仕事に出たら、元々の残業45分の予定が1時間に伸びたのであった。
明日は15分の予定なのだがどうなることか。
気がつけば夏になっていて、そういえばもうすぐ七夕。
当日になったら、また今年もやっておかないと。
これ。またあのセリフを言っておかないと。
「いいけどよ、短刀のちび連中に聞かれねえようにしろよ」
あ、うん、気を付ける。
「もうすぐ七夕ですよ管理人さん! 今、短刀のみんなで七夕の笹飾りを作ってるんですよ! 七夕の日のお楽しみ会は、そうめんパーティーだそうです! ごはんのあとは花火もやるんですよ、楽しみです! 」
ンンンンんんンンンン! そっかー! 楽しみだねえ!
「はい! みんなで浴衣を着て、花火をして、去年も楽しかったけど今年もきっと楽しいです! 」
いい子だなあ…。やっぱり薬研が、あいつだけがなんかおかしいだけで、短刀はみんないい子だねえ…。
「おたのしみかいのおかしは、みためもきれいなものにしよう。よぞらをイメージしたゼリーなんてどうだろう」
「小豆のつくるおかしは、とってもおいしいものしかないから、しんぱいないんだぞ! 」
あ、ここにも七夕を楽しみにしている子たちが!
仕方ない、当日には裏山行って叫ぶか。
「君ね、七夕はお国も毎年楽しみにしているようだけど、あんまりあの子の気持ちに水を差すようなことはやめてくれたまえよ」
保護者きた。世間の波に揉まれて薄汚れ苦労した保護者。
「何か言ったかな? 」
何も。
ううん、無邪気な連中や圧の強い保護者のおかげですっかり疲れたな。
「管理人さん、今日はいつもより仕事がハードだったから疲れてるんだよ。そんなときにはちゃんと休まないと。そうだよねえ長義君」
「そうですね。光忠さんはいいことを言うな」
うわ。祖の前でだけはいい子。
「だけでってのは何だい、聞き捨てならないな」
祖大好き芸人がカッコつけるなよ。
「つけるさ! 長船はカッコよさが重要なんだ! そうですよね光忠さん」
「うん、そうだね、カッコ悪いとなんだかしょんぼりしちゃうものね」
「ほらみろ! 」
うわあ…。そりゃあ刃紋が派手なだけのことはあるわ。
なんかもう、祖大好き芸人のおかげでドバッと疲れが襲いかかってきた。
今日はもう寝るか。イロイロやりたいことは明日帰ってからにしよう。
あ、岩下の新生姜とハム買っておかなくてはな。