雑種犬肉球日記

雑種犬が書いたブログ。

多少なりともモノ書きには手本とも越えるべき壁ともいえるのでは

ゆうべは「ユーリ!on ICE」まつりでしたが、体力が尽きたら寝ようと思っていたら、がっつり一周してしまいました。第一滑走から最終滑走まで、トイレ以外は休みなし。怖ろしい。やっぱり最終滑走・グランプリファイナルのフリースタイルで号泣ですよ。そして表彰式直後のヴィクトルとのやりとりでほっとしてまた号泣。あれは至高のハッピーエンドですよ。ハッピーエンドで終わる恋愛モノは、もうこのアニメ一本で充分に満足。好きなもんしか出てこない最高級のディナーみたいな贅沢さと「私のために作ってくれた」感がてんこ盛りで、もうないと生きていけない。

 

思うに、恋愛ものをやろうと思うと、大概はこれでもかとばかりに障害となるキャラクターや事件を配置してしまいますが、個人的には、そういうのがすごく苦手でして、何だかうんざりするんですよ。もし自分で恋愛ものを作るなら、主人公とパートナーとの関係がどう変わっていくのかを、丹念に書き込む方がいいですね。しんどいけど。

ユリオの場合は、自分のスケートをよりよくするためにヴィクトルを連れて帰ろうとするだけで、目的が果たされれば、ヴィクトル個人については割と淡白なんじゃないかと。ユーリとの勝負で負けてあっさり帰ったのも、負けたからというよりは、約束通りプログラムくれたし、よそで修行して違う強みを見つける方が自分にはプラスになるんだろうって悟ったからなんだろうなと。もう内心「ジジイはカツ丼に熨斗つけてくれてやるよ」みたいになってるのでは。

まあ、お邪魔虫的に見えるユリオだけど、実はまるで違う目的で生み出されたキャラクターなんだろうなと思います。こう、ユーリとは鏡合わせな部分と、共感できる部分とがミックスされて、刺激し合いながらも勝負のしかたは違う、戦友のような。

で、ユーリとヴィクトルの場合は、一方的なそれを含めて二人の出逢いから、一緒に生活して、日常で少しずつ距離が縮まって、というのを、本当に手間を惜しまず丁寧にやっていて、なればこその終盤のあの切なさと、最終滑走エンディングの感動と幸福につながるんですよ。ああもうあのエキジビジョン、白タキシードとかでやったら挙式感とめどもないよね。(黙れ)

 

波瀾に富んだ展開じゃなくても、主人公たちの心をきちんと描いていれば、些細なように見える出来事でも、物語を豊かにできるんですね。そういう点でこのアニメは、見事なお手本になる名作だと思います。多少なり物を書く人間には、よいお手本とも、越えるべき壁ともいえるのでは。いや、これを越えるの無理だろうけど、志として。

 

さあ、2期では「サンクトでヴィクトルの家に居候をコーチ権限で厳命されるユーリ」が観られると妄s…願いながらもう一度、第一滑走から観よう。