休みの一日を読書にぶち込んでおりましたが悔いなし。
「遠巷説百物語」は、やっぱりよかった。11年経ってまた又さんに会えるとは思ってなかった。ありがとうございます京極先生(むせび泣く)
思えば、今は亡き親友が病気入院したときに、差し入れのリクエストを訊いたら「続巷説百物語が読みたい」と言われたっけ。当時出たばかりのハードカバー持って、見舞いに行ったさ。「食べ物はいらない、続巷説百物語をくれ」と…。
あれから何年。今、私はイロイロあったりなかったりして生きております。
今朝は起きたら新聞の一面に、でかでかと推しの死去を報じる見出しが。
高校生の頃、毎週必ず「鬼平犯科帳」と「必殺仕事人」は観ていた私、ショック。
今はもう、えねっちけくらいでしか時代劇なんてやってくれないものねえ。もっとやっていいと思うんですが。
「ちょっと待て」
「どういうことだ」
え、何が。てゆうかはいパン屑をこぼさない! 座って食べなさい、歩き回らない!
「あんた、中村吉右衛門推しだったら、近侍は山鳥毛にでも頼む方がいいんじゃないのか」
「何でうちで一番空気のゆるい御手杵が近侍なんだ、正反対だろう」
おいおい、オフタリサンよく見てみろって。
山鳥毛さんのおフェイスはなあ、中村吉右衛門さんというよりは、デビュー当時の、若様って呼ばれてた頃の山城新伍だろう。タイプがな、違うの。
「じゃあ日本号…は、また違うのか」
「いうたらあいつはおっさんなだけで、粋とか品とか無縁だもんな。よその日本号ならともかく」
「うちのはサボさんばりに日曜の父ちゃんだもんな」
「朝っぱらから寝っ転がって新聞読んで、孫の手でテレビのリモコン引き寄せたりしてるしな」
「じゃあ、あの雰囲気に一番近いのは誰だ」
いや捜さんでいい捜さんで。
「あ、一文字の隠居爺さんならどうだ」
「すごいぞ伽羅、確かに鬼平さんと雰囲気よく似てる」
っえー。
「何だその不満そうな顔」
「せっかく伽羅が発見したのに」
だってあいつ、自称なだけでこれっぱかしも爺じゃないよ。ああいう枯れてない爺はめんどくさいんだよ。その点、杵君たぬき君は、お互い性別とか人とか刀とか槍とか、そういう難しいこともめんどくせえことも取っ払って、対等に話ができるから楽だし早いの。何より君らも、審神者がいつも女の顔して仕事が手につかないなんてのも困るだろ。なあ。
「むしろあんたは、たまにでいいから自分の性別を思い出せ」
「国の言う通りだ。たまには何かおなごらしい買い物の一つもしておけ。光忠がえらく心配している」
「燭台切だけじゃない、兄弟も兄弟も心配している」
えー。まじか。なんかごめんなみっちゃん。あとまんば君、その呼び分け方、他人には判別難しいからな!
「僕がどうかしたか? 」
ゴシャーッ!
「何だそれ」
「どう言う反応だ」
「おやおや、僕が驚かせてしまったかな」
いや気にすんな。
「何だか僕の話をしていたようだが、水臭いな。何か知りたいことがあるなら、気軽に訊いてくれて構わないのにな」
アッハイお構いなく。
「あるだろう、何かほら! スリーサイズとか好みのおなごのタイプとか、恋の話とか! 」
野郎のスリーサイズなんか知ってどうするんだ?
「僕が教えたら、おあいこで君のも訊き出せるだろうに」
ポカポカ殴るぞ。そして南泉君と加州とやっさんに告げ口する。
「大概そこは日光の坊主じゃないのか? 何でその三振りなんだ」
日光さんは説教するだけで、御隠居のダメージはさほどでもなさそうだけど、孫みたいなこの三振りにドン引きされれば、セイシンテキがつらいだろうからな。
「否定できない…確かにあの子らには、かっこよくて頼れる御隠居と思われたい。幻滅されたくない」
わかったか。私を敵に回すとどうなるか。
さて、本丸の頂点は私なのだとお盛ん爺さんに思い知らせたところで、明日はまた仕事なので寝ないとな。
「しみじみとくだらない頂点決定戦だな」
「伽羅、管理人さんはほっといてコンビニ行こう、カレーまんとポテチ食べたい」
「そうだな。俺はおでんと超細いプリッツがいい」
君ら今管理人さんとだべってる間に、バゲット1本丸々サンドイッチを1本ずつ食ってたよな。
「だって腹が減ったまま寝るのは、すごく惨めな気分になるんだぞ」
「そうだそうだ」
「いやあ若いなあ! うはは」
爺様は黙っとれ。
まあいいけど、行き帰りは気をつけるんですよ。あと必ず、出かけたのを誰も知らずに戸締りして締め出されちゃったとかないように、みっちゃんと歌仙さんに声かけてから行きなさい。
「わかった。兄弟と兄弟にも声かけてから行く」
「俺は国永と長谷部に声かけておく」
やれやれ。今日はもうフートンだすか。
「ところで、彼らは常に何か食べているけど、食べたものは一体どこに行くんだ? 」
知るか。
明日はまた仕事なので、相変わらず筋肉痛が抜けないし、湿布貼っておくか。