仕事してきたので、明日仕事すると休みでごぜーます。
そうだった、明日は床拭きシート買ってこないといけないんだった。
あとはこれを流したら、でかいビニール出して家電ゴミ出せるように支度しておかないと。
「ここ何年か、冬になると早々に掃除ばかりしているね、管理人さんは」
「大将は暮れに休めねえからな。しかも正月には酒喰らってだらだらしたいとくれば、よその本丸より早く正月の支度を始めるしかねえってことだな」
人に掃除始めたっていうとみんな笑いますがね、このぐらい早く手をつけないとおっつかないよね。
ゆうべの御徒町の強盗、映像出ましたね。
店の警備員が元力士って言われても違和感ない体格で、そんな警備員が棒ぶん回して追いかけてくるんだから、そりゃ逃げるだろ。やっぱりただ既成事実として置いてるだけの、爺様警備員じゃこれからはダメだな。海外みたいに「守る気がある」と見た目からわからせる警備員でないと。ちゃんと体力勝負ができる程度に若くて、きちんと体鍛えてるのが見ただけでわかるような警備員。
実際に御徒町のあの警備員は、あんなヒョロヒョロの強盗連中じゃ多少殴ったところで屁でもなさそうだし、あの重量級で棒で殴られてごらんなさいよ、ひとたまりもないだろ。まあ逃げるよな。
なんかもう日本もさ、ハワイがだんだん近づくみたいな速度でだけど、ちょっとずつロアナプラみたいになってきてるな。
そのうちバアで挨拶がわりに銃撃戦が始まると、店のオヤジがカウンターの下からレミントン出して反撃とか、教会に行くとマザーがデザートイーグルでお出迎えとか、なるかしら。
「それはもうただのロアナプラだにゃ」
あとはすれ違いざまに目が合うと斬り合いの開始とか、
「『柳生十兵衛七番勝負』かよ」
茶店で偶然のように同じ縁台に腰掛けて、周りに悟られずに情報交換とか、
「今度は『鬼平犯科帳』だにゃ」
いいだろ。ロマンじゃねえかよ。「鬼平」だとおいしいものも出てくるよ。猫殿の鮎飯とか。
「やめるにゃ! あれすげえうまそうで、再放送でうっかり見ちまうと俺、何で今あれが目の前にねえのか悲しくて泣けてくるにゃ」
わかる。
「しかもお頭と御前がいるときに、コタツで居眠りして目が覚めたら、時代劇チャンネルでその回観てて、寝起きで見た鮎飯がうまそうで俺泣いちまったにゃ」
泣くなよ。
「そしたらお頭がすげえ慌てて、御前がすげえお高いポテチ買ってくれたにゃ。トリュフ塩のやつ」
それ、1缶600円越えのクソ高いやつじゃん!
「すげえうまかったにゃ」
何やかや南泉君ってさあ、愛されてるよな。
「でも東京は今更ロアナプラとか江戸にはならないと思うぜ」
そうかい? そんならやっぱりインドになるのかな。夏場バカ程暑いし。
「筋少の『日本印度化計画』だな。なってたまるか。にゃ! 」
でもカリーは本格的だよ。「カラクナイヨ」って言ってるくせにからいやつな。
「本場のもいいけど、俺、御母堂様のカレーが一番好きにゃ」
お前もかよ。
さあ明日は早い時間の出勤だからな、朝も早く起きないとダメな。気をつけよう。
そろそろ明日の支度して寝ちまいます。明日は接骨院寄って、帰ったら細かいところ掃除するかな。できたらね。
フートン出して寝る支度してしまうか。