残業してきた。明日はいつもより早く出るので、今日は早く寝ないといかん。さもないと俺は死ぬ。おそらく。
「あ、ねえねえ、ゆうべなんか鬼を呼んだんだって? 出てきた? まあ出てきてもすぐわかるから斬っちゃうんだけどねー」
「兄者がそれは楽しみにされている。今夜あたり、来るのだろう? 」
殺る気を隠そうか。てゆうか鬼は別に呼んでないからな。
「えー、だって管理人さん、来年の話してたんでしょ。そんなの鬼が爆笑しながら来るでしょ。そりゃもう大爆笑だよ。立ってられなくて転がって来るかもね」
え、そんな珍妙な登場の仕方する鬼、やだ。
「嫌だと言ってもな。『ちょお前www』くらいに笑い転げながら来るのは確実だろう。兄者もこうおっしゃっている」
なんか大した鬼ではなさそう。そんな笑いの沸点が低い鬼やだなあ。
「じゃあどんな鬼なら受け止められる? 」
そうだな、あれよ。「鬼灯の冷徹」に出てきた、母さんの誕生日に打ち明けるつもりで、コンピューターウイルス作ってばら撒いてた鬼。あれなら私がぶん殴っても勝てそう。
「だがご婦人の腕力では、拳とはいえ限りがあるだろう」
お髭ちゃん、君の弟はいい子だねえ。管理人さんもご婦人の範囲に入れてくれるのかい。
「管理人さんは、鬼を何で殴るのかい? 僕は本体なんだけどね」
それは殴るんじゃなくて、もう斬ってるね。
管理人さんはね、鬼はこれで殴るよ。
「ロボットか」
おいおいお膝ちゃん、これは、ロボットじゃなくてモビルスーツ。キュベレイだぞキュベレイ。
これはダメだってんならこうだ。
「なんだこのひよこは」
「かわいいねえ。ねえ弟、こういうひよこ飼おうか」
「兄者、生き物のお世話はそれは大変なのだぞ」
「ねえ管理人さん、このひよこは大きくなるとどうなるの」
「わあ鳳凰ってかわいいんだねえ」
「ちょっと待て、これで? 鬼を殴るのか? 管理人さん正気か? 」
ダメかえ。
「ダメというか、こんな小さな命に何をさせる気だ! 」
いや、意外とでかいかもよ? 量産型エヴァくらいあるかもよ?
「この見た目でそんなに大きかったら、むしろ怖いだろう! 」
「え、おっきいの? この子? 壮観だね」
ねえ、君のお兄さん、何を聞いても動じないんだが、ここまでくると逆にコワイだな。
「さすがは兄者、常に恬淡として何事にも動じないとは、武門の誉だ」
さあ明日は早いからな、もう寝る支度して明日の仕事の支度もしておかないと。
明日は帰ったら、アマプラで「シビル・ウォー」配信始まったらしいので、ちょっと観てみようかと思うんですよ。タイミング逃して、映画館では観られなかったし。
薬出してフートン敷いて寝ます。さすがに2日続けて残業は疲れるわ。