仕事してきたが、明日は休日出勤なのであった。忍法ニセ休み。
今日はまじで早く寝ないといかん。疲れてるんだからな。
明日は仕事が終わったら、まっすぐ買い物に出るのだよ。
吉祥寺にEDWINの直営店があるというので、行くだけ行ってみる。
「明日のお昼に待ってればいいんだな、わかった」
待つんだ包丁。別におしゃれなホテルバイキングとかは行かないぞ。
「そりゃあホテルバイキングには、普段よりちょっといいもの食べにきた人妻が来てるだろうけど、土曜日のショッピングモールなんて、家族で買い物に出てくる人妻がいるだろ」
そういう人妻は、旦那や子供と一緒だよ。
「ご亭主と語らう人妻、我が子を慈しむ人妻、人妻の魅力は別に俺をかわいがってくれるばっかりじゃない。自然な、あるがままの人妻がすでに最高なんだ」
なんてまっすぐな瞳だ。
とりあえず明日は、もうジーンズ1本買って、あとは時間に余裕があったらホムセン行って、もっと余裕があったらひとっ風呂浴びて帰ってくるか、程度のぼやぼやの予定。
またしても給料が瞬時に蒸発していくわけですが、仕方ない。今履いてるジーンズ1本になっちまったし、洗って替えられるようにもう1本ないといかん。
「聞いたよ! 明日は服を買いに行くそうじゃないか、水臭いな、どうして僕に声をかけてくれなかったんだい? 」
え、いや、だってジーンズ買うだけで、別におしゃれ服じゃないし。
「よっしゃ大将、俺も行くぜ。乱と加州の旦那も行くって話じゃねえか、大将との付き合いは乱より長いんだ、見立ては俺の方が正確だと思うぜ」
で、なんでお国ちゃんとか鳴ちゃんとかいるんすか。
「正直よくわからない。俺は服装より筋肉に詳しいんだがな」
「薬研に呼ばれた」
「薬研殿が、鳴狐も是非一緒にと声をかけてくださいました! 同じ粟田口のよしみということで、鳴狐も外出を楽しみにしておりまする! 」
狐氏は外歩いてる間、黙っていい子にしていられるのかな。
「もちろんにございまする! わたくし、こう見えてお人形のモノマネが得意にございますぞ! こうして澄ましてじっとしていれば、これこの通り、カワイイ狐ちゃん「のお人形にございまするぞ! 」
「見て、かわいい」
アッハイ。
「俺と鶴丸はただの賑やかしだ。ひな壇芸人とかガヤみたいなものだな」
そんな立ち位置でホイホイ来るなよ。
まあ、とにかく明日は買い物行くからな、仕事に間に合うようにとっとと支度して寝てしまわないとな。
休日出勤だからな、油断して寝ちまわないように気をつけよう。