仕事して接骨院寄ってきた。帰って夕飯済ませて、マミーが外出を渋るので「早くいかないと正倉院展終わるアル」と言ったら、流れでそのままチケット取ったのであった。
今月末には行かないと会期終わるからな、行くぞ。

「正倉院か。思い出すなあ蘭奢待。あのときの信長、遠慮とか一切なかったもんな」
「その話は何回聞いても肝が冷えるぜよ」
なんかもう、くれるって言ってんだからいいだろ、みたいなノリと勢い感じるよな。
「ほんとそんな感じだった。冷蔵庫でも買うかのようにバサッといったもんな」
そんなにウキウキだったんか。電気屋で白物家電を選んだ瞬間の奥様のようなウキウキじゃねえか。
「本屋で大量に本買う姐さんくらいノリと勢いでいってたな」
「こらめった、えらいノリノリゆうことじゃの」
「姐さん本屋に行くとテカテカになるもんな」
なってねえよ。
「なっちゅうよ」
え、うそ。ほんとに? まじか。
「先生と歌仙もテカテカになるから、そんなに気にすることもないと思うぜよ」
あー。歌仙さんは古典文学の棚に行くとオーラがすごいよな。あと先生は、工学の棚のところに連れて行くと、こう、ざわ…ざわ…ってならないか。私の気のせいか。
「先生は久しぶりのビールのうまさに泣いたりはせん。うちんくの先生は下戸じゃ」
うん。どっちかっていうと、久しぶりの化学実験にデュフフ笑いが止まらない感じだよね。
「肥前が後ろで泣いてそうだな。程々のところで止めてやらないと」
「任いちょけ」
そうだな、殴るならまきざっぽにしときなさいよ。手入れ部屋すぐ開けてやるから。
オチがついたところで正倉院だ。何が来るのか、フライヤーには琵琶の写真とか出てますが、正直展示物についてはよくわからない。蘭奢待も来るの? きたらオダノブがバッサーいった部分をしげしげと見てくるつもり。たぶん織田にいた誰かが解説してくれるはず。
薬研とか鶴丸だと身もふたもない感じになりそうだから、連れて行くならやっぱり、真面目なゆきちゃんかな。頼りになるし。

「そんな俺から推薦だ。実休さんも真面目で頼れるぜ」
「なんだかよくわからないけど、薬研君が推薦してくれるって言うから来たよ」
実休さん、よくわからないのについてきちゃいけませんよ。ちゃんと内容を把握して吟味しましょう。
さあ明日の仕事はまたちっとばかり早い出勤だ。
今日はもう、明日の薬の支度して寝てしまおう。きのうマミーを美容院に連れて行って、帰ったら慧那叔母様(叔母仮名)に「顔が疲れてる」なんて言われたもんな。美容院行っただけなのに。美容院で看板犬と戯れてただけなのに。今回は抱っこしてめっさ触れ合っていたのに。
明日早いので、その分早く寝ます。