仕事して接骨院行ってきた。
明日は帰りに無印で、壁に穴が残らない画鋲買ってこないと。
きのうのトーハクと西洋美術館で、何枚か絵葉書買ってきたんですよ。ブリューゲルの「鳥罠のある冬景色」と、モローの絵が何枚か絵葉書になってたので。
西洋美術館の通常展示は、順路を進むにつれて作品の時代が移り変わるように配置されていて、最後の方はピカソとかありましたが、うん、わからん。
まあ、子供の描く絵が一番正直で勢いがあっていいってのはわかるけど、大人が真似するにはだいぶがんばらないと無理だろ。しこたま呑んでウコンの世話になり、夕方4時から10時間呑んで翌朝には宿中の人と仲よくなってるぐらいの勢いでないと。
「それはムシ追いキングのときのヒゲだにゃ」
とにかくそのぐらい、脳味噌を麻痺させる勢いでないと大人には無理だ。
「お国はあいつ、画伯だぜ。化物斬りが写生やらせたら頭抱えてたにゃ」
え。じゃあまんば君にちょっとなんか描かせて、キュビズムとか言っちゃえば売れるかな。
「管理人さん、そんな薄ら暗い小商にお国を使わないでもらえるかな。あの子はまったく、斬るのと食べるのと以外はまるっきり子供じゃないか。どういう経緯で顕現させたらああなるんだい」
いや、あの、まんば君顕現させるときに、腕白でもいい、たくましく育ってくれって思ってたら、あんな感じに。
「たくましいにも程があるよ。それにあそこまで絵心がないと、陣形の練り直しを出陣先で急遽することになったときなんか困るんだよ。その場で図解して、みんなで見て確認するんだから。隊長が画伯では、どこの地形を描いて見せているのか、部隊の仲間に伝わらないだろう」
あ、意外と真面目な理由だった。
「今度、絵画教室にでも通わせようかと思ってるんだが、君どこかいい教室を知らないかな」
そこまでか。
「そうか、この前お国が、出陣先での陣形確認のときに『この辺山』だの『ここに川』だの書いていたのは、そういうことだったのか」
「お国さんは顕現された当時からアバンギャルドな絵を描かれていましたから。斬新で僕ら如きでは理解できないのが実に歯痒く、申し訳なく思っていたのです」
「お国の絵は独創的で最高だぞ」
うぐやんからは高評価もらってるけど、チョーさんとしてはどうなん。
「絵画教室・初心者コースあり・この近所、検索」
そこまで危機感持ってるの。
まあほら、ピカソみたいなもんだと思ってさ、まんば君の個性だから。あるがままを受け止めてやろうよ。
「個性という言葉ではフォローできない腕なんだよ! 」
「ちょっと待って長義さん! 俺、お国さんに絵を教わりたい! 」
あ、なんか嫌な予感。
「え、包丁君、お国だよ? あの破壊的な絵をどうして? 」
「だって、俺みたいな子供が変に上手に絵を描いちゃうより、ちょっと下手くそなくらいが愛嬌があってかわいいだろ。人妻は優等生より、そういう愛嬌のあるかわいい子供が大好きなんだぞ! 」
あ、やっぱりな。おーい保護者ー! 保護者の方ー!
「包丁、コレ」
「包丁殿、こちらをご覧くださりませ! 鳴狐は、このぐらい突き抜けてこその画伯と申しておりまする! 」
「それ、家光公の描いた絵じゃん! そこはあんまりいじらないで欲しいんだぞ! 」
「かわいいね、この鳥」
「鳴狐はこの鳥の愛らしさに心をくすぐられております! 」
「…お国の絵とどっこいどっこいだ…」
「なあコレ、雀とか四十雀とか、そういう小鳥じゃねえのかにゃ? 」
南泉君、コレ、鳳凰だぜ。不死鳥フェニックス。
「コレが? どう見てもひよこだにゃ」
「あんまりいじるなよう! 家光公がんばったんだぞ! 」
しかし、ここにきてまさかまんば君が画伯だったとはな。
「ダメだ、1箇所見つかったが月謝が高い! 」
もうさあ、本丸の中で絵がうまい誰かに教わるとか、そういう感じにしたら?
ということで、私は明日もう1日仕事なので寝る支度します。
ゆうべ「鵼の碑」読み終わりましてね、なんかもう胸熱やら切ないやらで情緒がダメになりかけましたが、ダメだ私はまだ死ねない。大阪城を掘らなくては。
大阪城はまだあと4日は入れる。コーベインを1枚でも多くもぎ取るぞ。
「管理人さん、山賊みたいな発言だにゃ」
おいおい南泉君、そこは馬賊って言ってくれよ、なあ。