仕事してきました。帰ると薬研が「大将、ヤスケンの顔色になってるぜ」って言いやがりましてね。出陣待ちで一緒にゴロゴロしてた人間無骨君とバツ丸君がなんじゃそりゃって表情になっていましたが、だから。甘いもの対決列島見せなくていいから。
ただでさえおもしろ枠の本丸だと見なされてないか不安だというのに、この上どうでしょう本丸とか言われるようになっちまったらどうするんだ。
さて、今日は8時まで仕事だったけど、明日はまあいつも通りに10時の出勤だ。
帰ったらイロイロやるぞ。今日はもう寝るくらいしかできないだろうがな!
「さあ、蛍、国俊、はよお布団敷いて支度しよし」
「寝る支度となるとこの元気」
「そんだけ勢いがあるなら出陣したり事務室の手伝いしたりすればいいのにな」
「ええか国俊、そろそろみーんなお兄ちゃんの天使のような、あどけない子供のような安らかな寝顔を見たいて思てはる頃合いなんやで」
「自分で天使って言っちゃうのかよ」
「誰も待ってないと思うよ」
お、明石と保護者のオフタリサン。
「国行、いっつも寝る支度する時間になると機嫌いいんだよね」
「出陣とか内番で元気になればいいのにな」
「自分で天使の寝顔とか言ってるし」
「そら蛍と国俊の寝顔はかわいいで? 天使よ? でも自分の寝顔もそれなりに需要あると思うねんで? 」
天使の寝顔? たぶん蛍ちゃんと愛染君はこうでしょ。
こういうかわいい天使。
明石の場合は大人の体で顕現してるし、体格差も考えるとこういうやつ?
「いやあああああああああ! クリーチャーですやんかー! 」
天使だって。聖書の記述どおりの。
「おばけだ」
「おばけだね」
「おっきい天使の寝顔って怖いな」
「怖いよね。国行隣の部屋で寝てよ」
「殺生な! 隣て、オコタの部屋やーん! お兄ちゃんコタツで寝るん? 風邪ひいてしまうやろー! 」
「でも国行、風邪ひくと堂々と寝てられるよ」
「具合悪いんやからつらいやんかー。健康体だけど楽して寝るんがええんやろー」
まったく困ったもんだな。よーし、それじゃあ愛染君蛍ちゃん、寝顔が怖い兄さんは部屋で寝てもらって、今日は管理人さんのお部屋にお泊まり会する? 今日の懐当番はいまつるちゃんだよ。
「やったー! お泊まり会だー! 」
「国行、留守番よろしくね」
「え、やだ寂しい。自分も行くぅ」
「ブッブー」
「大人は入れませーん。管理人さんのお部屋は、お泊まりできるのは子供サイズだけでーす」
すまん、明石よ。私の部屋、私の以外は子供布団だけなんだ。恨むなら自分の寝顔を恨んでくれ。
「でもいうたら自分、まだここまでの寝顔ではないですし? 」
それは最終兵器だろ。
「ええのよ、お兄ちゃんは1人で、オコタの布団を涙で濡らして、しっとりしたお布団で寝るから」
すねるなって。
「明石殿、よろしいですかな。我らが本丸お兄ちゃんの会の会合を開催いたしますゆえ、ぜひご参加いただきたく」
そんなのあるの。
「あります。まあ要は保護者の会ですな。長船は福島殿が、江は松井殿が参加されております」
松井なんだ。豊前じゃなくて。
「あそこは松井殿が何かと立ち働いておいでですから」
長船については、まあ、そうだな、あんまり首突っ込むと面倒そうだからいいや。
あ、蜂須賀と長曽祢にいやん。
「散々兄貴ヅラしておいて、何が『新撰組代表』だ。いいか、俺が実兄として参加してはいるが、お前も義兄として参加しろ。すべては浦島の笑顔を守るためだ」
「じゃあ、新撰組と兼務ということでいいか? 」
あー、なんか複雑そうなご家庭がきた。いよいよ面倒そうだから引き揚げよう。
そんじゃ父兄の皆さんおやすみー。
それじゃあお泊まり会のために、一発管理人さん特製のココアでもふるまおうかね。飲んだら歯を磨いて寝ますよ。
そうだ、そろそろ大人のミルクココア用に、またバッカスチョコ大量に確保しておこう。あれをホットミルクに落としてココアにすると、ブランデーの香りがしてうまいんだ。
「わはー。酒クズはっけーん」
通りすがりに仲間を見つけた的な反応するんじゃないよ。
ということで、今日はもう寝ます。帰りの時間帯が遅いと、それだけでやっぱり疲れるな。
明日はもう少し何かしよう。