仕事してきた。帰ると夕飯はお前どうするのか、と訊かれまして、まあここしばらく胃弱なもんで、それで確認されたわけですが、今日はやっぱり軽いものがいいのでパスタにしましたわ。ワンパンで作る納豆パスタ。ネギの代わりに冷蔵庫に残っていた岩下の新生姜刻んでしこたま入れたった。
土曜は休みだったんですがね。交通事故の被害に遭って入院した人が出て、手が足りないというので半日、午前中だけ出ることになりましたわ。午後に買い物して帰るか。
明日給料日なので、必要なものを早いうちに買っておきたいんですわ。
そうだった、それでいうならこの前ジーンズがケツ破れになったので買わないといかんのだった。
「わあ、お買い物? ねえねえボクも一緒に行きたいな! 」
「管理人さん服買いに行くの? え、ほんとに? 俺も行かないとダメでしょ! 任せて、ちゃんといい感じにデコってあげるから! 」
え、待ってかわいい。
カワイイとカワイイがタッグ組んできた。
「よっしゃ任せろ! 管理人さんの自慢の貞ちゃんがしっかりカックイイ感じにしてやるぜ! 」
「鶴さんのセンスを信じろ、悪いようにはしないから」
すげえや、一振りおかしなのがいるがおおむね安心と信頼の実績で盤石の布陣だ。
だがジーンズ1本買いに行くだけだからな、そこまでのことではないんだった。
「もったいない、もうちょっと服買おうぜ。なあ鶴さん」
「そうだぜ、ファッションにももっと驚きの出会いを求めようぜ」
いやお金ないから。
「ねえねえ、どんなジーンズ買うの? 」
「どうせならブランドものにする? あ、レディースだとストレッチが効いて履きやすくてきれいなシルエットになるのがあるよね。ああいうのもいいと俺思うよ」
いや、そういうのは買わない。買うのはメンズでブーツカット。
「メンズって君、ブレないな。昔からメンズばっかり買ってるもんな」
「管理人さん、レディースはダメなのか? 」
貞ちゃんや、レディースは丈が短いからな、切らずにはいても丈がギリギリピッタリすぎてしっくりこないんですわ。メンズはやっぱり切らないけど、それでもいい具合に余裕がある丈ではけるから好きなの。
あと何より、レディースはポケットが小さいの。いやあれもうポケットじゃないな。なんかの飾り。御婦人向けはポケットないから不便。あれはどういう発想でポケットつくらないんだろう。ご婦人はハンドバッグ持ってるからいらないでしょ、とか思ってるのか? むしろご婦人の方がポケット必要としてるからな。ハンケチとかさあ、いちいちバッグから出してとかより、ポケットからサッと出して使う方が早いでしょうが。
「ポケット必要だよね。梅干しとか持たないと! 」
いやあの、待って。
「僕は飴ちゃんの代わりに、梅干し持って歩いてるよ! 熱中症対策! 」
うん、それはいい習慣。日向君はみんなのために熱中症対策をしてるんだね、いい子だなあ。
「姐さん、どうかしてることを全部かわいさで押し通されて流したな」
いいだろ、細かいこと言うなよ鶴丸。
とりあえず明日の仕事終わったら銀行行って、土曜は仕事終わったらそのまま買い物に出てEDWINの直営店行って、ブーツカット探して買ってくるか。
明日の支度しておかなくては。