仕事してきた。明日は休みなのに、郵便局のニイちゃんが朝10時半だったか、そのくらいに来るらしいので早く起きよとマミーに言われました。
そういえば今度の江戸城で鍵集めは、確定報酬でついに姫鶴さんが来るようですね。うちでは鶴丸氏が挙動不審になっています。
「君の鶴は俺一羽で足りると思わないか」って、いや、足りない。
私ゃなあ、珍妙なおもしろブラックボックスみたいな鶴だけでなく、ビュリホでクールでかわいいもの大好きな鶴も必要なんだよ。
「欲張りだな」
「欲張りバリューパック」
おい誰だ今の。
「鶴さんじゃないぞ」
じゃあ誰。鶴の腹話術とかでなかったら誰。
「キャシィじゃないのか」
キャシィに濡れ衣を着せるな。
「ワシではなかぞー」
うん、むっちゃんのこと信じてるから。
「カックイイ俺は、そんな腹話術なんかに頼らないで堂々と言いたいことは自分の口ではっきり言うぜ」
兼さんはいい子だねえ。
「……」
「……」
「……」
君ら何やってるの。口が塞がってるから腹話術で会話に参加してたりしないか。
「ごちそうさまでした」
あ、意外。平野君が最初に食べ終わった。
「昨日の節分に食べ損ねたので、今恵方巻をいただいておりました。本当は太巻きなのでしょうけれど、鶯丸様が、僕は子供の体で顕現しているので子供サイズの巻物に作ってもらおうとおっしゃって、トロたく巻きで作っていただきました」
おいしかったかな?
「大変おいしかったです」
うん、そんならよかった。
「ごちそうさまでした! 」
クソデカボイス。
「声が大きいのはいいことだぞ! 管理人さんだって、普段の仕事中は声がでかくないと仕事にならないといつも自分で言っているではないか! 」
まあ言ってるけどさ。で、ドン包平は腹話術までできるの? 日曜大工だけでなく?
「俺は! 自分の意見を言うときは! 自分の口で! 皆に聞こえる大きな声で! 堂々と! 」
うん、私が悪かった。
「大包平は腹話術はできないぞ。そして、俺も習得しようにもこの通り、茶を飲むので忙しくてな」
うぐやんもまあ、そんなことだろうと思ってたよ。
「見てごらん管理人さん、この金の玉がしゃべるよ」
来たな思わせぶりな奴が。今度はなあに。
「俺はゴールデンボール1号、神々しい姿の俺は見た目通り高貴な存在だぜ」
…あー、うん、その、えー、あのな青江? 思っくそ口動いてますが。ただただお前が裏声でしゃべくってるだけなのだが。
「うん、腹話術とは言ってないからね、別に」
じゃあ誰なんだ。
「またあほなことしてるね。お国はもう寝た時間だからいいものの、もう少しどうにかならないものかね」
あ、チョーさん。ねえチョーさんは腹話術できる?
「今度は何をさせるつもりなのかな。そんなもの、俺は刀でいっこく堂じゃないんだから」
そういうんじゃなくて。腹話術で私のネタをパクられたんだよ。
「ああ、いつだったか千手観音像を見て君が言ってたあの小ネタか。そんなもの、パクられたところでどうということもないだろう」
ただ誰の発言なのか知りたいだけ。
「それなら簡単な話だ。大包平に鶯丸と平野君、鶴丸に陸奥守君と、部屋の前を通り掛かっただけの青江君を除けば、この部屋には他に誰がいる? 」
「俺だな」
いつの間に。いつからいたの鬼丸=サン!
「管理人さんが風呂から戻って、ヨーチューブを見始めた頃からだな」
まじか。
「それで鬼丸、君は何を熱心に読んでるんだ」
あ、鶴さんあんまり仲間のプライベートに踏み込むなよ。
「いや、かまわん。今はこれを読んでいた」
また濃厚なものを。私が買って読んで、本丸に持ってきてるだけだけどさあ。
「体当たりで異国の、それも地の果てみたいな凄まじい辺境で、土地の人々と同じ生活を送って現地の暮らしを体験するというのは、生半な覚悟ではできない行為だ。すごい人間もいるのだな」
わあ、感想が真面目。
「俺が同じことをしろと言われたとしても、鬼を斬るくらいしかできない俺だ、こんな風に訪れた土地の人たちと親しくなるのは難しい」
いやいやいや、鬼斬れるってすごいよ! 頼れる漢前が来たって喜ばれると思うよ!
だがなぜ堂々と話に乱入しないの。もっとがんがん参加していいのよ。
「そう思って会話に参加しようとしたところで、本の作者が体調不良からアヘンを吸う下に差し掛かってな」
あー。気になるよねえ。
とりあえず謎はとけた。あとそこの鶴、この本と一緒に並んでる「イスラム飲酒紀行」に食いつくな。
さて、明日まさかの朝から起きろと言われたので、もうちょっと打鍵して、ねむみがきつくなったら寝るか。
明日は起きたら洗濯しなくては。