雑種犬肉球日記

雑種犬が書いたブログ。

愛は世界を滅ぼすのか変革させるのかは受け取る側の見方で変わる

台風が過ぎたらめっさ暑くなりました。

今頃夏みたいになられても。

いきなり蒸し暑くなったもんだから、羽アリの巣別れが始まったようです。

羽アリってオスとメスの数の比率がえげつないと思う。

女王アリ1匹にどこまでオスがたかるんだよ。えげつないわー。

姉が帰ったのでうちの中はかなり静かになりましたが、明日明後日は仕事だ。

 

んで、羽アリを見ていたら「荒川アンダーザブリッジ」のエステティシャン・ジャクリーン思い出しました。インコのビリーと不倫してる女王蜂。

 

しばらく寝かせていたのにいきなり読み進んだ「アイオーン」ですが、最後のエピソードはもう切ないものでした。

感情を持たない子供が、自分のそれに気がついた瞬間にすべてと別れるさだめだなんて、それも運命に気づいたそのときに、晴れやかささえ漂わせて受け入れてしまうなんて。またこの別れが、旅の空に生きて数々の別れを繰り返した主人公の生涯で、最後の別れになるなんて。

明るいカタストロフっていうと、旧約エヴァサードインパクト大原まり子先生の「ハイブリッド・チャイルド」を思い出すなあ。

サードインパクトは「甘き死よ、来たれ」が流れる中、ヒトがみんな綾波によって心のスイートスポット、いちばん脆弱なところを突かれて生命のスープに還元されていくアレ。あれはホント、虚無的な明るさが漂ってましたが、それゆえに心底怖ろしかったですよ。

大原先生の連作集「ハイブリッド・チャイルド」はというと、軍を脱走した自律型の生体兵器の旅の道行の物語なのですが、最後のエピソードで、それまで変幻自在であり、ずっと成長することのなかったた主人公が、恋に落ちることで成長し、このエピソードの冒頭から主人公を追っていた、対となる存在と避けられぬ出逢いを果たすことによってすべてが終わります。

初めての対面で不吉な予感に襲われて、出逢わないように逃げて逃げて逃げ続けた主人公は、ついに再会したその瞬間、自分の文字通りの変貌を体験し、その決定的な出逢いによって宇宙が終わるのです。

恋によって成長して、愛によって世界が滅びるという、この皮肉な幕切れは、それでもなぜか明るさで満ちていて、初めて読んだときに思いました。

破滅というのは、こんな明るさとどこか救いすら感じさせる顔をしているのだろう、と。

 

ああ、久々に旧約エヴァ劇場版観たくなってきた。今観るとどう変わるのか。

あそこまで徹底的に終わってしまうと、もう何も生まれようがないよね。

で、元々が「世界の終わりに立ち会いたい」人間としては、あの終わりの瞬間にも立ち会ってみたいとは思うけど、完全な袋小路であろうこともよく解ってしまうわけで。

少なくとも、旧約エヴァの終幕のあとは、もう旧い世界を弔う墓掘り人足すら必要としないし存在もできなさそう。そういうのは全部、ラストシーンでシンジがアスカの首を絞めるあれで息の根をとめられてる。きっと。それが懐古であれ感傷であれ、もう世界と一緒に滅びてしまった。だからあの2人は、あのラストシーンのあとにすぐ死んでしまいそうな感じしかないのでは。

 

とりあえず、私の世界はまだしばらく終わりそうにもないので仕事してきます。