仕事して接骨院行って、帰って洗濯までしてしまった。
いよいよ歳またぎの祭りが始まりましたので、仕事が終わってから早速参加しております。
明日は朝ダラッダラでも問題なかろうと思っていたら、マミーが「信用金庫が来るから話聞くか」とか言い出しまして、何だか貯蓄型の投資だか保険だかがあって、それの説明しに来るそうなんですよ。
ペリカとかがバスでも預かってくれるのけ。
夕飯どきにニュース見たら、安倍派と二階派の事務所に特捜部が入ったとかで、鶴丸は爆笑、姫鶴さんは「爺さんってろくなことしないよねー」とどっちらけて、同じ鶴でもここまで違うかという反応でございます。その傍では倶利伽羅が貞ちゃんとみかん食ってて、各々好き勝手に過ごす審神者の実家のリビング。
「人間ってそんなに金が好きなんかなー」
おや貞ちゃん、どうした。
「人間の金持ちって、もう金持ってるのにもっと欲しがるよな」
金がないのは首がないのと一緒なんて言うからね。あればあるだけ選択肢が増えるんだよ。
とはいえ、私ゃ政治家なんてあんなもんは、やりたい奴に任せるとこうなるのは当然だと思ってるよ。一番いいのは、能力も人物も言うことないけどやる気が圧倒的にない人を、拝み倒してやってもらう。いやいややってるから効率的にかつ後腐れがないように仕事を片付けようとするし、やめてもトラブルが発生したとき後々に呼び出されて後始末させられるとか、そういう人間は絶対に嫌なのできちんとやる。
「うーん、やりたい人間なら、やりたいんだから真面目に働くんじゃないのか? 」
貞ちゃんや、何でその仕事につきたがるのかって点に注目しようぜ。政治家になりたがる人間ってな、志があるからってのはほとんどいないのよ。もうみんな馬鹿かというほど高い給料が欲しいから、立派なことばっかり並べて立候補して、当選して議員になると「それは追い追い」「頃合いを見て」とか言ってごまかして絶対やらないの。
「何だそれ」
おかしいだろ。だから、能力も人物も申し分なくてもやる気がないって人間に頼むのが一番いいんですわ。今議員やってる人間な、全員に「好きなことやってるんだからむしろ参加費払って存分に楽しめよ」って制度にすると、即座にやめると思うよ。
「それじゃあ管理人さんは、どんな人間が向いてると思うんだ。うちでいうと誰がいいと思う? 」
そうだね、まず杵君たぬき君。
「近侍と補佐だもんな」
てゆうか、あの子たちは頼んでも「出陣させてくんないならやだ」って言うでしょ。
「わかる」
あとはうぐやんとか、倶利伽羅氏も向いてると思う。能力はあるけど絶対やりたがらねえという一点において。
うぐやんが言いそうなセリフを予測したぜ。
「働いているのに茶は飲ませてくれないそうだ。大包平、俺の代わりに適当にやっておいてくれ」
「お前が頼まれたことなら責任持って片付けろ! 」
どうだ。
「いいそう。鶯丸なら言う。そんで大包平にしかられる」
ほんでもって倶利伽羅が言いそうなセリフな。
「馴れ合うつもりはない。お前ら自身のことだ、自分たちでいいようにしろ。いちいち俺に泣きつくな」
どうだ。貞ちゃん添削して。
「言いそう。伽羅なら言いそう」
大倶利伽羅、自分にも他人にもスプレンディド・イゾルマンを貫くからな。貞ちゃんと小さい子は除いて。なんか坂田銀時さんじゃないけど「ちんちんに毛が生えたら一人前だから自分のことは自分でやれ」とか思ってそう。
「さあ、お茶が入ったよ。今なんだか品のないことを言っていなかったかい? 」
気のせいだってばよ。
「それならいいけど、御婦人の下品なのは僕の美意識に反するからね、君も慎みたまえよ」
そりゃもう(目を逸らす)
「今日は茉莉花茶にしたよ。君は処方薬との相性があるとわかったからね、紅茶はあまりたくさんはいけないよ。しばらくはノンカフェインのものにしなさい、いいね」
それはもう。
「おまけに今日は、喘息が酷くて頓服の吸入にも頼っただろう。無理はせずに、早く休むんだよ」
アッハイ。
しかし、本当もう「能力はあるし基本真面目でいい人間なので仕事はこなすが一刻も早く辞めたい」という人間に頼まないと、まともな統治システムは実現不可だと思うの。
「なんか管理人さんの話聞いてたら、俺もそんな気がしてきた」
でしょ。チウ国の伝説で、神代の昔は皇帝は世襲制でなく、すげえ人がいると呼んで皇帝になってもらってたそうで、許由っておっさんが「あなたは人となりも才能もすごいから皇帝になってくれませんか」と頼まれたんだな。このおっさんはどうしたと思う、貞ちゃん。
「え、そりゃ皇帝になるんじゃないのか。だって人物を見込んで頼みに来てるんだろ」
と思うでしょ。
「違うのか」
うん。このおっさんは、そのまま席を立って外に出ると、川にダッシュして耳を洗い始めたんだな。
「禅問答? 」
いやいや。「汚れた言葉を聞かされた」って耳を洗ってたの。
「すげえな。皇帝のオファー蹴るのかよ」
うん。ちなみにこのおっさんは、皇帝の椅子を蹴飛ばして断った、というこの事実から、魂の位が皇帝より高いというんで仙人になったってオチなんだけど、この話で思うのは、そうやって人柄と能力を見て選ばないと無理だろう、ってのが一つ。更に、それでも人間ができてる人は嫌がるし「だが断る」の一言で見向きもしないから、どっちにしても無理な話なのかもしれない、ってのが一つ。
「無理なのかよ! 」
現実考えちゃうとねー。
だから、もういっそ最初から「腐ってるもんだ」と思っておくか、あるいは「腐ったらこういう人たち↓が全員を見境なく全殴りするから」っていう監視を大前提としておいておくか。
「朗らかに容赦無く殴りそうだよな、山伏」
これ今朝の裏山パトロール当番のときの様子か。まんば君は何でまた布かぶってるの。
「まんば、今朝寒くて耳痛くなってきたって布被ってたぜ。防寒だってさ」
え、もう厳寒期用装備、全員分クリーニング終わって配っておいたよね?
「まだいけるかもって思ったら寒かったんだってさ」
ものぐさだなあ。
さあ、明日は結局また早く起きないとまずそうな悪寒。
ゆっくりできると思っていたのに。
どうしてこうなった。
「か、管理人さん、あの、今日のお当番は謙信君、だけど、ぼ、ぼくらもお泊まりしてもいいですか? 」
歓迎しか選択肢ないけど、どうしたのかな。
「西洋では冬が怪談の季節だと言って、青江さんが怪談の会を開いておりました! 」
「鯰尾兄さんが、部屋が広いからと粟田口の居間を提供したもので、隣の寝室にもお話が筒抜けになって、結局僕らもバッチリ聞いてしまいました」
「こ、こわいです…」
そうか、青江は明日インタビューだな。
小さい子をこんなに怖がらせるとは。
ということで、今日はもう寝る支度だ。お布団あるだけ出して、みんなでくっついて寝ようか。あったかいし、みんな一緒だとこわくないでしょう。
明日はまた早く起きないとな。