仕事してきた。明日あさっては休みなので、ゆっくりすると思うじゃろ。
明日は冷蔵庫を掃除するのでな。それなりに早く起きないとまずいんだぜ。
それでも酒呑みたい。浴びるほど呑みたいがそれやると起きられないのでそこそこにしておこう。
「そこそこだってよ、どうせ姐さんのことだ、大した量じゃねえだろ。せいぜい350缶で1本2本とか、そんなもんだろ、なあ」
「姐さんはヒトの身だからそれで普通だろ。お前じゃないんだぞヒゲダルマ」
「おいおい、俺そんなダルマとか言われるほどヒゲねえぞ」
どうしたヒゲダルマ。しのごの言わずにおヒゲなさいよ。よその本丸にいるお前の同輩は、大人の男の貫禄があると言うのに。
「俺だってありますぅ」
嘘を言うな。この前みんなで出かけたときに、お前エレベーター一緒に乗ったろ。あのとき大人の男の色気の香りじゃなくて、酒クズおじさんの匂いしかしなかったぞ。むしろ蜻蛉ちゃんとか千鳥君はいい香りだったぞ。爽やかなイケメンの奥ゆかしき香りぞ。
「え、俺いつもお出かけにはシャネルのエゴイストを」
ねえ杵君、おっさん殴っていい?
「うーん、いいけど後が面倒なんだよなあ。いじけるし」
そうか。じゃあやめとこう。ほんとお前、よその同輩の皆さんに謝りに行かないと。菓子折り持って詫びに行かないとまずいレベルぞ。切腹最中買ってこようか。
「あれうまいんだよなあ」
これ、杵君ヨダレは拭きなさい。まあ確かにうまいけど。また食べたいな。
「姐さん明日買いに行こう」
明日はダメよ。冷蔵庫の掃除があるでしょうに。
「そうだった。本丸も同時にやるからなあ。ご実家は姐さんが、本丸は俺らが片付けないとだからなあ」
「お酒は正三位が責任持ってどうにかする」
「しなくていい」
明日の冷蔵庫掃除は、おそらくこういう感じで進めることになるでしょうね。
いいなあ、ダメなどんど焼き。こういう場にいっぺんでいいから立ち会ってみたい。
「姐さん、これをやるのは負けが極まってもうお手上げの状態だから、これをやるのは死亡確定だぞ」
うん。だから自分でやる側じゃなくて目撃者とか傍観者で立ち会いたい。
「まあわからなくもないけど」
「俺はこれを見ながら一杯やりてえ」
明日は午前中に冷蔵庫掃除を終わらせたい。ので、早く起きて早くかからないとな。
今日はそこそこで寝るか。