仕事していたら、夕方になって左足裏に嫌な感触と痛みが。
足底筋やったくさい。
接骨院で見てもらったら、やっぱり足底筋にキてるようで、まず明日の抜糸のときに担当医にちょっと話してから治療、ということで、まずは抜糸しないことには何も始まらないのであった。
明日は休みなのにまたいつも通り早く起きないといかんです。
解せぬ。
まだ、自分でどこか出かけると決めて早く起きるならわかるんだ。
なぜそうでない予定のために早く起きなくてはいかんのか。
解せぬ。
解せぬのでサトゥルヌスのようにシュークリームを喰らう。
我が子をシュークリームを喰らうサトゥルヌス。中身はカスタードクリーム。
「え、管理人さん左足を痛めたの? この前手術したのも左足だよね? それのことではなく? 待ってどうなってるの僕まるで理解できないんだけど」
ちょ、ああもう伊達の方ー! みっちゃんがなぜなに期に入ってるんですがー!
「だってこの前手術したから足が痛い、っていうならわかるけどさ、それと別の話なの? 一度痛めたものを、どうやってまた痛めるの? 」
「諦めろ、光忠はそうなると若干面倒だから放置しておけ」
「みっちゃん、細かいことは気にするなって! 」
「そうだぜ、この前姐さんが手術したのは足首、今日は足の裏だそうだ。まあ、ザックリならせば左足だからな、何かうまいものでも作って食わせればすぐ治るだろ。光坊の料理は天下一だからな! 」
「光忠さんお腹が空きました」
待ってなんか一振り増えてませんか。
「俺は山姥切国広、伊達にも伝来していた、ような気がする、山姥切の写しだ」
経歴の捏造やめろ。
「だって伊達のごはんちょうおいしい」
歌仙さんのごはんは?
「歌仙のごはんもちょうおいしい」
どっちかに絞れって言われたらどうするの。
「困る。どっちもじゃダメか」
「お国君はいつも、なんでもおいしそうに食べてくれるから、作ってる側としてはすごく嬉しいよねえ」
みっちゃんが喜びを隠さない! あ、部屋に入りかけた歌仙さんがテカテカの笑顔で静かに立ち去った!
「さ、お茶が入ったよ。君もここのところの多忙さで疲れているだろう。あまり夜更かしせずに早く休むんだよ」
歌仙さんがメチャクチャご機嫌だ!
「悔しいが歌仙の料理は見た目と味が正比例している。食ってみろ、翔ぶぞ」
大倶利伽羅も認めてるけど、ねえなんか虎君にどえらい勢いでチューされてるのは大丈夫なん。
「さあほら、虎君、伽羅ちゃんのおくちペロペロはやめようか? あんまり熱烈だと、伽羅ちゃんお話しできなくて困っちゃうよ」
随分と熱烈にチューしてるな虎君。うん? なんかいい匂いする。ああ、この匂いはあれか。
「姐さん黙ってろ」
「管理人さんお口チャックだ」
まんば君まで急にどうした。なんだ、親友コンビでなにしてたんだ。
「あ、僕わかったかも。ねえ伽羅ちゃん、チキンラーメン食べたでしょ。ここのところハマってるもんね、君たち二振り」
「またカップ麺かい? あれは災害時用に備蓄してるものだから、小腹が減ったなら僕にでも声をかけてもらいたいな。非常時には確かに便利でいいものだけど、常にああいうものに頼るのは、雅趣に欠けるね」
っ、か歌仙さん! ここ今度、短刀ちゃん集めてホットケーキの会やろう! 手作りでジャム作って、みんなでホットケーキ焼いてかけてさ。小夜ちゃんも喜ぶと思うけど、どうすか。
「ああ、それはいいね! ジャムにする果物で季節を感じられるし、皆で楽しく作って食べるというのは食育にも繋がるし、お小夜も友達と仲よく過ごせて、いうことないね! ありがとう、実に趣があっていい計画だよ! 」
よし、歌仙さんのご立腹は回避できたな。
「日取りが決まったら僕にも声をかけてくれたまえよ! 僕は洋菓子にはあまり馴染みがないけれど、家庭で作る素朴な菓子というのは、洋の東西を問わずいいものだね」
「え、歌仙の菓子? あ、いかん、想像しただけで腹が減った」
「しっかりしろ国! 食うまで生きるぞ! 」
ねえ歌仙さん、もう備蓄のカップ麺、賞味期限近いやつはさ、買い足したら前のをこのオフタリサンに消費してもらおうよ。
「それなら、脇差・打刀・太刀の居間に分散配置したらどうかな。おやつや夜食がわりに食べてもらえばすぐ片付くと思うよ」
みっちゃん、あなたの後ろで倶利伽羅とまんば君がビミョーな愛想笑いで立ってますが。丸ごと自分たちにもらえるわけじゃないのはがっかり、でもまるっきり口に入らないわけじゃない分希望感じてる、そんな笑顔。
「え、やだなあ管理人さん。伽羅ちゃんがそんな、独り占めなんてするわけないでしょ。友達と仲よく分けっこできる子だよ」
後ろ見て。後ろ。な、みっちゃん。
足の裏の筋は痛めるととにかく嫌ですよ。ここを使わないで歩くのは無理な部位だから、治るのも時間かかるし、それまで地味に痛いのが続くんだ。いっぺんやってるから知ってるんだよ私は。
だがその前に、まず肩の痛いのをどうにかしなくては。
湿布貼ってフートン出して、寝ようと思ったら即寝られるようにしとこう。
さて、お茶淹れるか。