仕事してきた。
歯医者はとりあえず隣駅の近くの歯医者にしてみたが、いいのか悪いのかは謎。ずっと通ってた歯医者も違う場所だが駅前だったんだけど、駅周辺の再開発計画を立てるとかやらねえとかいう話が出たところで、テナント借りてるビルが立ち退きエリアに入るとかで、ギリッギリのキワッキワで移転してくれとか言われんのがだるかったのか、あと元々商売っ気がない人なのもあって、あっさり商売畳んで田舎に帰っちまい、腕がよかったので歯が悪くなると必ずそこに行っていただけに、こうなるとどこに行けばいいのか選択肢が見えねえ。
治療よりその後にだべってる方が長いという、謎の歯医者だったな。虫歯できたりしてしばらくぶりに行くと、今度はどこが悪くなりましたか、じゃなくて「今なにやってる? 」で、この「やってる」は仕事とかでなく「お前は今なににハマっておるのか」にかかってくる「やってる」なんですよ。おかしい。歯の話をしろ。
治療終わると事務処理するスペースで自作PC見ていくか、とかもあったし、たぶんこの歯医者について知らない人が見たら、藤原竜也ばりの「なんでだよ! 」が出そうな、謎しかない空間だったけど、でも腕はいいんだ。商売っ気ないから飛び込みの患者は断るし、元々通ってる患者の紹介がないと診てもらえない。そして診療代の計算がテケトー。「今日1000円でいいや」「消毒しかしてないからお金いいや」両方ともしょっちゅうこんなこと言われてた。
あと治療中に、歯医者がよく読む漫画が諸星大二郎というので「ああ『妖怪ハンター』とか『暗黒神話』とか」って答えたらえらい勢いで喜ばれた上「なんで知ってるの」と…いや、あの、諸星大二郎は基礎教養だと思うんだが…。
まあそういう歯医者に通ってたもんでね、たぶん普通の歯医者に行ったら、むしろそっちの方の毒気というかアクというか、そういうものがまるっきりない点に驚愕してしまいそうな気がしてる。そっちの方が当たり前なんだと頭で理解してはいても、肩透かしくらったような気がしてしまうんじゃないかと。
これで行ってみたら、医者が「私『黒死館』が大好きで」とか言い出したら、それはそれで驚きそうだけどな。そして「虚無への供物」と「ドグラ・マグラ」のどっちで対抗するか一瞬考えるな。
「変な張り合い方すんな姐御」
「姐さん、それ以上はいけない」
「なんでうちの管理人さんはこう、嗜好が偏っているんだろうな」
「やけんど、乱と京極の少女漫画も和泉守のかまきりりゅうじも全部受け止めちょるのは大したもんじゃあ」
「だが、歯医者は大概、小さな子供向けの絵本はそこそこ置いているが、あとは大したものは置いていないだろう」
「歯医者に限らず、大人向けに週刊誌と、あとはまあ、万人受けするワンピースか名探偵コナンくらいじゃろ」
「いつだったか、管理人さんの通院に随行したことがあるが、あのときは診察待ちの間に出陣部隊へ指示を出しがてら『現代ロシアの軍事戦略』を読んでいた」
「ほにほに。書棚に収まった本は持ち主の頭の中身じゃあ、ゆうが、うちの姐さんの場合は、金と色恋以外大概のもんが収まっちゅうの」
なんか貶されてるような気がしたが、なんだ、また宇宙将棋してるの。好きだよねえ。
とりあえず水曜の午後で予約取ったが、行ってみないことにはどんな歯医者かわからんからな、まあ、ちょっと鼻につくほどのキョロ充みたいな医者じゃなかったら様子見だな。あまりに合わなかったら、歯が治ったところでそれっきりになるかもな。
まず明日あさって仕事して、水曜に行ってみます。午前中に接骨院と呼吸器科、午後で歯医者って医者ばっかりで打線組んじまってますが、仕方ない。
そろそろ寝る支度してしまうか。