ゆうべは疲れ果てて、いつもより早く寝ちまいましたが、今日も暑かったからね、ちょっと疲れてますよ。しかも明日は出勤早いんだ。もう早く寝てしまおう。
そうだ、疲れてるからさあ、さっき買ってきたすいかバー食っていいよな。な。
今ねえ、どうでしょう観ようと思ったら、ネトフリに闘痔の旅が入ってた。そんなの観るだろうが。観る一択だろ。
「人間はあれだろ、痔になると大変だっていうじゃねえか」
「そういうお前だって、尿路結石でこの前大騒ぎしたじゃないか」
あー、この前のあれね。おっさんが乙女みたいな泣き方してたよね。あまりに洒落が通用しないレベルで痛がるから、ちびっこ軍団が一緒に半泣きになってたよね。
杵君は気をつけるんだよ。
「それよりも、姐さんも気をつけろよな。まーだクマが取れてないぞ。今日も早く寝ちまえよな」
え、心配してくれてる。ヤサシイ…。
「だって、なあ? 」
「杵が姐さんの身を案じるのは、姐さんが万一死んじまったら出陣できねえからだろ」
うん! 知ってた!
明日は仕事ですが、あさっては休みでしてね。
まあ、この前やることやっちゃったので、あさってはゆっくり過ごそうと思います。
とりあえず、ここのところ体調がよろしくないので酒はやめるかな。で、ゆっくり寝て、打鍵して、休むことに全振り。
そういえばメトロポリタン美術館展、気になってたけどすっかり忘れてたなあ。
まあ、琉球展と科学博物館の宝石展の方がウェイトでかかったからなあ。私の中では。
あ、でもあれだ。スコットランド王立美術館展はちょっと気になる。この前トーハク行ったときにも、ポスターが妙に気になったんだよね。7月3日までだっていうから、それまでに行けそうな隙ができたら行っておくかな。
博物館も好きだけど、美術館も好きなんですよ。
「美術館なんぞ行かずとも、美しいものが見たいなら俺を見ればよかろうに」
「確かにお前は美丈夫だが」
「管理人さんは絵画もお好きですから」
「ふん。ときに管理人さんは、どんな絵画が好きなんだ」
え。そうだな、前にもこの話してるけど、まあいいか。あれだ。
この絵が好き。「ネーデルランドの諺」。細部にまで小ネタを詰めまくった、ブリューゲルのクオリティ無駄遣いな一枚。たぶん書かれてる人間全部が、ことわざをそのまま言葉通りに再現してる。
こっちも好きなんだけど、どっちがいいかと訊かれたら、僅差で「ネーデルランド」を推す。
「これはまた、描き込みが凄まじいな」
「お前の仕事みたいに細部まで手を抜けないタチなんだろうな、作者は」
「どこを観ても細かく描いてあって、目移りします」
このバベルの塔、隅にいる王の視察がなあ。周りで図面引き直してるっぽい人間がいたり、塔自体も作りかけなのに一部バラして建材よそに使おうとしてねえか的な雰囲気があったり、すでにいつぶっ壊れてもおかしくない空気が濃厚なのが、こうして見てるだけで面白い。
好きな芸術家って訊かれたら、たぶんブリューゲルとジョセフ・コーネルって答える。
もうあれから3年か、川村美術館でコーネル展のカタログを予約したあの日の私、英断。
さて、あと1日仕事して来るか。
もういい加減寝る支度します。
「おい鶯丸、」
「どうした。お前にしては珍しく声が小さいな」
「意外と管理人さんは、繊細なものを好むのだな。コーネルとやらの作品を見ろ」
意外で悪かったな。