雑種犬肉球日記

雑種犬が書いたブログ。

「ユーリ!on ICE」という驚異について少しだけ語ろう

今日は1日休みにして、昼頃接骨院に行った他は、ほぼダラダラしてました。

無自覚なだけで体ボッコボコにガタがきていたようです。

あんまり急激にほぐそうとしても、逆に体壊すので、徐々に柔らかくしていくことにします。

 

夕方から「ユーリ!on ICE」また観ていたのですが、観るほどにおっそろしく丹念に作られたアニメだなと、多少なりこうして物を書く三文文士の端くれとしては怖ろしくなりますよ。

ちょっとだけ、解析…というほどたいしたものではないけど、気がついたことを挙げていきます。

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まず、1話毎に何をやりたいのかが明確で、それに専念し、あれこれ詰め込んでいない。

第一滑走を例に挙げると、勇利と周囲の人たちとの関わり方を通して、まず勇利がどんな男の子なのかをしっかり見せて、ミナコ先生や西郡家族との会話の中から、子供の頃からずっとヴィクトルに憧れていたという「一方的な出逢い」の強さを描くことで、第一滑走ラストシーンの唐突な対面の衝撃につなげる。この、1話ぶんをほぼ使って勇利についてだけ語るが故に、実際に対面する頃には、もう観ている私たちもまた、ヴィクトルに憧れる勇利に共感し、一緒に驚くことができるようになっているわけです。そして第二滑走では「もう一人のユーリ」、ユリオが登場。何から何まで勇利とは真逆の、でも芯の部分ではこんなにそっくりな子は他にいるまいというキャラクターを通して、更に勇利について深く描かれていきます。

第三滑走では勇利の中に、初めて誰かを引き留めたいという強い感情が生まれる瞬間を、第四滑走では、自分のダメなところをちゃんと認めて、人と向き合うことができるようになる過程を、という具合に、1話毎に核となるポイントを定めて、本当に丁寧に、急ぐことなくじっくりと描いています。

また、登場人物それぞれが、嫌味のない愛すべきキャラクターばかりなのも大きい。だって、あんなにべたべたイチャイチャしているのに、ヴィクトルと勇利だと何だか微笑ましくて「もっとやれ」しか思うことないですし。変ないやらしさがないんですよ。ヴィクトルはスケートについてはそりゃもうプロフェッショナルなんだけど、そこを離れると天真爛漫な子供みたいだし、勇利も長年のファンなだけあって、ヴィクトルをまっすぐ慕ってるのがけなげだし。ユリオだって、ただ反抗期だからというわけじゃなく、たまたま持って生まれた才能で、子供の頃から見守ってくれたじいちゃんに孝行したいという強い動機と、だからこそ負けない、弱いところは見せられないという覚悟がある。

これだけでも凄い物語なんだけど、このアニメを更に凄まじいまでの大傑作にしているのは、細部へのこだわりですね。試合で各キャラクターが着る衣装は、キャラデザイナーさんではなく、実際にフィギュアスケートの衣装を専門に作っている工房のデザイナーさんにお願いし、振り付けはやっぱりフィギュアスケートの振り付けをされている方が手がけられ、というこだわりようで「なんかこんな感じだよねー」という、イメージのみではなく、その道の専門家にしっかりアドバイスを受けて、確かな経験や知識に裏打ちされたものになっているのですね。本気で作っている感が途方もなく濃いんです。

 

そのうち、私なりの各話毎の考察もやってみたいけど、結構ガチガチに真面目な考察になりそうな気もして、ヴィク勇の尊さにはあんまり触れない感じになるかもだけど、そんなもんに需要あるのだろうか。いや、尊いのよ? そこは譲らないけどさ。

どうなんだろ。もう何億人ものファンがそういう試みをされて、すでに10の16乗回煎じなんだろうけど。

とりあえず、今回のブログの閲覧数がいつもより多いようなら、それなりに需要が見込めると判断しよう。