出勤したら気絶するほど暇だったでござる。
案の定早上がり。帰って昼食ったら、いきなりねむみに襲われ「孤独のグルメ」観ながら気がつけば小一時間寝ておりました。
夕飯と明日の支度済ませて、気がつけばもう10時半。
いかんまだねむみが抜けてない。
さっき新顔じじいが杵君に何やら耳打ちしながらこちらを窺っていまして、え、何どうしたの。何かあったの。早速管理人さんにご不満?
「いや、夕方姐さんすげえ寝てたから、あのじーさん『人間はみんなこんなに寝るもんなのか』って」
それは人によるんじゃないの? 健康な人間とか若者とかはそんなに寝なくても平気だろうけど。
「姐御は健康でも若者でもねえもんな」
何ですってクシャーッ! いくら近侍補佐のたぬき君でもそういう発言は許す。
「うわ。瞬時の掌返し」
「許さんとは言わんのが姐さんじゃ」
「あっはっは。たとえ管理人さんが敵に捕らえられ替え玉を送り込まれても、日頃の発言の数々ですぐに見分けがつくな」
「ああ、管理人さん、そんなことになって万一自決される際には、ぜひ黒田から厚か小夜をご指名ください。万全の態勢で務めさせていただきます。薬研と不動は勘弁してやってください。あいつらは先の主人の最期に絡んで色々ありましたので」
みんな言いたい放題だな。特に大番頭・長谷部は君、何かストレスでも溜まってる? 発言が物騒だぞ。
「管理人さん、気にすることなかね。長谷部は年末年始に出費が続いたけん、事務処理がいつもよりちっとばかり多かこつがしんどかね。こん仕事が終わったらお休みでもやれば機嫌も直るばい」
「博多、お前はいい加減管理人さんのお膝から降りんね。お邪魔じゃろ。こっち来て手伝わんか」
あ、長谷部ちょっとだけお国言葉が出てる。結構仕事に気ィ取られてるな。
「いやばい。今日は俺が懐お当番やけん、仕事ならここで手伝うばい。管理人さん、そいでんよか? 」
いいよ! 博多ちゃんはかわいいだけでなく働き者だねえ! でも今日はそろそろ寝ようか! 明日手伝ってくれるかな? 今日は私が手伝おう。
「いえ、管理人さんのお手を煩わせるまでもありません。事務仕事は俺にお任せあれ。━━失礼、さすがに煮詰まっているようなので気分転換します」
アイエエエエエエエ! いきなり長谷部がヨガのポーズを! 何、うちって今もしかしてヨガ流行ってる?
「…失礼しました。いえ、座り仕事で体がこわばったときによく効くからと、光忠に教えられまして。実際にやってみると、体がほぐれて作業の効率も上がりましたもので」
あ…あーなーるへそ…。
「おう戻ったぜ。ヨガもいいが、大将、そういえば昔太極拳やってたって言ってたよな。あれも体の内側から整えていくからな、長期的にやればちゃんと効くぞ」
いきなり食い込んだな薬研。
オッおう。そうか、太極拳ねえ。そのうちまたやりたいなとは思ってるけど。昔教室でもらった套路表とかは捨てずに取ってある。
仕事の日は、まあそっちが主体になっちゃうから難しいけど、まず休みの日に体をもっと動くようにほぐしていって、それからかな。あれはガチガチに固まってるとやりにくいのよ。少しほぐしてから行こう。
「そうか。じゃあ大将、これからは休みの朝にはチビたちの誰かが起こしに行くからな、邪険にしないでやってくれよ。この前の休みからこっち、大将と朝の体操ができるってんで弟たちがはしゃいでるんだ」
アッハイ…がんばる…。で、薬研は参加するの?
「いや、俺はあんな時間じゃまだ前の晩の酒が残ってるからな。遠慮しとくぜ」
医者の不養生!(うわあという露骨な表情)
明日仕事に出ると、今度はまた2連休なんですよ。
今日は寝ます。明日は忙し…くはならないか? どうだろう。
時季的にそう忙しくはならないから、とりあえず弁当は持つけど、たぶんまた帰ってから食うオチなんだろうな。という覚悟だけはしておく。
ところで新顔じーさん、ちゃんと三日月じーさんに挨拶した?
「いや、僕も本丸の中を案内されたり、生活の規則について説明を受けたりしていたものでな、生憎まだだ」
うわ、早く行っておけよ。悪いこと言わんから。
ベストは出町ふたばの豆餅(男士の人数分+管理人さんの分)と太極殿のカステラ20本もあれば大丈夫。三日月が「新人からの差し入れだ」ってことで、夕飯あとにでも全員に配るから、あいつの面子も立つし、おまいも手土産持って挨拶に来たってんで印象はよくなる。行っておけ。な。
ちょっと気をつけてれば仲よくやっていけるんだ、些細な努力で何が買えるか、よく考えておくのだぞ(生々しき助言)
では、明日は新人さんいらっしゃい的呑み会だ。薬研、ヘパリーゼとウコンの力をいつもより多めに用意しておいてくれ。
明日は天気よくなってますように。