読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

雑種犬肉球日記

雑種犬が書いたブログ。

「美しいものを嫌いな人がいて?」と彼女は訊いた

と、いかにもファーストガンダムの話が始まりそうなタイトルですが、美しいものについて書こうと思います。ガンダムの話にしちゃうと、動画サイトに一日中繋いで、第1話から延々と視聴を続けながら熱く熱く熱く感想を述べ続けるだけの、鬱陶しい感じのめんどくさい奴になっちゃうので。

 

ときどき、好きな画家や工芸作家の特別展が開催されると、美術館へ行くことがあります。

アール・ヌーヴォーが好きで、ミュシャの展覧会には二回行きました。

上野でアール・ヌーヴォー展やったときには、ポスター写真に使用されたラリックの胸飾りの前にできた人だかりに辟易しながら、そこを通り抜けた先の展示を舐めるように観たり、庭園美術館では、かつての宮様のお屋敷をそのまま美術館として使用している豪快な贅沢さと、内装外装の美しさに感じ入ったものです。

今でも後悔しているのは、新宿で観たブリューゲル

高校生の頃に教科書で見て以来、憧れ続けた「ネーデルランドの諺」が来るというので、一も二もなく行きましたが、虫眼鏡持って行けばよかった…。あとマミーに金借りてでもカタログ買っておけばよかった…。

昔の西洋の画家の中では特にブリューゲルが好きで、去年たまたま旅先の京都で、呑み仲間の兄貴分と美術展に行って、葉書何枚分くらいの小さな作品なのに、余りにあっけらかんとして朗らかな、その癖強烈な毒気にやられて、他にも色々観てるのに、もうブリューゲルの小品一枚しか憶えてないくらいです。

中でも忘れられないのが、渋谷のBunkamuraミュージアムで観たモロー展。

「誕生」の水彩バージョンがすきで、「誕生」が来るらしいと聞いて行ったのですが、いざ展示を観れば、来ていたのは油彩バージョンの方でした。

ちょっとがっかりしたものの、でもすぐに、これはこれでイイじゃないか、と速過ぎるだろと自分で突っ込みたくなるくらいの切り替えの速さで頷き、どうせなら水彩との違いを楽しんでいこう、と、天井にまで届こうかという大きなキャンバスに描かれたサロメとヨカナーンの首級を凝視していたとお思いください。

絵の真正面に立って観始めたとき、「誕生」をこんなにじっと観ているのは、私独りでした。

展覧会のポスターには違う絵が使用されていて、大作ではあるけれど、おそらくは知ってる人は知ってる、くらいの作品だろうと思います。

心ゆくまで絵を堪能して、さあ次の作品を観ようと振り返ると、後ろで5人6人程が立ちどまり、じっと「誕生」を眺めていました。

 

いやあ、驚きましたね。

きっと、流行だとかブームだとかって、こんな風にして生まれるのかなと思います。

 

また何かいい展覧会が来たら、観に行きたいですね。