仕事してきました。明日は休み。
さて、やっと生活と収入がどうにか落ち着きそうなので、またアレだ、年内にやっておかないといかんことをリストアップしておかねば。
まずねえ、貯金でしょ。あとフライターグのショップにナイトクラブ持って行ってメンテ頼んで、あとは何だ。押し入れ片付けて、エヤコンの室外機にカバーがわりの棚作って、今思いつくのはそんなもんだな。
棚は早いところ作らねば。
「…いきなり難しい形のものを作るのはやめた方がいいと、俺は思う…」
うん、わかってる…。わかってるから…。それで天下五剣が誇る、下宿屋本丸のDIYの匠は、どんなのがおすすめ?
「そうだな、外気を取り込む部分を、こうやって空気は通しても雨やホコリが入りにくいようにして、脇はもっと素通しにしてもいい…」
こんな風にして、上にもうちょっと支柱伸ばして、2段くらいの棚にしてもいいね。
「だが無理は禁物だ、管理人さん…」
「大典太さんは、初めてのDIYで難易度の高いものを作ろうとすると、難しくて嫌になってしまうから、簡単な構造にして慣れてから改良していけばよいとおっしゃっています! 」
「前田…いつもすまない…」
「どうぞお気になさらず。大典太さんがシャイだけどステキな刀なのは、この本丸のみんなはよくわかっておりますよ」
「俺は、喋るのが、苦手だから…でも、もっとがんばる…」
大丈夫! 大丈夫だから無理すんな大典太! 君が裏庭に作ってくれたアスレチックジム、子供達ノリノリで遊んでるから! みんな大典太大好きって言ってるから! な!
「大典太は偉いよなあ。見た目だけ職人なのに、酒呑んでゴロゴロしてるだけの奴もいるもんな。なあ日本号」
「えーやだ杵ちゃん、オジさんのことそんな風に思ってたの? ショックう」
杵君のいう通りだろ。同じ酒呑んでたって、次郎ちゃんは結構まめに本丸の公共スペースの掃除手伝ってくれてるし、むっちゃんはちゃんと初期刀として本丸運営手伝ってくれてるし、大般若も短刀のお守りしてくれるし、何やかや働いてるぞ。
「嘘、わたしの仕事、少なすぎ…? 」
ちょっと前のネット広告みたいなキャッチコピーやめれ。
しかし日本号に何を頼むか。うーん、なんかいい仕事ある?
「この前、日本号が昼に焼きそば作って後藤と厚と小夜に食わせてたけど、見た目が完全に、土曜のパパ飯だったよな」
わかるう。杵君すごい絶妙なたとえ。ナイス。
「あ、じゃあ風呂掃除とかどうです? 責任者日本号さんで、あとは日替わりでも週替わりでも、助っ人が何振か来る感じで」
「日本号は、任された仕事はきちんとする槍だ。兄弟の案に乗るのもいいと俺は思う」
「待てよ鯰尾骨喰、オジさんプレッシャーに弱いんだって。そんなでっかい期待寄せないでお願い」
それいいな。脇差ブラザーズよ、そのアイディア採用。
ということで、正三位は明日から風呂番総括な。
「やーめーろーやー」
まあそう言うなって。博多に交渉して、焼酎一升余計に買えるぐらいは給料増額してもらおうな。
「現物支給がいい。樽で。正三位、樽酒現物支給じゃないとやらないもん⭐︎」
何かわい子ぶっとるんじゃ。おっさん。そこは自分でがんばって交渉なさいよ。まあ、博多も「おいしゃんはいっつも酒臭かけん、肝臓がフォアグラみたいになってるかもしれんばい」ってお前の体を気にしてたしさ、毎日目に見えやすいところで仕事してれば、大番頭だってそううるさいことは言わないだろうと思うよ。
「博多が」
博多が。
「俺の肝臓を」
お前の肝臓を。
「そんならやる」
そうか。じゃあ、手伝いの助っ人をどんな風にするか、周知徹底しておかないとだからね、来週から開始でよいか。あ、うん、じゃあ来週月曜からな。よろしくな(フジリュー版太公望ばりのゲスい笑み)
掲示板に貼り紙しておかなくては。
博多は確かに日本号の健康を気にしてはいたけど「おいしゃんの肝臓はいくらで売れるじゃろか」って訊かれたのは秘密にしておこう。
博多、人胆も天霊蓋も、明治からこっちもう売れないし買う人間もいないんだ。一攫千金の夢を壊してごめんな。
「商いに逆境はお約束。心配なかろうもん! それなら今、合法的に売れるもんば売ればよか! 」
やだ、たくましい…たくましかわいい…。