仕事してきたのだが、あと4日これが続く事実に、既にもういいだろとか思っているのであった。
あまりに疲れてるので、これはいかんと生きるための糧を入手。
「それは何だ、またこういうことか」
こういうことって何だ。
「こうだ」
これ草津で夕飯と共に食ったやきとりじゃねえか。
そりゃうまかったけどさ。
そうでなくて。
今日はね、アレよ。「BLACK LAGOON」13巻出たから買ってきたんだよ。
「ああ、確か今回は表紙が張大哥だったな。あんたの好きな張大哥」
悪いか。
「いや別に」
カックイイだろ張さん。手榴弾投げられると蹴り飛ばして投げたやつに返すんだぜ。もうさあ、二丁拳銃だし銃のグリップの彫りもん趣味がいまいちビミョーだしギャグセンスがおじさんだし、最高だな。
「あんた何で近侍が一文字じゃないんだ」
いいんだよ、日常では伸び伸びしたいんだよ。
「育ち盛りはもうとっくに終わってるだろ。人間の育ち盛りは、姫様(うちの刀剣男士が姪を指していう表現)くらいの年齢じゃないのか」
子供はなあ、あっという間に育つぞ。おとといくらいまで私の膝にも届かないぐらいの身長だったのに、気がつけば高校の修学旅行で宮島行ってきたとか言って、もみじマンヂウ買ってくるんだぜ。クリスマスに何が欲しいんだって訊くと「コスメ」とかいうんだぜ。
「チッ」
舌打ちして出て行きやがった! これだから思春期は!
「おい歌仙、姐さんが疲れている。正直鬱陶しい。何か食わせるなり飲ませるなりして黙らせろ」
「君ねえ、もっと頼み方というものが」
「とにかく頼む。相手するのが面倒だ」
「確認するが、彼女は疲れているんだね? それなら何かホッとする、お袋の味みたいなもので」
「ダイジェスティブビスケットだな」
「貴殿、管理人さんはどこの出身だと思ってるんだ? 彼女のご実家は別に『大草原の小さな家』みたいなところではないだろう」
おい大倶利伽羅、都合よく歌仙さんに無茶振りするんじゃない。何気ないオーレがフラメンコ師匠を傷つけることだってあるんだ。
「あんたもう温泉にでも行ってこい」
行けるならとっくに行ってるさ。
「俺は一度でいい、温泉宿で船越に遭遇してみたい」
それ事件に巻き込まれるフラグ。
「構わない。いっぺんでいいからこの目で見たい。あんただってそういうものはあるんじゃないのか」
いっぺんでいいから見たいもの? そうだな、ガチなやつと面白いのと、どっちの答えを聞きたい。
「面白い方で」
「僕は真面目な方が知りたいね」
歌仙さん、どうにかしてこの場のSAN値を保ちたいんだね。
ガチな方は、パリのギュスターヴ・モロー美術館にある「出現」の水彩画バージョン。20年ぐらい前かな、渋谷のBunkamuraでモロー展やったときに油彩バージョンは観たのよ。でかい絵でなあ。私一人でしげしげと観てたら、いつの間にか後ろに4人ぐらい立ってて、軽く驚いたことがあったが。
「おい、ふざけてる方のはどうなんだ」
欲しがりだな倶利伽羅は。馴れ合わないというお前のポリシーはどこに行ったんだ。
まあ、ふざけてる方だったらアレよ。ハシビロコウ。どのくらい動かないものなのか見てみたい。あとすげえ悪い目つき。
それでさ、今すげえ気になってることがあってさあ。
「なんだろう、くだらないことを聞かされる予感しかないね」
あのね、孫六さんを連れて動物園とか行ったら、どんな駄洒落が出てくるか期待しかなくてだな。オラわくわくすっぞ。
「やめなさい」
水族館とかも連れて行ってみたいんだ。
「さすがに不憫だ、やめてやれ」
ということで、明日もあさっても仕事なのであった。
さあ支度して寝るか。