」
まだだよ。
「早くおやすみくだされ」
正直だな!
「私の弟たちは、みんなかわいくていい子ですから、もうぐっすりですぞ」
アッハイ。でもお兄さんは元気ですね。
そうだ、今日の懐当番は愛染君と蛍ちゃんだったな。そろそろ私も寝るとしよう。
明日は台所をどうにかするか。