首痛いのに「空海伝」観てきました。
いや、マミーが観たい言っていて、また人の金で焼肉を食う的なアレです。
夢枕獏原作のあの大長編を、100分程の中編映画の尺にどう収めるのがが気になってましたが、…ああ、なるほど…。
マミーは、もっと空海が活躍したり修行したりするのかと思っていたようですが、
実際こうでしたからね。
映像はよかったですよ。おそらく全編中国ロケであろうと思われるセット、ゴージャスフルバリバリなCG、控えめな使用ながらしっかり入るワイヤーアクション。
しかし、白楽天が李白超えるってのは無理があるよ。「瞳をめぐらせれば媚百態を生じ」なんて書いちゃう美女音痴だよ。楊貴妃はこの一節で激怒していいと思うよ。
真の美人というのは、たとえ日本一のメンチ切っていても、見た者が「怖い」より「きれい」と何より先に感じてしまうレベルだから、媚なんか売らなくても勝手に崇拝者が寄ってくるもんなんですよ。
その昔の皇帝ってのは、国じゅうから美女がかき集められたお妃がワッサワサいたわけですよ。で、そういう女性たちはほとんどが、実家や故郷の地域の運命背負っているので、何とかして皇帝の気を引こうと、あの手この手でアピールする。でも、そういうおんなのこは腐るほどいるし毎日見てるから、皇帝からすれば、媚びるおんなはもう腹一杯なんです。で。結果どうなるのか。
「俺を見ても鼻も引っ掛けないおんなのこ」こそがストライクになるんです。
その典型が、周王朝滅亡のきっかけになった幽王。
褒姒とのエピソードについてググっていただければ、その辺ご理解いただけるかと思います。
まあ、おとこはみんな無い物ねだりをするのですよ。
しかし、真物の美女は媚びる必要すらないということで、それが解らなかった白楽天は、果たして鈍感なだけだったのか、そういう面では波風のない幸せな生活してたということなのか。
李白はさあ、あの人、酒さえ呑めればあとは靴の裏よりどうでもいい、仙人よろしくな人だったからね。たぶん「絶対超える」なんてギトギトしてると決して超えられない、そういう類の壁。
そうですね、映画としては、話のタネに観とこうか、くらいのスタンスでちょうどいいと思います。あと、おどろおどろしい感じのはずのおキャット様が、かわいい顔つきの子をキャスティングしているせいか、もう出てきてもファンシーな感じになってほっこりしてしまいましたので、おキャット様の好きな方はぜひ、スクリーンで隠れた愛らしさを発掘してみてください。
よっしゃ明日から5連勤だ。死なない程度に気張っていくか。