仕事して接骨院寄ってきた。
帰ってみれば窓を開けても無風。そして昼の猛暑で部屋の中は高温。
しばらく窓開けていたものの、室温が下がる気配が感じられず、死ぬよりはましだと割り切ってエヤコンつけたのであった。
そして気づいた。
今俺が座ってるあたり、エヤコンの風がぶっかかる位置だ。
「やあ、今年も暑くなってきたなあ」
「私もすっかり夏毛に変わりましたよ」
「うちの母屋はこう、地下水が湧き出る泉の上に張り出しているからな、夏は涼しいし冬は暖かくて常に一定の快適温度に保たれているが、出かけるときにあの、どこに行っても夏は空調を使うだろう。年寄りにはあれがなかなか堪えてなあ」
「あなた都合よく年寄りぶったり若ぶったりするのやめませんか」
「お前も都合のいいときにだけ、かわいい毛玉ぶるだろうに」
「私はいつだって、ぬしさまのかわいい小狐ちゃんです! マルチャン号殿に負けてはいられませぬ。最高のもふもふ体験をお届けするべく、日夜がんばっているのです。インスタのコメント入れる速度がやたらと速いだけのあなたと一緒にしないでください」
「む、俺だってインスタのコメントだけの刀ではないぞ。他にも色々ある」
「たとえば? 」
「朝起きるのが早い」
「おじいちゃん」
「寝るのも早い」
「おじいちゃん」
「足だって速い」
「望月が乗せてくれればね」
「茶を飲むのも早いぞ」
「その分厠が近くなるのでは」
お、何やってるんだ三条の大人二振り。
「ああ、ぬしさま、実はこれこれしかじか」
ほーん。
「小狐はぬしさまだけのための! ちゃわゆいもふもふちゃん! です! 」
グイグイくるなあ。
で、相談役は他に何が早いの。
「そうだな、やったことはないが、異国で宿を探すのなんか、早く見つけられるだろうなあ」
え、まさかあれやるんか。どうでしょうでお馴染みのあれ。
「何度となく見ているからな、覚えたぞ。宿屋の帳場に行って『どぅ・ゆう・はぶ・えにい・るーむ・ふぉー・とぅないと』と唱えるのであろう。厚が教えてくれたのだ」
あっ君にトンチキなことさせないで。
「これを覚えておけば、あとは俺の顔面の力でどこでも宿を取り放題だと、小竜も言っておった」
悪用するな。
「ほんと、このお爺さんタチが悪いですよねえ」
なんか今日は、午後に次から次とイロイロ起きやがりまして、店の中で具合悪くなって座り込む客とか、爺さんがビール6本パック持ってレジに来たら落としてばらけたとか、客じゃなくてクソが来たので一切相手せずに会計だけして流したとか、暑いともう人間おかしくなるんだな。
疲れたのでもう寝るか。
明日は帰ったらお茶だな。水曜は呼吸器科の診察あるし。すいかバーでも買って帰るか。