仕事して接骨院寄ってきた。
明日は休みでなんの予定もなし。やることといったら、多肉をベランダに出して鉢に水やって、掃除機かけて、そんなもんか。
明日は曇りの予報だけど気温は高そうですよ。
「か、管理人さん! みてください! 」
あら、どうしたかな五虎ちゃん。お目々がキラキラだね。何を見つけたのかな。
「みてください、ちいさな命ですよ」
おお! 今年も生まれてくれたか、ヤモリ。
苦手な人も多いけど、五虎ちゃんは平気なのかな?
「小さくて、かわいいです。で、でも、虎君が食べちゃわないように、気をつけないと」
え、虎君? 食べるの?
「みゃう」
首振ってる。さすがに食べないよね。虎君は五虎ちゃんと同じでいい子だもんねえ。
「みゃあ」
うなずいた。賢い子達だな、人間が何言ってるのかちゃんとわかるんだね。
「か、管理人さんは、とかげとかは、お嫌いですか? 」
触れないけど大丈夫。このサイズだったら平気。
「おっきなとかげがいるんですか? 」
いるよ。南の島には3メートル級のとかげがいるよ。
「お、大きいです! 」
あれ、五虎ちゃんは草津の熱帯園は行ったことあったっけ?
「ええと、あの、粟田口は、他の小さい子たちと一緒に、へびとかおっきなとかげとかいるところは、わーって急いで出ちゃいました…」
うーん、そっかあ! かわいいなあ。
「カピバラかわいかったです。いち兄と、鬼丸さんと一緒に、包丁と秋田とぼくで、カピバラにお野菜のごはんをあげました」
そうかあ、楽しかったねえ。
「はい! いまつるくんと一緒にお外で、おさるさんにもごはんをあげました! 」
はーもうかわいいしか言えねえ。天使。控えめにいって天使。
「さすがは五虎、大将が癒されてるぜ」
「なあ薬研、これなんだ」
「何って俺が剥いた林檎だろ」
「どうするとこんなことになるの。てゆうかこれは林檎じゃなくて、可哀想な林檎だろ」
「うさぎに剥いてるんだぞ、ほら見ろここ」
「嘘だろ、これじゃあうさぎだった何かじゃねえか」
「おいおい、ご挨拶だな、俺が剥いた林檎に向かって元うさぎ扱いとは」
うちの薬研は、なんで料理だけは不器用なんだろうな。
さあ明日は休みだからな、今日はこれからパライソでも観ながら呑もう。
「五虎退、歯磨きの時間だよ。さ、管理人さんのお邪魔にならないように、もうお暇しようね」
あ、一期。邪魔じゃない。邪魔どころかもっといてくれても大歓迎。
「今日は鳴狐殿がロマンチック童話集を読み聞かせてくれる日ですので」
それは聴かないと! また明日ね!
それでは私も酒の支度するか。
「おう大将、呑みの締めは俺の剥いた林檎にしようや」
可食部!
よし、洗濯物畳んでフートン出して、酒呑むか。