そこそこでかい買い物をするときは来た波に思い切って乗らないといつまでも決まらない

仕事してきた。昨日ハダニ駆除した鉢植えは今のところ無事。

ゆうべ星海坊主（親父）とデジイチ2台持ちにした方がいいのかと話しておりましたが、ネットでカメラ屋の出してる中古にいい出物があったのでポチりました。さっき注文受付メールが来たので、商品確保のメールが来たら支払いしに行く。

「さすが管理人さん、下手すると俺より速いちゃ」

「豊前、こういうところでは速さを競い合わなくていいんだよ」

どうだ驚いたか。

「てゆうか管理人さん、そもそも中古とはいえカメラ買うお金なんてどこから出てきたの。返答次第によっては、管理人さんに瀉血治療してあげないといけないかも」

買い物と瀉血がどうつながるん。

「お金使いたくなるときに脳の血流が滞って、悪い血がたまる部位を瀉血してあげないとね」

発想がコワイ。

「で、実際にどこからそんなお金が湧いて出たのかな」

いやほら、管理人さんずっと500円玉が財布に入ると貯金箱になんとなく入れてたでしょ。松井も見たことあるんじゃない。

「ああ、あの緩み切った表情の白い猫の貯金箱？　」

アレの中身が2万円になりまして、中古ならこれを全額突っ込まなくてもそこそこいいのが買えるなと。

「なるほど。本丸の娯楽費じゃなくて管理人さんのポケットマネーで買うならいいよ」

あ、いがったー。お許しが出た。

ちなみにマミーにはしみつなの。カメラと本を増やすと嫌がられるので。

「それで、あんた今度は何を買ったんだ」

これ。

「今使ってるカメラってどんなの」

これ。

「え？　姐さん何て？　」

だからな。今使ってる星海坊主（親父）に持たされてるのと同じ機種のカメラを買ったんだよ。

「人間のやることはわからんちゃ」

「ねえ管理人さん脳みそ大丈夫？　やっぱり瀉血しよ？　」

「あんたとは長い付き合いだが、いまだに何を考えてるのかわからん」

「姐さんお買い物間違えて頼んじゃった？　」

すげえなこの集中砲火。間違えてない。狙って買った。

確かにニコンなら使い勝手がペンタックスとそう変わらないみたいだがな。ただな、今使ってるK-Xはな、電源が大概の地域や場所で簡単に手に入るんだよ。充電式の専用電池じゃなくて単3電池4本なんだよ。出先や遠征の途上で電池切れが起きて、手持ちも怪しくなったとしてだ、大概の観光地は単3電池売ってるし、コンビニや電器屋や駅の売店でもすぐに手に入る。便利。あと同じカメラだと同じ要領で扱えるから、撮影のときにまごつかない。

「ほーん。松井、瀉血セットはしまっとけ。管理人さんすげえ考えてた」

「意外と合理的なこと考えてたね」

「あんたにしてはまともな理由の買い物だったな」

「わー、姐さんちゃんと考えてるんだー」

お前ら、私をなんだと思ってるんだ。

「足の骨折ってから、前より遅くなっちまったよな。俺でよければどこでも連れて行ってやるぜ」

「最近梅干しばっか買ってるけど、そろそろ刀装の部屋拡張しない？　増築しようよ」

「正直あんたは乳児より目が離せない。奇行が多いのは国永だけで腹一杯だ」

「花粉症で今年も薬出されてるんだって？　去年『呑んだら死ぬ』って処方箋に書いてあるって言ってたけど、ヤダかわいそう」

言いたい放題！　だがまあ、それができるうちが華だ。

「意外。怒らないんだね管理人さん」

あのな、松井よ。組織ってのは全員が同じ一点しか見てないのはいくないの。テケトーだったり真面目だったり、いろんな奴がいて、いろんなことしてる流動性が大事なの。で、トップを奉るようになったら危険信号。神格化ダメ絶対。しかも君らの方が付喪とはいえ神なんだし。「GHOST IN THE SHELL」を観なさいよ。

「観たよ。ときどき上映会やるでしょあの映画」

そうでなく。真面目に。素子さんが言ってるんだよ。「戦闘隊員としてどんなに優秀でも、同じ規格で構成されたシステムはどこかに致命的な欠陥を持つことになるわ。組織も人も、特殊化の果てにあるのは緩やかな死。それだけよ」って。大事なのは個性と多様性による揺らぎだ。

「わかったようなわからないような」

そのうちわかるさ。