仕事してきた。今日は定時で帰れたが、出勤が遅いので意味がないのであった。
明日は休みだが、捻挫のおかげでほぼ何もしてないので、そろそろ掃除していかないとダメな。接骨院でまあ何やっても無問題と言われたらやるか。
さっき部屋の床を掃除したんですがね、掃除ワイパー使うと右手の黒龍が「仕事か? 」とばかりに起きようとするのがどうにも。寝てろ。
「大将、そいつぁ黒龍じゃねえ。捻挫で手首の神経痛めてるだけだ」
黒龍。
「目ぇ逸らすな大将」
黒龍だって。
「そういえば大倶利伽羅の旦那の龍は、あいつぁ何色なんだろうな」
真剣必殺のときには青いのが出るでしょ。
「それじゃあやっぱり青いのかな」
本人に訊いてみようや。
「どうやって呼ぶんだ。本丸の館内放送はもうこの時間だとうるさいだろ」
このポティトをだな。
「ポテチをどうする」
袋を振る。
「なあ今ポテチの袋の音しなかったか? それとも俺の幻聴かな」
「しっかりしろ国、俺も聞いた。姐さんの部屋の方からだ、行くぞ! 」
「ああ、腹が減って目が回る」
「本当にきた。大将すげえな」
大倶利伽羅、お前の龍ってやっぱり青いん?
「まあ青いな。極めてから初めて知った」
なんだよ、お前だけでなく龍もシャイなあんちくしょうだったのかよ。
「俺は別にシャイじゃない、慣れ合わないだけだ」
「伽羅は別にシャイなんかじゃないぞ。すごい気さくでいいやつだぞ」
君ら相変わらず仲いいな。
「そういえば姐さん、あんたジーンズ見つかったのか」
「え、管理人さんジーンズどっかでなくしたのか」
いやなくしてない。今履いてるブーツカットが尻のあたり擦れてきたからな、新しいの買おうと思ったらだな、ブーツカットのメンズが、ストレッチ生地とかいうのが出てきてて、検索かけるとそんなんばっかり。アタイな、ジーンズはエドウィンかリーバイスで決め打ちしてるんだよ。だがエドウィンのブーツカット、メンズですらストレッチとかいって、なんで生地がしっかりしてるもんは出てこないんだ。
「もう管理人さん、ブーツカットだけは妥協したらどうだ」
「Leeでいっぱい出てるじゃないか」
「大将いっぺんジーンズ屋に行った方が早いんじゃねえか」
そんな気はうっすらしてる。給料出たらキャリー直しに行くから、そのときにでも見に行こうかしら。日暮里に直営のショップあるし。
さあ明日は休みだ。
とりあえず掃除だな。
ジーンズについては妥協してストレッチをポチるか、ショップに行って現物を見て考えるか、なんとなく考えておくか。
まずフートン敷いて、寝る支度してしまおう。
「そういえば大将、なんでメンズなんだ。ご婦人向けは履かねえのか」
いや、だってレディースは生地がペランペランだし、丈が足りねえから…。
「それ以上はいけねえ」