仕事に出たら昼前にすでに左足が痛み出していました。どうなっておるのか。
しかも明日から水曜まで接骨院に行けない。土曜は午前中で診察終わるし、そこから先は水曜まで夏休み。次に行けるの木曜。
もう向こう1週間弱は酒呑めない。
「えー、何でだよいいじゃん呑もうぜーねえさーん」
やかましい。
「別に禁酒同盟に入ったわけでもないんだろー」
そんなものには入らない。
「ああ、日本号の旦那、気持ちはわかるが堪えてやっちゃあくれねえか。向こうしばらく接骨院に行けねえからな、大将には不摂生をさせるわけにいかねえんだ。かかりつけの接骨院が休みの間に体痛めちまうと始末に負えねえからな」
「ちぇっ」
「それに、俺は事情を説明した上で理解を求める方針だが、過激派がいるからな。旦那、重々気をつけな」
「過激派? 」
「長谷部がな。大将にしつこく酒を呑ませようとする奴がいたら叩っ斬るってよ」
「クゥーン…」
「あとは静形と巴形か。あいつらも大将に不健康なことを強引にすすめる奴がいたら、蜂蜜塗って裏山に転がしておくそうだぜ」
「それガチのやつ! 山で死体を跡形もなく証拠隠滅するときのやつじゃん! 」
あのさあ、うちってそんな過激派いたっけ? もっと淡白でドライだと思ってたんだけど。
「長谷部は、あいつにしてみれば主君だからな、まあ一応尊重しておかないといかんだろって仕事モードだな。静形と巴形は、結構大将のこと慕ってるぞ。ただ静形は引っ込み思案なのと、巴形は天然すぎて割と抜けてるから分からねえってだけだな」
まじか。
今度巴ちゃんと静ちゃん誘って、お茶でも飲みに行くか。
「よし、大将明日は仕事から帰ったら冷茶作っておけよ」
冷茶…。乱ちゃんが聞いたら「アイスティー! 」って叱られるやつだ。
「雅なことはよくわからん」
「茶も悪かねえけどよ、いうたら茶はいくら飲んでも素面なままなんだよなあ」
黙れ酒クズ。
「あ、でもほら、正三位いいうちの子だからさ、茶だってよし悪しは分かるぜ? バカ舌じゃないんだからねっ! 」
どうもノリがおかしいと思ったら酒臭え。
「どうしてこんなに酒がうまいのか、我々はその謎を解明すべくアマゾンへ飛んだ」
うわめんどくせえ。めんどくせえ酔っ払いだ。
まあそんなわけでね、しばらくは酒呑めないの。酒呑みすぎて筋寝違えたなんてなったら、もう目も当てられない。
「そういうことなら姐さん、俺と全身運動しないか」
悪ふざけの気配しか感じられない。
「裏庭で納涼肝試しの仕込みなんだが」
明日の夜にやるやつでしょ。仕事帰ってからの小一時間しか手伝えないぞ。
「まじか」
大倶利伽羅とか鬼丸さんとかおでん君とか、口が固そうなメンバー誘っておやんなさいよ。
「いや、あいつら俺が仕掛け作るとすぐに『短刀が見たら泣く』『それはやめろ』ばっかりだからイヤン」
ああ、粟田口の大叔父さんと、前田君大好き芸人と、子供に優しい倶利伽羅にいさんだもんな。
とりあえず私は明日も仕事だからさ、もう寝るわ。
「え、そんな姐さん! まさか俺一振りで作業しろってこと? 」
仲間は自力で探せ。がんばれよ。
接骨院休みなので、しばらくは健康的な生活を心がけます。